優等生ですけど異世界召喚されました。

古井新一

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第1章 勉強よりもクエストへ

第六話 「恐怖と無力」

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  「ケイタ! そこから離れて!」

ユノアの声が届いた時にはもう遅かった。鋭く鞭のような枝が、ケイタの左肩に対して垂直にスイングするように降りかかった。もはや、バレーボールのアタックをイメージさせるような攻撃にケイタの避ける動作が追いつかなかった。
 ケイタの左腕は吹き飛び、辺り一面に真っ赤な血が飛び散り、同時に倒れこんだ。

 「アッ⁉︎ アッ⁉︎ 俺の腕⁉︎ アッ⁉︎ 嘘だろ⁉︎」

 ケイタは左肩をおさえながらもがき苦しんだ。痛いというより熱い。それも燃え上がるような熱さだ。とにかく流れ出る血の量が半端じゃなかった。このまま放置すれば短時間で命に関わるかもしれない。焦りが続く。

 「アッ⁉︎ アッ、 アッ……ッッ」

 芝にこぶりつく自分の血液と錆びた鉄のようなにおいが脳にしみ渡る。全身が凍らされるような感覚に襲われた。左肩は小さい虫が湧き上がってくるような痺れを感じる。
 目の前には無数の枝をまとう巨大な植物モンスターとその枝に巻かれているユノアの姿が見えた。

 「マズイ…… このままだと……まだ、俺にもやりたいことが……それにユノアも……」

 意識を徐々に失いかけてくるのがわかった。次第に死が近づいてくる恐怖で震え上がるが体の感覚もなくなりかけていた。視界がぼやけてきた。
 しかし、ぼやけた視界の先に人らしき影が見えた。その人はモンスターに近づき、モンスターの体の一部である茎を撫でるとモンスターは妙に大人しくなった。しばらくすると、その人は倒れているケイタのところへゆっくりと近づいて来た。

 「あなたは……誰だ……?」

 ケイタは声をかけた。どこか見覚えのある人のように思えた。また、その人は自分に何か話しかけていたが耳には入ってこない。だが、その人は俺を知っている気がした。この知ってるというのは、俺がこの世界の住人ではないという事を知ってるという意味だ。それは勘でしかなかったがなぜかそんな気がした。ケイタはその人物が誰なのか考えたが、思い出せないまま意識が途切れた。







 

 

何もない空間に俺はいた。そこは、光が永遠と広がっているように見える。だが、どこか懐かしさを感じる。過去にこの場所に来た記憶はないが、自然と馴染みのある場所に違いないことだけは感覚でわかった。もしかしたら、一度来たことがあるかも知れないが、今は思い浮かばなかった。
 ふらふらと歩きはじめると、何処からか音が聞こえてきた。それが女の子の声だと気づくまでにそんなに時間はかからなかった。
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