全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第二章 ― 遥斗 ―

計算違い②

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 前までもう少し耐えられた気がするのに、一週間で、こんな状態ではまずいなと思う。
 優が弁当を用意してくれるのは1ヶ月の約束だ。
 そっちに慣れるとつらい。

 電車に揺られながら、自分を戒めた。



 月曜日、立っているのがしんどくて、座りながらスケッチをしていると、元気いっぱいの優が来た。

「おはよーございます! お弁当ですよー。今日は遥斗先輩の好きなものと新作を入れましたよ!」
「あぁ、ありがとう」

 本当に助かる。
 弁当という言葉に生唾が湧く。

 優は弁当を置いて、教室に向かったので、早速弁当を開く。
 『先輩の好きなもの』って唐揚げか?
 新作はこのハンバーグか?
 普通、弁当に入れるハンバーグって、もっと小さく作らないか?
 おかしく思いつつ口に入れると、「うまい……」そう声が漏れた。

 腹が減ってはいたけど、土日にあまり食べていなかった俺はいつもほど食べられず、昼にまわした。

 遅めの昼もたっぷり食べて、絵を描き始めたが、眠くて眠くてしかたがない。
 しばらく頑張っていたが、立ったままうとうとしてきたので、あきらめて壁際のマットが敷いてある場所に腰かけた。
 この部屋は物置になっていたようで、このマットは最初からあって、なにに使うかわからない布もいっぱいあったので、そこに積み重ねてソファー代わりにしている。

 ちょっと休憩しよう。
 
 そう思って壁に持たれて目を閉じた。

 
 気がついたら、部屋は真っ暗だった。
 あのままぐっすり寝てしまっていたらしい。
 
「ん……」

 変な姿勢で寝ていたので、身体が強ばっていて、伸びをすると、パサッと布が落ちた。
 俺の身体に掛けられていたらしい。

 優か……?

 灯りをつけてみると、弁当箱がなくなっているから、優が来たことは間違いない。
 寒いと思って、布をかけてくれたらしい。
 ふっと心が温かくなった。




 翌朝、優が来たとき、なんとなく照れくさくて、そっぽを向いて挨拶をする。
 だが、胃にしみたハンバーグの感想は言っておきたかった。

「……昨日は寝てて悪かったな。ハンバーグうまかった」

 優は「ハンバーグ、気に入ってもらえてよかった! ちょっと自信あったんです。また作りますね!」と喜んだ。
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