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第二章・エリザベートと甲冑蟲
24.甲冑騎士の中のひと
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エリザベートはそれまでアオイと悠亮と別れる結果となって少し後悔していた。異世界に来たというのに自分の事を良く知っている二人と別れる事になったのは、まずかったのではないかと。でも目の前のシャーミの素顔を見て先ほど門番が言った言葉の意味が分かった。
「これって、わたし? どういうこと・・・」
この時の二人は合わせ鏡に写る姿そのものであった。互いに顔が一緒だったことに驚いていた。
「わたしも最初にあなたを見た時驚いたよ本当に。だってわたしが砂丘の小屋からのぞき込んでいるように感じたもの。だから、あなただけでも来てもらいたかったのよ」
そういってミーシャは軽くエリザベートと頬を合わせた。その仕草はこの世界では姉妹同士の愛情表現でもあった。二人は本当によく似ていた。違うところといえば瞳の色でエリザベートはブラウンなのに対しシャーミはサファイアだった。そうエリザベート憧れの色だった。
「それって、あたしがミーシャさんと同じように・・・騎士になれるということですか? それにしてもどうなっているのですか、その甲冑は?」
エリザベートはその時あることに気が付いていた。シャーミが外した兜の内側はなにやら柔毛みたいなもので覆われていた。
「さっき言ったとおり、私たち・・・いえ、この世界の多くの騎士などの戦士が身にまとっている甲冑は全て生きているのよ。あなたが着ていた甲冑と違うのよ。まあ、あなたの元の世界にはなかったでしょうけど」
そうかあ異世界は剣道の防具みたいなものはないんだとエリザベートは感心していたが、そもそも剣道が好きになったのは、戦うための甲冑に見せられたからだ。もちろんコスプレではないから、真剣に取り組んできたけど。でも、今の憧れはミーシャが纏っている騎士の甲冑だった。それが生きていようがお構いなかった。だって恰好いいからだと。
「これって、わたし? どういうこと・・・」
この時の二人は合わせ鏡に写る姿そのものであった。互いに顔が一緒だったことに驚いていた。
「わたしも最初にあなたを見た時驚いたよ本当に。だってわたしが砂丘の小屋からのぞき込んでいるように感じたもの。だから、あなただけでも来てもらいたかったのよ」
そういってミーシャは軽くエリザベートと頬を合わせた。その仕草はこの世界では姉妹同士の愛情表現でもあった。二人は本当によく似ていた。違うところといえば瞳の色でエリザベートはブラウンなのに対しシャーミはサファイアだった。そうエリザベート憧れの色だった。
「それって、あたしがミーシャさんと同じように・・・騎士になれるということですか? それにしてもどうなっているのですか、その甲冑は?」
エリザベートはその時あることに気が付いていた。シャーミが外した兜の内側はなにやら柔毛みたいなもので覆われていた。
「さっき言ったとおり、私たち・・・いえ、この世界の多くの騎士などの戦士が身にまとっている甲冑は全て生きているのよ。あなたが着ていた甲冑と違うのよ。まあ、あなたの元の世界にはなかったでしょうけど」
そうかあ異世界は剣道の防具みたいなものはないんだとエリザベートは感心していたが、そもそも剣道が好きになったのは、戦うための甲冑に見せられたからだ。もちろんコスプレではないから、真剣に取り組んできたけど。でも、今の憧れはミーシャが纏っている騎士の甲冑だった。それが生きていようがお構いなかった。だって恰好いいからだと。
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