バイト先で機ぐるみ姿になったばっかりに

ジャン・幸田

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(一)バイト先の朝

8.うらやましいですね

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 エリカになった美咲はショールームにあるほかのガイノイド製品と同じ姿になった。客からみると商品と見間違う可能性が高いので、デモンストレーション用のパワードスーツを識別するため、頭部と胸に目印として赤が白のラインが三本入れられていた。

 美咲が装着したエリカはワインレッドボディだったので、白いラインが入っていた。美咲は目の前のモニターに指示されるとおり、十二階のガイノイド売り場にやってきた。そこには各メーカーから派遣された販売員と本物のガイノイドに混じり同じようにパワードスーツを着た者がいた。
 もっとも他のメーカーは頭部だけはずせるようになっていたので、首から下はロボット。その上は人間のままでいたけど。

  美咲はサイバーテック社のブースにやってきたがそこには腕に「職場体験」と書いた腕章をつけた、半袖ブラウスに赤いリボン、プリーツスカートをはいた女子高生の美由紀がいた。

 「美咲先輩おはよう! 機械娘になった気分はいかが? 私も早く着たいなあ。わずか四日誕生にが違うだけで駄目なんだから」と美咲が装着したガイノイドの外骨格を触りだした。

  美由紀は美咲の高校の後輩だが、美咲は3月31日生まれなのに美由紀は4月3日生まれだった。そうわずか4日違いで学年が別になった。それだけではなく機械娘になれるのは高校卒業もしくはその年齢に達したもので、この夏美咲はぎりぎり機械娘になることが出来たのだ。

  この美由紀はどちらかといえば機械フェッチの素質があるようで、わざわざ父親が経営している会社のブースに職場体験プログラムの一環として無理矢理参加していたのだ。この機械娘を見たかったからだ。そのため美由紀は美咲の身体、いたエリカの外骨格をベタベタさわりまくっていた。

  「美咲先輩うらやましいわね。こうしてエリカの中に入れて。私もこの中に入りたいわ。そして機械娘として一日中生活したいわ。そして人間と女の子では出来ない事をいっぱいしたいわ」と、まるで子猫を触り労わるような感じで美咲を覆うエリカの外骨格をなでまわしていた。 

  その時、美由紀の頭が後ろからファイルで叩かれた。しっかりとメークアップしてきた美奈代だった。

 「美由紀! なに朝からエリカと百合百合しているのよ! 本当にはしたないわね。ママにいいつけてやろうか? ただせさえ妹がいて仕事がやりにくいのに、製品見本に手垢をつけてどうするのよ! あとで磨いてちょうだい! 」と怒りを露にしていた。

  「あら美咲さん、いやエリカごめんね、あなたって、うちの美由紀の先輩だったわね。
 しょうもない妹だけど仲良くしてあげてね。でも営業時間中はあなたは機械娘だからそのつもりで頑張ってください」
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