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ガイノイド”イブ”と彩華

変身

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 私がこれから出ようとしている店は、ガイノイドが接客する飲食店ということになっていたが、実態は機械娘好きな男女が集うところだった。その男女はメカなものが好きという趣味の人ばかりだった。私は中に女の子が閉じ込められている「設定」のガイノイドというイブになるのだ。

 「設定」としているのは、建前上「中の人」は存在しない事になっているからだ。だからリアル女子が「中の人」というのはあってはならないのだ。そうそう、なぜ私がイブになるのかって? それは、AI(人工頭脳)搭載の接客用ガイノイドを買うよりもランニングコストが安いからだ。それは私にとっては助かるというんだけど。

 機械の中に閉じ込める作業が始まった。わたしの股間には排泄用ドレーンがすでに埋め込まれているのですぐにイブになれる身体になっていた。でも、いつもドレーンに外骨格の装置が入ってくるのは最初のうちは嫌だった。でも今は快楽になっていた。

 私の手足にメタリックな外骨格がはめられると胴体の、胸や腰なども覆っていった。その時、私は人間であることを捨て機械へと変身していった。そして最後は頭部に装着が始まった。

 まず眼窩に超小型モニターが埋め込まれたメガネ型のVR装置が装着され、鼻腔に呼吸用のチューブが挿入された。ロボットアームは私の顔をイブのフェイスマスクで覆い被せ顎を固定してしまった。ここからは会話は脳波を読み取った人工発声装置が頼りになる。そうやっているうちに私はイブに変身した。人間の女の子はメタリックな外骨格に覆われたガイノイドになった!

 拘束具が外れ私は手足を伸ばした。さっきまでの生身では感じられなかった爽快感に包まれていた。そしてこう話した。

 「ワタシハ”イブ”。オハヨウゴザイマス、コレカラシフトニハイリマス!」

 かわいらしい人工音声はそういうと、ホールに向った。その日はまだお客さんが来ていなかったが、ホールには同じようなガイノイドが四体いた。実はその中の二体は私と同じように「中の人」がいるのは内緒だった。


 「イブ、オハヨウ。キョウハナンジマデダイジョウブナノ?」

 ピンク色したラバースーツを羽織ったようなガイノイドがやってきた。それはホールを統括するママさんだけど、彼女は高度なAIを搭載したメカだった!

 「シュウリョウマデダイジョウブデス! ナイゾウノオンナノコトハオカマイナク!」

 そういって私を内蔵したイブは活動し始めた!
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