全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第三章 

おせっかいはもういい①

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 ちょうど明日は土曜日だから、部室に行かなくてもいい。
 でも、来週からどうしようかな……。

 淡々と頭は働く。

 野球部紹介の原稿は、再来週の月曜に出せばいいから、しばらくは部室に行かなくてもいいかな。
 さすがに、気まずくて行ける気がしない。

 その週末は、家にいるのも鬱々するから、自転車で外をさまよった。
 学校のそばに行くと遥斗先輩を思い出すし、川辺も先輩を思い出すし、と反対方向に行ったのに、やっぱり先輩のことが頭から離れなくて、ひたすら自転車を漕いだ。

 日差しが暑い。
 じっとり嫌な汗をかく。
 帽子を持ってきたらよかったなぁ。
 日焼けしちゃうかも。

 日焼け止めは塗っていない。
 こんなところでも女子力の差が出るんだろうなぁ。
 でも、もう女子力とか関係ないか……。

 ぐんぐん自転車を漕いでいったら、小高い丘に出た。
 喉が乾いたから、自販機で水を買って、そこでちょっと休憩する。

 丘には木陰にベンチがあって、そこに座り込む。
 思ったより疲れていた。
 日差しが遮られるだけで、心地いい。
 そこからは街が一望に見渡せて眺めがいいけど、今は見たくない学校や川辺が目に入った。
 ほろりと一筋涙がこぼれた。




「おはよー」
「おはよー!」

 月曜日、元気に挨拶する。
 大丈夫。ちゃんと笑えている。いつも通り。
 菜摘ちゃんたちにはまだ言えない。気持ちが落ち着いていないから。

 自分でも驚くぐらい普通に過ごせた。部室に行かない以外は。

 菜摘ちゃんが坂本先輩に口説かれて、とうとう新聞部に入ることになったらしい。
 それまでも普通に手伝っていたから、今さらな感じだけどと、照れたように言う菜摘ちゃんがかわいい。
 友達が幸せそうなのは単純にうれしいし、楽しい話題に気が紛れた。



 月、火が過ぎて、水曜日。

 真奈美先輩が教室に来た。

「優ちゃん、ごめんね。余計なことをして、かえってこじらせて」
 
 先輩は謝ってくれるけど、私は首を横に振る。

「いいんです。わかっていたことだから。遥斗先輩が私に恋愛感情ないってことは」
「違うのよ、あれは………」
「もう、いいんです!」

 あまりそのことは話したくなくて、言葉を遮る。

「でも、遥斗はむちゃくちゃ凹んでいたわよ? 一度ちゃんと話したら?」
「心配しなくても、そのうち部室には行きますよ。写真のデータも置いたままなので」

 なにを凹むことがあるんだろう?
 遥斗先輩のことはよくわからない。
 
 でも、単純に部活の先輩、後輩として接すればいいのかも。別に今までも特別な関係だったわけでもないんだし。フラれたと思っているのは私だけだし。

「辞めないわよね?」

 私があまりに淡々としているからか、真奈美先輩が心配そうに聞いてきた。
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