全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第三章 

作戦②

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 なにがあったんだろう。

 にやにやと笑う私を睨んで、菜摘ちゃんは話を戻した。

「今はその話じゃないでしょ? もし優がやるっていうなら、放課後にでも打ち合わせしようって」
「菜摘ちゃんも手伝ってくれる?」
「しょうがないなー」
「じゃあ、やる!」
「よし、それでこそ、優だわ!」

 ふふふと笑い合った。



 放課後に菜摘ちゃんと新聞部に行った。
 写真同好会の部室とは離れた文化系の部室が並んだ一角だ。
 そういえば、なんで写真部だけ運動部の部室の並びにあるのかな?

「こんにちはー」

 中に入ると、坂本先輩がにっこり微笑んで手を上げた。
 
「お久しぶりです、坂本先輩」
「おー、久しぶりだな、佐伯」

 短髪を立てている髪型は変わらなかったけど、トゲトゲしていた記憶の先輩からずいぶん丸くなって穏やかな表情をしていた。特に菜摘ちゃんを見る目が優しい。

 うわぁ、目で会話してる!
 
 友達のそんな姿にドキドキしながら見ていると、視線に気がついた坂本先輩が咳払いをしてごまかした。

「で、記事を書いてくれる気になったんだってな」
「書くっていうか、写真メインが有難いんですけど、部活紹介をしていこうかなと思って」
「いいんじゃないか? 取り上げられて喜ばない部はないだろうし」

 あっさり賛成される。

「で、急なんだが、校内新聞は毎月10日に発行しているから、次の6月号に間に合わせるには来週月曜日までに原稿がほしいんだ」
「来週月曜って、今日が木曜だから明日取材して記事を書かないといけないってことですか?」

 そんな、無理だ!
 そう思ったのが顔に出たらしく、坂本先輩が慌てて付け足した。

「運動部から紹介したいらしいと菜摘に聞いて、もう陸上部とサッカー部には打診してあるんだ。なんなら今からでも好きな方の取材に行けるぞ?」
「えぇー! 今からと言われても……」
「もちろん、俺も最初はついていってやるし」

 さすがの私でも、今からはためらってしまう。取材なんて未知の領域だし。

「坂本さん、さすがに今からは無理だから、過去の記事とか見せて、どんな感じか説明してあげて」

 黙って私たちのやり取りを見ていた菜摘ちゃんが見かねて口を出してくれる。
 ナイスアシスト、菜摘ちゃん。

「まぁ、そうだな。じゃあ、取材は明日にして説明するよ。こっちに来てくれ」

 そう言われて、私たちは過去の新聞記事を見せられ、坂本先輩の思う記事のイメージとか、なにを聞くか予めノートに書いていった方がいいとかのアドバイスを聞いた。

 危ない危ない。こういうことを聞かずに取材に行ってもなにも聞けないし書けないところだったよ。

 相談した結果、個人競技が多い陸上よりもまずサッカー部を取材するのがいいんじゃないかという結論になり、明日3人で取材に行くことにした。ついでに、陸上部にも挨拶だけは行こうということになる。
 そんな打ち合わせをすると、私はひとり先に帰った。
 あまりお邪魔してもね。
 ふふっと笑う。


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