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深窓の令嬢
03・肖像画
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コゼットの部屋が豪華な調度品であふれていた。それらは全てコゼットに与えられたものであったが、本来のコゼットは亡骸になっていた。今ここにいるのは姿形はよく似ていても身代わりになったメイド娘だった。メイドだったコゼットは病弱な伯爵令嬢として生きていかなければならなくなった。
「死ぬほど」の病弱の少女にするため殆ど身体が動かなくなったコゼットが出来るのは安楽椅子に座って、執事のピエールが持ってきた「亡骸になった」コゼットが死の三日前まで書いていた日記だった。どうやらそれを読んでコゼットとしてのなりふりを覚えろという事らしかった。
メイドだったコゼットがその日記を読んで知ったのは、伯爵令嬢コゼットは病気がちで学校に行く事も出来ないので、いつも家庭教師が来てくれたけど、友達が出来ないし外で遊ぶことが出来ないと嘆いていたこと。そして恋や結婚に強い憧れを抱いていたことだった。
高位の貴族の子女に生まれたため自由な恋愛は許されなかったが、最近になってうれしかったこととして婚約したことだと日記に記されていた。その日の文章はとても情熱的で読んでいる方が恥ずかしくなるような表現だった。
「やっぱり、欲求不満だったのかしら?」
コゼットが視線をあげるとそこには大きな肖像画があった。それはコゼットの婚約者になった帝国海軍将官で大公殿下でもあるマリユスのものであった。彼の肖像画がここにあるのは婚約者の証として帝室から贈られたものであった。
「それは、仕方ないよね」
コゼットが納得したのは本来のコゼットは大公マリユスに「生きているときに」一度も直接会ったことがなかったという。それは絶筆になった最期の日記にこう書かれていた。
”あたし死ぬの? 苦しいわ! この苦しみがマリウス様への想いだけならなんて幸せなのに! まだ一度もお会いできないのに逝くなんていやよ! 神様お願いです、もう少し時間をください! 最後の審判の時に相応の罰を受けてもいいですから、あたしを彼に会わせてください! お願い・・・”
それを読んだコゼットは少し迷いが出ていた。本当にこのまま伯爵令嬢としていていいのだろうか? もしかするとコゼットは自分を恨んでいるんじゃないか? 粗末なメイド服を着せられて葬られた事を。
そう考えて肖像画の大公マリウスを見ていると不思議な気分になった。死んだコゼットの怨念といえる想いが乗り移ってきそうだった。それにしても・・・
「なんか、このお方ってお会いしたことあるのよね。どこだったかしら、思い出せないわ」
コゼットは胸の奥に眠る何かがそうさせているような気がしたが、その時はそれは何かが分からなかった。
「死ぬほど」の病弱の少女にするため殆ど身体が動かなくなったコゼットが出来るのは安楽椅子に座って、執事のピエールが持ってきた「亡骸になった」コゼットが死の三日前まで書いていた日記だった。どうやらそれを読んでコゼットとしてのなりふりを覚えろという事らしかった。
メイドだったコゼットがその日記を読んで知ったのは、伯爵令嬢コゼットは病気がちで学校に行く事も出来ないので、いつも家庭教師が来てくれたけど、友達が出来ないし外で遊ぶことが出来ないと嘆いていたこと。そして恋や結婚に強い憧れを抱いていたことだった。
高位の貴族の子女に生まれたため自由な恋愛は許されなかったが、最近になってうれしかったこととして婚約したことだと日記に記されていた。その日の文章はとても情熱的で読んでいる方が恥ずかしくなるような表現だった。
「やっぱり、欲求不満だったのかしら?」
コゼットが視線をあげるとそこには大きな肖像画があった。それはコゼットの婚約者になった帝国海軍将官で大公殿下でもあるマリユスのものであった。彼の肖像画がここにあるのは婚約者の証として帝室から贈られたものであった。
「それは、仕方ないよね」
コゼットが納得したのは本来のコゼットは大公マリユスに「生きているときに」一度も直接会ったことがなかったという。それは絶筆になった最期の日記にこう書かれていた。
”あたし死ぬの? 苦しいわ! この苦しみがマリウス様への想いだけならなんて幸せなのに! まだ一度もお会いできないのに逝くなんていやよ! 神様お願いです、もう少し時間をください! 最後の審判の時に相応の罰を受けてもいいですから、あたしを彼に会わせてください! お願い・・・”
それを読んだコゼットは少し迷いが出ていた。本当にこのまま伯爵令嬢としていていいのだろうか? もしかするとコゼットは自分を恨んでいるんじゃないか? 粗末なメイド服を着せられて葬られた事を。
そう考えて肖像画の大公マリウスを見ていると不思議な気分になった。死んだコゼットの怨念といえる想いが乗り移ってきそうだった。それにしても・・・
「なんか、このお方ってお会いしたことあるのよね。どこだったかしら、思い出せないわ」
コゼットは胸の奥に眠る何かがそうさせているような気がしたが、その時はそれは何かが分からなかった。
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