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第1章 勉強よりもクエストへ
第三話 「ギルドへようこそ」
しおりを挟むギルドに向かって歩いている途中にユノアは疑問を思い浮かべた表情でケイタに言った。
「そういえば、さっきから気になっていたんだけど、その白いカバンの中には何が入ってるの?」
ケイタは白いカバンを身につけていた。もちろん学校に向かっていたので教科書類とかしか入ってない。
しかし、また疑われるのが嫌だったのでカバンの中身をユノアに見せた。
「えっとね、教科書でしょ、それから筆記用具にノートとスマホと財布くらいかなぁ?」
改めて見ると、本当に生きていけるか不安になった。
するとユノアは、ノートを取り出して言った。
「こんなモノ持ってて、何に使うの? それに見たことない文字ね?」
「あー、それは日本語って言って、俺が住んでた国の文字だよ。」
「これは何?」
「あー、それはスマートフォンだよ。」
「どうやって使うの?」
ユノアはかなり食いついていた。ケイタのことを疑っているわりには、よく喋る子だった。
「これは、このボタンを押すと、……あれ?」
なぜかスマホの電源がつかなかった。
「あれ? おかしいな? 壊れてるみたい。」
するとユノアは、残念そうにしていた。
そんな会話をしているうちに、そこら辺の建物よりも明らかに大きい建物の前にきた。
「ついたぜ! さぁ、入って!」
扉を開けて中に入った。すると、丸いオボンを持った女性がいた。
「いらっしゃいませ、『ミラバレノ』へようこそ、お食事をしたい方はこちらのテーブルへどうぞ! また、クエスト関係でありましたら、奥のカウンターへ。」
「へー、ここは食事もできるのか。」
ケイタ達は奥のカウンターの方に向かった。
すると、ピンク色で長い髪の若い女性がカウンターの前に立っていた。
「よっ! リサ、今時間あるか?」
「ええ、大丈夫よ! どうかしたのフェイト? 」
「それが頼みたい事があって、どうやらコイツ旅人らしくて、ユノアがキリスの手先じゃないかって疑ってるんだ。だから、リサの魔法でなんとかならないか?」
フェイトがリサに頼んだ。
するとケイタは驚いた。
(魔法ってなんだよ⁈ たしかにその男が言ったよな。そんなことが本当にできるのかよ⁈)
リサは頷いた。
「わかったわ! そういう事なら任せて!」
「あなた、そこの紙に手をかざして。」
ケイタは、リサのいう通りにA4サイズくらいの紙に手をかざした。
そしてリサは、ケイタの手の上に両手をかざして目を閉じた。
すると、リサの両手からピンク色の光が広がり始めた。
「私はね、こうすることで相手のステータスを紙に文字として表すことができるの。」
リサは、ケイタに自分の魔法の説明をした。
「これが……魔法……。」
ケイタは生唾を飲んだ。
初めて見る魔法にケイタは緊張していた。
しばらくすると紙から少しずつ文字が浮かんできた。
すると、光が消えリサはその紙を手に取り、そこに書かれてある文を読み始めた。
「できたわ! えっと、なになに? 佐藤啓太十六歳。魔力0、体力32、ってみたところキリスの手先じゃなさそうね。安心しなさいユノア! 」
リサは言った。
すると、ユノアはケイタの顔をみた。
「悪かったわ疑って、あなたケイタって言うんだ。」
ユノアの上目遣いに俺は一気に鼓動が早くなった。
(だからなんだよ急に見せるその可愛い仕草は! 惚れてまうやろっ!)
思わず、心の中で叫んでしまった。
「それにしても魔力0って、市民以下ね。ちなみに私の魔力は82! この街で一番よ!」
ユノアは自慢気に言った。数値のことはよくわからなかったが、ユノアがすごい力をもってることは、なんとなくわかった。
(どおりであの力だ。だよなぁ、魔法とかじゃなかったら、あんな細い腕で男を殴り飛ばすことなんて出来ないもんな。)
ケイタは納得した。
「あの俺、お金持ってないんで働きたいんですけど!」
先ほど店のレジをチラッとみたが、どうやら通貨も日本とは違うものだった。なのでケイタは、まずはお金を稼ぐことに決めた。
「え! あなたもなの?」
隣にいたユノアが言った。
どうやら、ユノアと俺は二人揃って一文無しらしい。
「だったら二人でクエスト行って来いよ!」
フェイトは言った。すると、ユノアは嫌がった顔をした。
「嫌よ! 魔力0とか、足手まといにしかならないわ! まぁ、さっきは私のこと助けようとしてくれたから、悪い人ではなさそうだけど。」
「だったらいいじゃねーか? 一度討伐クエスト行って来いよ! ちょうど良さそうなの貼ってあったぜ!」
フェイトにそう言われると、
「とりあえずクエストには行くけど、あなたは私についてくるだけでいいからね! 間違っても私の足を引っ張ることはしないでよね!」
「あー、うん。 頑張るよ。」
(あー、やっぱりうぜーわコイツ!)
そういうと、二人はクエストの依頼が貼ってある掲示板へ向かった。
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