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青銅の魔少女
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はるみはパニックになった。一体全体何が起きているのかわからないから。弟が見ていたなんとか戦隊なになにじゃー(作品名不明)とかいう特撮作品で怪人に改造されるシーンがあるのを思い出したが、今やられているのはただ甲冑を着せられるというアナログな方法だった。怪人の衣装を着せられるというのもショックなのに得体のしれない油で身体を拭かれ、さらに粘々の粘液のような油をかけられてしまった。こんな事をされておかしくならないはずはなかった。
とにかく悲鳴をあげなくちゃ、抗議しよう! そう思ってもはるみの身体は言う事を聞かなかった。心は拒絶しているのに身体は受け入れていた。青銅の魔女の姿になることを。その粘々した油みたいなものは甲冑とはるみの身体にある隙間に入り込んでいった。そして融合したのか、甲冑表面がまるで自分の体のように感じるようになった。
ついで最後の仕上げが始まった。はるみの頭に青銅の魔女の兜がかぶせられた。まずヘルメットみたいにかぶせられると、まるで頭の中身はかき混ぜられるような痛みを感じた。このとき、はるみは抵抗する気が無くなっていたが次は恐ろしいものをみた。そう顔面を青銅の魔女にするためのマスクをかぶせられそうになった。内側には突起があり、それが鼻の穴や口の中へと入っていった。その突起はものすごく熱く生物のように気色悪かったが、口や鼻に入った突起は体内奥深く入り込んでいくようであった。そしてはるみの顔面に青銅のマスクが張り付いてしまい、ものすごく熱くなったため、気を失ってしまった。
それから、小一時間後、目を覚ましたはるみだった青銅の魔人が目を覚ました。まるで生まれたばかりのように新鮮な気分だった。
「どお、青銅の魔人に生まれ変わった気分は?」
目の前にはメリッサがいた。そして今メリッサと同じ姿の青銅の魔女になった少女が立ち上がった。そして姿見の大きな鏡の前にいた。自分はメリッサ様の弟子になったと認識した。
「最高です! こんなに美しい姿になってうれしいです。メリッサ様ありがとうございます」
メリッサよりも身長が低く、幼さが残る顔をした青銅の甲冑を纏った彼女は感謝の念でいっぱいだった。彼女は青銅の魔少女といえた。
「そんなにうれしいか? 改造は成功だな。これからはるみの親のところに行くぞ! その前にお前に名前を授けよう。お前は今からグローディアだ!」
「ありがとうございます! メリッサ様! お供いたします!」
はるみは青銅の魔少女グローディアに存在を上書きされた。はるみはグローディアの内臓となり青銅の魔少女の潜在意識の中に沈んでいった。二人の青銅の魔女のところにさっきまで改造手術をしていたピエロたちが集合していた。
「メリッサ様、準備が出来ております。先方は警官隊で守られております。でも、問題ございません!」
「そうだろうな、あいつらがやれることはそれぐらいだからな。グローディア! さあお前のデビュー戦だぞ! 行くぞ!」
グローディアに改造されたはるみは青銅の魔少女にされた喜びに満ち溢れていた。さきほどまで、恐怖に支配されていたはるみという少女の存在はもうどこにもなかった。メリッサ一味が向かうのは、はるみが生活していた、芙蓉財閥総裁の邸宅だった。そこにあるものを狙っていた。いま、二人の青銅の魔女のショーが始まろうとしていた。
とにかく悲鳴をあげなくちゃ、抗議しよう! そう思ってもはるみの身体は言う事を聞かなかった。心は拒絶しているのに身体は受け入れていた。青銅の魔女の姿になることを。その粘々した油みたいなものは甲冑とはるみの身体にある隙間に入り込んでいった。そして融合したのか、甲冑表面がまるで自分の体のように感じるようになった。
ついで最後の仕上げが始まった。はるみの頭に青銅の魔女の兜がかぶせられた。まずヘルメットみたいにかぶせられると、まるで頭の中身はかき混ぜられるような痛みを感じた。このとき、はるみは抵抗する気が無くなっていたが次は恐ろしいものをみた。そう顔面を青銅の魔女にするためのマスクをかぶせられそうになった。内側には突起があり、それが鼻の穴や口の中へと入っていった。その突起はものすごく熱く生物のように気色悪かったが、口や鼻に入った突起は体内奥深く入り込んでいくようであった。そしてはるみの顔面に青銅のマスクが張り付いてしまい、ものすごく熱くなったため、気を失ってしまった。
それから、小一時間後、目を覚ましたはるみだった青銅の魔人が目を覚ました。まるで生まれたばかりのように新鮮な気分だった。
「どお、青銅の魔人に生まれ変わった気分は?」
目の前にはメリッサがいた。そして今メリッサと同じ姿の青銅の魔女になった少女が立ち上がった。そして姿見の大きな鏡の前にいた。自分はメリッサ様の弟子になったと認識した。
「最高です! こんなに美しい姿になってうれしいです。メリッサ様ありがとうございます」
メリッサよりも身長が低く、幼さが残る顔をした青銅の甲冑を纏った彼女は感謝の念でいっぱいだった。彼女は青銅の魔少女といえた。
「そんなにうれしいか? 改造は成功だな。これからはるみの親のところに行くぞ! その前にお前に名前を授けよう。お前は今からグローディアだ!」
「ありがとうございます! メリッサ様! お供いたします!」
はるみは青銅の魔少女グローディアに存在を上書きされた。はるみはグローディアの内臓となり青銅の魔少女の潜在意識の中に沈んでいった。二人の青銅の魔女のところにさっきまで改造手術をしていたピエロたちが集合していた。
「メリッサ様、準備が出来ております。先方は警官隊で守られております。でも、問題ございません!」
「そうだろうな、あいつらがやれることはそれぐらいだからな。グローディア! さあお前のデビュー戦だぞ! 行くぞ!」
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「青銅の魔女」の完成まで後もう少しですので、続きを楽しみにしております。