異世界甲冑女子戦記アオイとエリザベート・そのほかの者たち

ジャン・幸田

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第二章・エリザベートと甲冑蟲

45.はじまってしまった!

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 ラルゴやチャリス以下評議会のメンバーは地下の納骨堂へと駆け出していた。納骨堂は普段は葬儀や慰霊などの儀式が行われる時以外は立ち入りは制限されていたが、アテルナが人を取り込んで復活するのを見届けようということで向かっていた。

 「議長、アテルナは女性型ですよ! それが取り込もうとしているのは殿下とうり二つの娘ですよ。それってまずくないですか?」

 「まずいとは?」

 「きまっているじゃないですか! 甲冑蟲が人間を覆う時は一糸まとわぬ姿になるじゃないですか! わたしだってこの甲冑を纏う時はいつもそうですから」

 「そうだった! でも見届けないといけないじゃないか! 誰かは?」

 「見届けるのは殿下だけで十分ですよ! そんなに若い娘のハダカを見たいのですか?」

 「正直にいうと見たい! なんぼ歳をとってもかわらぬものじゃろう!」

 「そうですか、でも議長というお立場はお忘れなく!」

 「なにをいうか! 医者が女性の病状を確認するために胸を触ったりするじゃないかよ! それと一緒だ!」

 ラルゴは議長とはいえあまりにも本能にのっとった釈明をするチャリスに呆れていた。もう許諾決議書を作成しているので、いまこの瞬間にエリザベートとアテルナが半融合しても問題などなかった。しかし、いまいる評議員たちはスケベなだけな様な気がして恥ずかしかった。でも一人例外があった。

 「いきなり甲冑蟲と半融合するだと? まだ俺はあってねえんだぞ部下となるはずのエリザベートやらに!」

 騎士団長のアンブラスだった。一度甲冑蟲に覆われると取り込まれた人間の素顔を見る事はなかなかできなくなるからだ。特に最初に覆われた場合、ある程度のレベルになるまで脱げるようにならないからだ。実際に上達度が著しく遅い場合、極端な場合二年も覆われたままという者もいたぐらいだから。

 一行が納骨堂の前に立った時、チャリスは大声でシャーミに伝えた。

 「殿下! アテルナの覚醒は評議会一致して認めます! だから立ち会わせてください! ですから開けてもいいですか?」

 すると中からシャーミの声が聞こえてきた。

 「議長、ご判断ありがとうございます! ですが中に入らないでください! もう始まってしまったから!」

 始まった? その言葉に一行は戸惑っていた。通常、甲冑蟲は半融合する相手が決まっても実際に半融合するのは少し時間があるはずだった。だからエリザベートが甲冑騎士になるまでに余裕があったはずだが・・・

 「じゃあ、入れないですか? 誰も?」

 「それじゃあアンブラスとラゴスだけ入ってください! 後の者は絶対ダメです!」

 そういわれたので納骨堂の扉を開けようとしたが、開かなかった。どうも半融合現象は扉のすぐそばで起きているようだった。仕方なく二人は騎士専用の扉から中に向った。
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