上 下
22 / 42
機械娘にされるのよ!

プリスのノロケ!

しおりを挟む
 私の身体は、次第にロボットの外見へと変わっていった。ただの機ぐるみならば着るだけだけど、ガイノイドスーツは、中身である女性と神経接続することで一体化するらしかった。私は少しずつ、キャサリンへと生まれ変わっていたのだ。

  嵌められた時の激痛がウソのように、私の手足は落ち着きを取り戻したが、変な感覚に気付いた。「服」に相当するはずの外骨格をプリスやジェシカ、クレアが触ると、皮膚を直接触られているかのように感じるのだ!

 「これって、まさか?」

 「あら神経接続成功だわ。このガイノイドスーツは、内臓になった女の子に、外骨格の刺激を皮膚感覚として伝達する機能があるのよ。だからガイノイドスーツを着ていても、服など着ていないと感じるのよ。だからこうやったら」

  そう言ってプリスが、私の下腹部に指を突っ込んだら、感じてしまったのよ! そこはとっくに、外骨格に覆われているのに!

 「こんな固いものに覆われているのに気持ちよく感じるなんて! なんでよ!」

 「教えてあげるわ。機械娘にされた女の子の性的刺激は、生身で受ける時以上に増幅されるのよ! 研究データのためには必要なのよ! それが!」

  このあたりの会話は「機械娘フェチシリーズ」の映像ではカットされていたけど、プリスの言葉は恐ろしいものだった。

 「このスーツは、経験不足の人でも一流の仕事が出来るようにする機能があるわ。でも、まだ不十分なところがあるのよ。女性が本来持つ性交渉の時の快楽までは再現できないの。もし再現できるプログラミングを完成させれば、応用は利くわよ。たとえばセクサロイドにインプットすれば、本物の女の子みたいに殿方の相手ができるようになるわ」

 「つまりプリスさんは、女の子がエッチする時に感じるものをデータ化して、セクサロイドに組み込もうというわけなの? 本物の女の子とまったく同じことができるセクサロイドを開発しようというわけなの?」

 「まあ、そんなところよ。このシリーズはマイナーなフェチもの作品だけど、私たちが全面協力しているのは研究のため、いわば人体実験ね!
  もっとも研究者自身も”体験”しないといけないから被験者になっているわ……でも後悔してないわよ! こんな素晴らしい身体になって!
  旦那は口には出さないけど、不満抱えているみたいだけどね。まあ、私の不満顔を見せなくて済むのが一番の利点かもね。なんたってプリスのフェイスガードの君が一番キュートだといってくれるから! それに夫婦生活もしているから!」

  プリスみたいになった女を、ガイノイドのようになった女房を抱く旦那がいるのは不思議だけれど、そんな男がいるから機械娘フェチシリーズがあるんだと思ってしまった。
しおりを挟む

処理中です...