燃えよ、ロボ魂!!

結城藍人

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第74話 超時空世紀オーガス(1983-84年)

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 さて、いよいよ私的には本命、83年で一番熱心に見た作品オーガスの登場です。完全にマクロスからの流れですね。第1話から最終回まで、途中多少の脱落はあるもののリアルタイムで見ています。そして、再放送では見たことがなく、私が遊んでいた頃のスパロボにも出ていないので、完全にリアルタイム視聴の印象と二次資料による知識のみとなります。ノベライズ版も買った気がするのですが、あまり印象に残っていません。

 さて、本作ですが、なぜか「超時空」シリーズ三作中で、唯一タツノコプロが絡まず、東京ムービー新社(現トムス・エンタテインメント)の制作です。もちろん前作マクロスのメインスタッフは制作に絡んでいるのですが。

 ここでハブられたタツノコプロが作ったのが『機甲創世記モスピーダ』なんですね。そらバルキリーみたいなロボが出るはずだわ。あと、なんでアメリカに輸出された『ロボテック』がマクロス、モスピーダ、サザンクロスって組み合わせなのも、タツノコの版権買ってるからなんですね。ということで、アメリカじゃ逆にオーガスの方がハブられてるという(笑)。

 さて、ロボ的に見た場合、先祖返りしております(笑)。オーガスって完全にワンオフなんですよ。リアルロボっぽく、あとで「オーガスⅡ」って量産型が出てきますが、これは文字通り主人公機を量産したものです。ただし、性能の劣化はなし! 完全に主人公機オーガスと同じ性能を持っていて、違うのは顔だけです……とか思ってたら、Wiki読んだら無駄な部分省いてるんで主人公機より性能いいよ! もっとも高性能すぎて扱いきれないということで、一般兵用はリミッターがかかってるようです。なので、一番高性能なのは主人公機のオリジナル・オーガスじゃなくて、主人公桂木かつらぎけいの親友で相棒で、のちに義息子(爆)になるオルソンの愛機になるオルソン・カスタム(リミッターが外れてる)だったりします。

 このオーガスなんですが、かなりカッコ良いロボなんですよ。私は好きでした。バルキリーを上回る四段変形ですから。ただ、四つ目のタンクモードは、正直無理矢理くっつけたかな、という気がしなくもないという(笑)。

 あと、ロボ形態とガウォーク形態はカッコ良いんですが、飛行機形態が正直言ってあまりカッコ良くなかった。これ、あとから考えると微妙にジブリ系というか、宮崎駿の飛行機を意識してる雰囲気があるんですよね。

 ……って、フォルム再確認しようかと思って画像ググってみたら『鉄血のオルフェンズ』の主人公の顔も出てきたよ!(爆) そういや、あいつ三日月・オーガスって名前だったっけ。

 そして、これは今回の話を書くためにWikiを調べたら書いてあったので初めて気付いたんですが、こいつ、全体的に丸っこいです。そして、敵メカの方が四角い。これが受けなかった原因かもしれないと書いてありました。

 いやー、リアルタイムでは気付かなかったなあ、これ。実のところ、少し時代を先取りしすぎてた可能性はありますね。例えば自動車のデザインを見てみると、80年代って角張ってるんですよ。それが90年代後半以降には丸みを帯びたデザインが増えたという。2010年代以降はまた違ってきていますが。

 そう、私はオーガスを普通に気に入っていましたし、弟はオーガスの玩具を買っていました。これがまた、できが良かったんです。作中のフォルムを結構忠実に再現した上で、完全四段変形。余計なギミックも少なく、ミサイルガンからスプリングでミサイルが発射されるくらい。唯一キャノピーが色分けされていないのがアニメと違う点という。これを解消するために、白い顔料カラーペンでキャノピー枠を塗ってみたところ、厚みが増してキャノピーカバーが閉まりにくくなってしまったという(笑)。

 実は、この頃プラモはMSVにハマっていたものの、筆だとうまく色塗りができない&面倒ということに気付いて顔料系のカラーペンを塗装に使っていたんですね。黒だけは普通のマジック使ってたようなおぼえもあります(笑)。

 あれ、こういう塗装してたってことは、もしかしてオーガス買ったのは私かも? 記憶の方が曖昧で、どっちが買ったのかおぼえていません。

 ただ、もうひとつオーガス関連で買ったロボがあり、そっちは弟が買ったことを明確におぼえています。

 それは、敵ロボ「ナイキック」です。最初は敵のライバルとして登場するオルソンと、それを慕う敵軍女性士官アテナの愛機です。飛行機、ガウォークに三段変形するロボで、敵メカながら非常にカッコ良かったという。オルソンやアテナが乗る指揮官機と一般機は顔が違います。

 この飛行機形態への変形が非常に独特で、脚を横に折りたたんで翼状にするんですね。かなり四角くて横長の飛行機になりますが、全翼機っぽくてカッコ良かったんですよ。飛行機形態も、ロボ形態も主役ロボであるオーガスを食っちゃうくらいカッコ良かった。

 これまた玩具のできも非常に良くて、完全変形でスタイルも良好という。私も弟も気に入っていました。

 ……だから、気付かなかったんです。オーガスの玩具が売れてない、ということに。

 ほかのメカとしては、味方である商業国家「エマーン」のモラーバシリーズは、ガウォークに対抗したのか飛行機に腕が付いてるだけの「腕メカ」です。

 これに対して、初期の敵軍である軍事国家「チラム」の戦闘メカはガウォーク系の「脚メカ」です。特に序盤の雑魚メカである「イシュキック」とか、その偵察機仕様の「イシュフォーン」とか、なかなかイイ味出してるメカだったりします。

 これらも玩具が出てましたね。買いませんでしたけど(笑)。

 そう、「買いませんでしたけど」です。きっと、みんな買わなかったんだろうな。

 オーガスの玩具売り上げは、振るわなかったとWikiに書いてあります。同時期のほかのタカトクトイスがスポンサードした巨大ロボットアニメの玩具も振るわなかったと。サスライガーもドルバックも、そして巨大ロボ路線から普通のタイムボカンメカに戻ったイタダキマンも……。

 オーガスは全三十五話という変則的な数字ながら「打ち切り」とは書かれていません。初期予定の話数を完走したということでしょう。

 しかし、タカトクトイスは超時空シリーズのスポンサーから降り、超時空シリーズ第三弾『超時空騎団サザンクロス』のスポンサーはバンダイとなります。

 そして翌年84年4月8日、オーガスは最終回をむかえます。その約二か月後、84年5月25日にタカトクトイスは不渡り手形を出して倒産。そのあおりで、当時スポンサードしていた『超攻速ガルビオン』は打ち切りとなり、その制作会社である国際映画社も連鎖的に事実上の廃業に追い込まれています(版権管理会社として現在も一応存続だけはしているようです)。

 売れなかった……オーガスは、売れなかったんです。

 クローバーの倒産に続くタカトクトイスの倒産。それは、ロボに魅力が無くなったからでしょうか? リアルロボというのは、結局は一部しか売れない「毒饅頭」だったのでしょうか?

 いいえ、それは違うと思います。玩具のメインターゲット層だった「団塊ジュニア」。1972~74年を頂点とする第二次ベビーブーマーが高年齢化するのに対応して、それに魅力的な、ハイターゲット狙いの玩具を作ろうという意図に、リアルロボは合致していたと思います。

 しかし、そもそも巨大ロボ物自体が、いやアニメそのものが「子供っぽいもの」と認識されていました。ガンダムは特別。マクロスも特別。しかし、そうした「特別」なもの以外は、卒業するものだと思われていたのです。

 私自身が、この頃に言われましたよ。「いい加減、アニメなんて卒業したらどうだ」と。

 そして、それ以外にも巨大な、非常に巨大な、ホビーの転換点が迫っていたのです。

 時に西暦1983年7月15日。しくも、オーガスの放送開始である7月3日とほぼ時を同じくして、この世に産声を上げた商品があります。

 その名は「ファミリーコンピューター」!!

 のちに世界を席巻する名ゲーム機が店頭に並んだのが、この日だったのです。

 この巨大なるビッグウェーブを前に、愛すべき巨大ロボたちは、なすすべもなく飲み込まれ、流され、そして歴史の狭間に消えていく運命にあったのです。

 ああ、もう時間が無くなりました。この巨大なる影響については、今後当エッセイでじっくりと語っていくことにしましょう。とりあえず、次回はオーガス語りの第2回になります。
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