全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第三章 

すごい!①

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「おはよー」

 元気よく挨拶した私に、さやちゃんが振り向いて、ぷっと吹き出した。

「おはよー。って、優、もう遥斗先輩と仲直りしたの!?」
「えー、そんなにわかる?」
「そりゃ、わかるわよ。顔が緩みきってるもん」

 さやちゃんにそう言われて、えぇーっと顔を手で押さえて隠す。
 昨日から緩んでいる自覚はある。
 恥ずかしい……。

「あとで詳しく聞かせなさいよ!」
「………わかった」
「お昼はまた屋上ね」

 さやちゃんはにやっと笑った。



 昼休みは予告された通り、屋上で洗いざらい白状させられて──さすがに抱き寄せられたのは黙っていた──二人にキャーキャーはやし立てられる。

「ご飯を一緒に食べるってポイント高いよねー」
「遥斗先輩を餌付けしてると思ったら、逆に食べさせられるなんてねー」
「餌付けって……」
「でも、もうお弁当は持って行かないんでしょ? 餌付けの次の作戦は?」
「餌付けなんてしてないし、作戦なんてないよ!」

 からかう二人に叫んで、口を尖らせる。

 遥斗先輩が平穏無事に絵を描いて過ごせたら、それを見ていられたら、私はそれでいいのに。

 それを一生懸命説明したら、「ふ~ん、それでいいんだ?」とかわいそうな子を見るように見られた。
 なんでよ!




 放課後は、菜摘ちゃんと新聞部に行って、坂本先輩に選んだ写真と記事の文章を見せる。

「おぉ、いいじゃないか! 初めて書いたとは思えないな。これならそのまま使えるよ」

 合格だったみたいで、坂本先輩に褒められて喜ぶ。
 よかったね、と菜摘ちゃんも一緒に喜んでくれる。

「正直、文は俺が作らないといけないかなと思っていたんだが、助かるよ。これなら来月の記事も任せられるな」

 そうだ、来月もあったんだ。また、遥斗先輩に手伝ってもらわなきゃ。
 次の陸上部は、まとめるのが難しそうだなぁ。

 データをメールするように言われたので、部室のパソコンから送ると言って、新聞部を出た。


 部室の前で、真奈美先輩と鉢合わせた。

「こんにちは、真奈美先輩!」
「あら、優ちゃん、こんにちは。ここに来るってことは、もう遥斗と仲直りしたの?」
「はい。おかげさまで」
「なーんだ、心配して損しちゃった」

 拍子抜けしたような顔をしている。
 真奈美先輩も気にしてくれていたんだ。
 なんか申し訳ない……。

「ま、いいわ。せっかく来たからちょっと遥斗の顔見ていくわ」

 一緒に部室の中に入っていく。

「こんにちはー!」
「一週間ぶりー、遥斗」

 真奈美先輩が手を振ると、遥斗先輩が眉をあげた。

「なんか用か?」
「べつにー。様子を見にきただけよ。元気そうね」
「まぁな」

 相変わらずのそっけなさ。

 私は二人の会話を横目にパソコンを立ち上げて、自分のメールを開けた。
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