全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第三章 

意味わかる?①

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 散々泣いて、泣き疲れると、不思議と落ち着いた。
 でも、目は痛いし、鼻はずるずる。
 廊下に誰もいないことを確認して、近くのトイレに駆け込む。
 バシャバシャと顔を洗ったら、スッキリした。
 でも、完全に目が腫れていてひどい顔。
 ハンカチを濡らして目を冷やす。

 …………初めて授業をサボっちゃったなぁ。

 先生に見つかるとヤバいから、またさっきの教室に戻った。

 今度はちゃんと椅子に座って、水筒のお茶を飲む。

 はぁぁぁあ………。

 なにが遥斗先輩を怒らせたのかなぁ。
 和田先生に出品料の話をしたのがバレたとか? お兄ちゃんの服を和田先生経由であげたこと? やっぱりあの部屋を部室にしたことが嫌になったのかな?

 心当たりがあり過ぎて、特定できない。
 細かいところでは、お弁当の感想を言わせるとか、嫌だったのかもしれない。
 ボソッと律儀に言ってくれるのがかわいくて、結構好きだったのになぁ。
 それも、もう聞けない。

『お前にうろちょろされると迷惑だ。もう絵が売れるのはわかったし、お前には用はない』

 先輩の声がリフレインする。
 胸に棘が刺さったように、ズキズキ痛む。

 でも、私がいても全然お構いなしに絵を描いてたよね?
 もう私に用はないなんて、私を利用してたような言い方だったけど、私がどんどん勝手に進めたことだったし、なんか違うよね?

 冷静になってみると、なんかおかしい。

 昨日の帰りまで遥斗先輩は普通で笑ったりもして、絵が売れたことを喜んでいたし、私が部室に来るのを嫌がる様子もなかった。
 お弁当は今週で終わりでいいとは言っていたけど、私がどうしてもって言ったら、受け取ってくれそうだった。

 なのに、急になんで?
 『ここに来るな』の一点張りだった。
 ってことは、私が帰ってからなにかあったの?

 考えられるのは真奈美先輩か和田先生。
 まずは真奈美先輩に聞いてみようかな。

 方針が決まるとちょっと心が軽くなった。
 それでも、あの遥斗先輩の冷たい眼差しを思い出すと、すぐ心が冷えてズーンと重くなる。

 ダメだ。えっと思い浮かべるなら笑顔にしよう。

 遥斗先輩の滅多に見せない笑顔を思い浮かべると、それはそれで泣きたくなった。
 胸がキューッとなって、切なくなる。

 その顔に向かって心の中で叫ぶ。

 おせっかい優ちゃんから、そんな簡単に逃げられると思わないでください!


 真奈美先輩のところに行くことにしたのはいいんだけど、まだ授業中だ。
 時間を持て余した私は仕方なく勉強をすることにした。
 もうすぐ中間テストだし。
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