バイト先で機ぐるみ姿になったばっかりに

ジャン・幸田

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(一)バイト先の朝

2.ボサボサ頭の美奈代

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 いま美咲がいるのは日本いや世界でも一流のロボットメーカーのサイバーテックのショールームのひとつ「ジャイアント・カメラ東京中央店サイバーテック・ショールーム」だった。

 ここでは家庭用ガイノイドの展示販売をしていた。もっとも、いくら価格が下がってきたとはいえ、家政婦代わりにガイノイドを使うのは余程の資産家家庭しかいないので、一日に何体も売れるわけではなかった。

 そのため、家庭用とはいっても他のサイバーテックの商品群の商品説明が主な業務となっていた。いわば、このショールームはサイバーテックに興味を持ってもらうことが目的だった。

 美咲はこの時、店舗責任者の女性社員の江藤美奈代が出勤していない事に気付いた、彼女はサイバーテックの創業者の長女で、いまは研修名目でここに来ていた。ただ、彼女とは美奈代の妹を介して顔見知りだったけど。

 急いで美咲はサイバーテックの商品在庫倉庫の一角にある仮眠スペースにやってきた。そこで美奈代は「出退勤が面倒くさい」という理由でいつも寝ていたからだ。

 施錠していないドアを開けると、そこには社長令嬢というのが信じられないぐらい寝相が悪く、寝苦しかったのか下着姿で美奈代が寝ていた。
 さすがに昨日着ていたサイバーテックの女性社員の制服はハンガーにかけていたが、いくらなんでも無警戒すぎると思った。

 「起きてくださいマネージャー! 開店まで一時間しかありませんよ! はやくわたしをガイノイドにしないといけませんよ!」
 美咲がそうやって起こすと、美奈代はボサボサの頭をフリフリしながら起き上がってきた。

 「つ、津田さん? ごめんよ・・・マネジャー? そっか、わたしは職場で寝ていたのね?」

 「そうですよ、昨日言ったじゃないですか!! 職場ではマネージャーと呼びなさいって! それよりも早く準備してください! あなたのIDがないと起動しないそうですから、あのスーツは!」

 「あっ、そうか美咲ちゃん、いえ津田さんにはお願いしていたんだよね。ところでインナーショーツはどうしたのよ?」

 「ちゃんと履いています! それと固形物を昨日の晩から取らずに朝早くおきて下剤も飲んで出しましたよ」

 そういって美咲はビキニを着ているような格好で美奈代の前に立ちふさがっていた。その姿はガイノイドになりきるための格好そのものだった。

 「ああ、出来ているんだ準備は。それじゃあ変身! といきますか」

 そういうとようやく美奈代は起き上がったが、下着からふくよかなバストがこぼれ落ちそうな感じがするほど、乱れた姿だった。
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