12 / 16
(一)バイト先の朝
12.開店三十分前
しおりを挟む
聖美が現われた時、美咲はガイノイドスーツの中で彼女の名を聞いて思い出していた。赤松さんといえば先週別の売り場にいたとき、接客をミスって売り場責任者にムチャクチャ怒られていた人だ。
まさか、その罰としてガイノイドの”内臓”にされたというわけ? と背が高くスタイルも顔もいいのにどこか抜けたところのある彼女の”人間だった時の姿”を思い浮かべていた。
「そちらの津田さんと同じようにガイノイドスーツを着ていますので、お客様の前では”ローズマリー”と呼んでください」と、人工音声でしゃべっていた。
それにしてもガイノイドスーツの出来映えは素晴らしく、中に生身の女性が入っていることを想像できないほどだった。もっとも外観はいかにも量産型といった安っぽさがあったけど。
後で美咲が見たローズマリーの製品説明書によれば、彼女は汎用女性型作業ガイノイドで、工場や店舗の清掃活動のほか、人目につく場所で行なわれる労働全般が出来るというもので、纏まった数を発注すれば格安で納入できるというものだった。
そのため、エリカが女性らしいフェイスマスクやボディラインなのに対し、ローズマリーは大量生産された人形と言った面持ちで、ノッペラとした顔面には二つの丸いレンズとセンサー光があり、ボディも胸があることを除けば平坦なイメージを受けるものであった。
中に綺麗なお姉さんが入っていることを想像しなさいということのほうが無理なデザインだった。
美咲もローズマリーの姿を見ながら、私もエリカの姿だから他の人から見れば、ガイノイドとしか見えないだろう。もっとも、この”人型であるが人ではない別の姿”に憧れてガイノイドスーツを着るアルバイトをしているのだから、願望は叶えられたと思っていた。
そう思っていると薫が「さあさあ、開店ま三十分をきったよ。私語はあとですることにして、準備を急ぎなさい。今日も一日張り切っていきましょう! 」と一同に発破をかけていた。
この日から三日間、美咲も聖美もガイノイドの姿に固定されるだけのはずだったが、このあと起きる災難を思い浮かべることはなかった。
まさか、その罰としてガイノイドの”内臓”にされたというわけ? と背が高くスタイルも顔もいいのにどこか抜けたところのある彼女の”人間だった時の姿”を思い浮かべていた。
「そちらの津田さんと同じようにガイノイドスーツを着ていますので、お客様の前では”ローズマリー”と呼んでください」と、人工音声でしゃべっていた。
それにしてもガイノイドスーツの出来映えは素晴らしく、中に生身の女性が入っていることを想像できないほどだった。もっとも外観はいかにも量産型といった安っぽさがあったけど。
後で美咲が見たローズマリーの製品説明書によれば、彼女は汎用女性型作業ガイノイドで、工場や店舗の清掃活動のほか、人目につく場所で行なわれる労働全般が出来るというもので、纏まった数を発注すれば格安で納入できるというものだった。
そのため、エリカが女性らしいフェイスマスクやボディラインなのに対し、ローズマリーは大量生産された人形と言った面持ちで、ノッペラとした顔面には二つの丸いレンズとセンサー光があり、ボディも胸があることを除けば平坦なイメージを受けるものであった。
中に綺麗なお姉さんが入っていることを想像しなさいということのほうが無理なデザインだった。
美咲もローズマリーの姿を見ながら、私もエリカの姿だから他の人から見れば、ガイノイドとしか見えないだろう。もっとも、この”人型であるが人ではない別の姿”に憧れてガイノイドスーツを着るアルバイトをしているのだから、願望は叶えられたと思っていた。
そう思っていると薫が「さあさあ、開店ま三十分をきったよ。私語はあとですることにして、準備を急ぎなさい。今日も一日張り切っていきましょう! 」と一同に発破をかけていた。
この日から三日間、美咲も聖美もガイノイドの姿に固定されるだけのはずだったが、このあと起きる災難を思い浮かべることはなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる