優等生ですけど異世界召喚されました。

古井新一

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第1章 勉強よりもクエストへ

第五話 「最初のターゲット」

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 光りだけが広がる空間に立っていた。

 「ん?」

  目の前に幼い女の子が現れた。はっきりと姿は見えないが、何処と無く懐かしさを感じる。

 「君は?」

 名前を聞こうとしたが、少女は煙のように消えてしまった。







「ケイタ!」

 活気のある声に、目が覚めると綺麗な青空が広がっていた。少し顔をずらすとユノアの姿が見えた。

 「やっと目が覚めたわね」

  少し怒り気味の表情だが、心地よい風が吹き、落ち着いた表情になった。

 「ここがキュール草原か」

 周りを見渡した限り建物や森などはなく、辺り一面にキュウリのような野菜が生った植物が広がっていた。
  その野菜は通常のキュウリの5倍近くある大きさで、状態の良い立派なものだった。

 「少し気分が悪いから、休ませてくれ」

  ケイタはキュウリが大の苦手だった。キュウリ農家の息子であるケイタは、幼い頃から毎日のように食卓にキュウリが並んでいた。特に食べれないわけではなかったが、成長期だからと言って、親に食べさせられた結果、苦手になってしまった。俗に言うトラウマというものだ。

 「大丈夫ケイタ? そんなにうかうかしてられないわよ! こうしているうちに」

 どこからか、羽の音が聞こえた。その音はだんだんと大きくなり、近づいてくる。

 「ヒャーヒュン、ヒャーヒュン」

  地面に影が映り、ケイタは空を見上げると体長約3メートル程の生物が飛び回っていた。
その生物はゆっくりと降りてきて地面に足がつくと、野菜を食べ始めた。

 「あれが今回のターゲットよ!『デビル・アリマキ』このあたりに生殖するモンスターよ!」

 緑色の外見に、細い足を見て、アリマキという言葉の意味をケイタは思い出した。

 「あれは間違いない、アブラムシだな。アブラムシは別名アリマキと呼ぶこともあるし間違いない。」

 アブラムシは小さくて、弱々しい生き物だが、このモンスターは全くの正反対だ。

 「こんなのと、どうやって戦うんだよ!」


 「ヒャーヒュン、ヒャーヒュン」


 ケイタはものすごく焦っていたが、ユノアは冷静だった。

「ケイタは見学しててよ。 私のスキルも見せたかったし」

 ユノアは勢いよく飛び出した。
モンスターに近きユノアは右手を強く握りしめると、電流のような青い光が放ち、その拳を振りかぶり、とてつもないスピードで打撃した。
 その拳が接触した瞬間、モンスターは一気に砕け散った。
 あっという間の出来事だった。

 「うっ、おぇ……」

 あたりに散らばったモンスターの液体や塊を見て、ケイタは嘔吐してしまった。
 
 「こ、これ、この死骸……どうするんだよ?」

 吐き気を我慢しながら、ユノアに質問した。

 「大丈夫よ。日が経つと、この死骸が肥料となって、野菜が元気に育つのよ」

 絶対に食べたくないと、ケイタは思った。

「それじゃあ、クエストもクリアしたことだし帰りましょ……ん? 雨が降ってきたわね」

 ポツリと雨が降ってきたが、次第に土砂降りになってきた。

 「2キロ先くらいに建物があるわ! そこで雨宿りしましょっ」

 「そうだな。こんな土砂降りだとどのみち帰れないからな!」

 「急ぎましょっ!」

 ケイタが走り出そうとした時、突然、地面が大きく揺れた。

 「イヤッ!」

 ユノアの悲鳴が聞こえた。
急いで振り返ると、ユノアは植物の無数の枝に絡まって、宙吊りになり身動きがとれない状態だった。

 「ユノア!」
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