3 / 16
百歳送検された男が出頭したら・・・
中編
しおりを挟む
その男、Aは自暴自棄になって引きこもりの息子と妻を殺害していた。その直後自宅から車で逃走したため、緊急配備されたが、行方が分からなくなっていた。事件そのものは平成時代初期の、二十世紀末に起きたが、ずっと捕まえられなかった。
その間に殺人罪の時効が15年から25年に延長され、そして無期限になったが、捕まることはなかった。そして、男が100歳になった年に検察庁に書類送検され事件は終結した。被疑者死亡と同様の扱になったわけだ。もう、生きていないだろうからということで。
しかし、男が出頭してきた! 男の話では半月ほど逃げていたというではないか! 時間の経過がおかしかった。念のために、男の指紋を照合すると、人殺しの男と一致した。男は生きていた!
「副署長、どうします。記者会見します?」 広報担当の警官は尋ねたが副署長の顔色は悪かった。迷宮入りした事件が解決したのは喜ばしい事であるが、この事件はおかしかった。犯人が30年以上もどこにいたのか分からないから・・・
「それは、まて。とりあえず検事と相談する。書類送検は終わっているし・・・」そのあと、検事と連絡したけど、検事もそんなことないのにと言っていた。現在百歳過ぎのはずなのに、犯行当時のままの姿とは・・・
取り調べが行われたが、犯行自体はあっさりと認め争わないというこで自白調書が作成された。問題はそのあとだ。犯行後、今までどこにいたというのだ?
「今年は20××年とは信じられません! 21世紀になったというのですか?」男は驚いた表情であった。どうも本当にまだ20世紀だと思っている様だった。そこで世間話をしてみると、プロ野球はどこのファンと聞くと近鉄バファローズという。その球団はもうありませんよと、いうと大層怒っていた。そのほかにもいろいろ聞くと、二十一世紀の知識はないようで、SNSやメール、スマフォなど何も知らなかった。特にスマフォは信じられないというばかりだった。
「本当なのか? じゃあ、いままでどこにいたんだ?」
「はい、実は・・・薄暗くて長いトンネルのようなところを走ってきました。所々で休んで野宿していたのですが・・・最初のうちは殺した家族が悪いなどと思っていたのですが、だんだんと反省するようになりまして、罪を償うと本気で思うようになったら、人里に出たので交番に出頭しました。それにしても、同じ道であの人に出会いましたよ!」
そういって、指さしたのは指名手配犯人の写真であった。その男も逃亡者であった!
「どこで、会ったんだ?」
「はい・・・よくわかりません・・・でも、なんか取り付いている様でした」そう話す男の顔は強張っていた。
その間に殺人罪の時効が15年から25年に延長され、そして無期限になったが、捕まることはなかった。そして、男が100歳になった年に検察庁に書類送検され事件は終結した。被疑者死亡と同様の扱になったわけだ。もう、生きていないだろうからということで。
しかし、男が出頭してきた! 男の話では半月ほど逃げていたというではないか! 時間の経過がおかしかった。念のために、男の指紋を照合すると、人殺しの男と一致した。男は生きていた!
「副署長、どうします。記者会見します?」 広報担当の警官は尋ねたが副署長の顔色は悪かった。迷宮入りした事件が解決したのは喜ばしい事であるが、この事件はおかしかった。犯人が30年以上もどこにいたのか分からないから・・・
「それは、まて。とりあえず検事と相談する。書類送検は終わっているし・・・」そのあと、検事と連絡したけど、検事もそんなことないのにと言っていた。現在百歳過ぎのはずなのに、犯行当時のままの姿とは・・・
取り調べが行われたが、犯行自体はあっさりと認め争わないというこで自白調書が作成された。問題はそのあとだ。犯行後、今までどこにいたというのだ?
「今年は20××年とは信じられません! 21世紀になったというのですか?」男は驚いた表情であった。どうも本当にまだ20世紀だと思っている様だった。そこで世間話をしてみると、プロ野球はどこのファンと聞くと近鉄バファローズという。その球団はもうありませんよと、いうと大層怒っていた。そのほかにもいろいろ聞くと、二十一世紀の知識はないようで、SNSやメール、スマフォなど何も知らなかった。特にスマフォは信じられないというばかりだった。
「本当なのか? じゃあ、いままでどこにいたんだ?」
「はい、実は・・・薄暗くて長いトンネルのようなところを走ってきました。所々で休んで野宿していたのですが・・・最初のうちは殺した家族が悪いなどと思っていたのですが、だんだんと反省するようになりまして、罪を償うと本気で思うようになったら、人里に出たので交番に出頭しました。それにしても、同じ道であの人に出会いましたよ!」
そういって、指さしたのは指名手配犯人の写真であった。その男も逃亡者であった!
「どこで、会ったんだ?」
「はい・・・よくわかりません・・・でも、なんか取り付いている様でした」そう話す男の顔は強張っていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる