【完結】生物兵器と合体した彼女

ジャン・幸田

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(2)逢瀬

お堂にて

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 「静香、あんたをこんな姿にしたヤツはこの男か?」

 俺は動画を少し戻して静止させて聞いた。すると静香は少し言いにくそうな仕草をしていたが、意を決したように言い始めた。

 「門田君、わたしをこんな姿にしたヤツは今そこに隠れているわ、きっと! だから一緒に逃げて!」

 そういうと、静香は俺の身体を持ち上げて逃げ始めた。そのスピードは人間のものではなかった。それにしても一緒にいたはずの諸橋の事を忘れていた。あいつは逃げたのだろうぐらいにしか思っていなかった。

 静香が逃げ込んだのは、町外れの雑木林にある荒れ果てたお堂だった。ここは、雨露がしのげるのがやっとぐらいの状態だった。しかも周囲が崖でちょっとやちょっとでは誰も近づけそうになかった。

 「門田君、さっきの話の続きだけど、わたしが合体させられたのは生物兵器なのよ。知っているかな周辺国で優軍政策を取っていた政権があったことを」

 「ああ、なんでも自国を防衛するために強力な兵士を作り出す政策をとっていたという・・・まさか!」

 「そうよ、その政策の一環に人体改造計画があったのよ。一般人に人体改造生命体を寄生させることで、超人を作り出そうというものよ」

 「でも、あれって政権トップが無慈悲に航空機関砲で粉々になった事で頓挫したはずでは・・・まさか」

 「その、まさかよ。どうもあの男は残党のようなのよ。方法は知らないけど我が国に持ち込んで実験体に勝手にわたしを選んだようなのよ。
 ほら、わたしが殺してしまった男たちが襲撃していた外国人って、その国出身だったようよ。だからあんな事をしたみたいなのよ」

 「ちょっとまて、あれも静香の仕業だったのか、なぜなんだ」

 「わからない、わたしの身体がリモートされていたようなのよ。意識はあったけど身体が勝手に動いてしまって・・・いまは、フリーモードに何故かなっているけど、きっとまた操り人形に戻ってしまうわきっと!」

 蟷螂に似た姿の静香はそういうと、何故か俺をお堂の奥に案内してくれた。そこには、どこからか持ち込んできたような布団が引いていた。そこが静香のねぐらのようだった。

 「たのみがあるんだけど、門田君。わたしを抱いて女にしてくれないかしら? こんなバケモノになってしまったけど人間に戻れないなら、あたしを・・・」
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