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百歳送検された男が出頭したら・・・
前編
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殺人罪の時効が廃止され、無期限に検挙する事が可能になった。しかし、長年迷宮入りした事件が解決するのは容易ではない。それに、犯人が分からないから迷宮入りしたわけだし。
だが、稀に犯人が分かっていることもある。目撃者がいたり物的証拠で特定されている事件だ。でも、それでも行方不明で消息が掴めないから逮捕できないのだ。考えられるのは国外に逃亡(この場合、以前から時効が進行しない)している場合や、この世にいない場合だ。容疑者が逃亡中に自死を選んだり病死していたり・・・では、異世界に行っていたらどうなるのか?
ある町にある交番の前に一台の古い自動車が止まったのは、冬の雨の晩だった。その日は一際寒かった。無人の交番に備え付けの電話でパトロール中の警官がやってきたとき、そこにいたのは夏の恰好をした男で震えていた。
「どうしたのです?」警官はそう言ったが、内心本当に思っていた。古い・・・昭和時代に走っていたようなポンコツのようであったが、何となくそこまで古くは見えなかった。
「はい、僕は・・・人を、家内を殺しました!」その男・・・年齢は60ぐらいであった。頭が薄くて、身体もガリガリだった。
「で、いつだ? さっきのことか?」
「ええ、半月前です。ずっと、車で逃げていたんですが・・・」
「じゃあ、なにか身分を明かすものを見せろ!」
そういって男が差し出した免許状を確認すると、即座におかしなことに気が付いた。生年月日が昭和××年×月×日とあったが・・・
「お前! 百歳すぎているぞ! それに、有効期限が40年前だぞ! いったい、どういうことなんだ!」
男は戸籍上は105歳であるのに・・・若く見えた。それで、こんなことを聞いた。
「じゃあ、お前は今日の日付が分かるか?」そういって答えたのが平成××年だった。
「ちょっと、今は令和××年だぞ!」
「れ、れいわ・・・なんですか、それ? 聞いたことはないです」
男の受け答えに不信を持った警官は直ちに応援を呼んだ。一体何が起きているのか分からなかった。それから過去のデータを検索して分かったが、確かに男は殺人犯だった。今から36年前の・・・
だが、稀に犯人が分かっていることもある。目撃者がいたり物的証拠で特定されている事件だ。でも、それでも行方不明で消息が掴めないから逮捕できないのだ。考えられるのは国外に逃亡(この場合、以前から時効が進行しない)している場合や、この世にいない場合だ。容疑者が逃亡中に自死を選んだり病死していたり・・・では、異世界に行っていたらどうなるのか?
ある町にある交番の前に一台の古い自動車が止まったのは、冬の雨の晩だった。その日は一際寒かった。無人の交番に備え付けの電話でパトロール中の警官がやってきたとき、そこにいたのは夏の恰好をした男で震えていた。
「どうしたのです?」警官はそう言ったが、内心本当に思っていた。古い・・・昭和時代に走っていたようなポンコツのようであったが、何となくそこまで古くは見えなかった。
「はい、僕は・・・人を、家内を殺しました!」その男・・・年齢は60ぐらいであった。頭が薄くて、身体もガリガリだった。
「で、いつだ? さっきのことか?」
「ええ、半月前です。ずっと、車で逃げていたんですが・・・」
「じゃあ、なにか身分を明かすものを見せろ!」
そういって男が差し出した免許状を確認すると、即座におかしなことに気が付いた。生年月日が昭和××年×月×日とあったが・・・
「お前! 百歳すぎているぞ! それに、有効期限が40年前だぞ! いったい、どういうことなんだ!」
男は戸籍上は105歳であるのに・・・若く見えた。それで、こんなことを聞いた。
「じゃあ、お前は今日の日付が分かるか?」そういって答えたのが平成××年だった。
「ちょっと、今は令和××年だぞ!」
「れ、れいわ・・・なんですか、それ? 聞いたことはないです」
男の受け答えに不信を持った警官は直ちに応援を呼んだ。一体何が起きているのか分からなかった。それから過去のデータを検索して分かったが、確かに男は殺人犯だった。今から36年前の・・・
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