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エリーは探偵として推理する
55・エキゾチック・ブレイン(3)
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愛莉が推測するには自分を全身拘束刑に陥れた黒幕は、何らかの方法で電脳化された”愛莉”の脳髄を盗み出してエキゾチック・ブレインに挿入するのが目的であるようだった。ガイノイドになったアイリを解体する事なんて楽なことだろう。なんだってデタラメな裁判で全身拘束刑の執行命令書さえ「正式」にでっちあげるぐらいだし。でも疑問があった。なぜエキゾチック・ブレインを復活させようというのだろうか。それを探るために国防省のサーバーを探査することにした。
淳司が用意した端末はどうやら秘密諜報組織のもののようだった。かつて存在したアメリカ中央情報局(CIA)が開発したもので、外部からの侵入をカムフラージュし、発信元も可変的に瞬時に書き換えて行くモノだった。いわばスパイのものだった。
エキゾチック・ブレインの残骸が運び込まれたのは帝央大学構内にある理工学部所有の研究用核分裂炉TAR-01が設置されている建屋であった。そこは事実上廃炉になり解体されないままの原子炉があって、その周囲の空間に密かにエキゾチック・ブレインが再建されているようだった。中枢部分はオリジナルで、ほかの部分は代用しているようだった。
運び込まれた際の画像もあったが、そこには中枢部分が映し出されていた。そこには人間を電脳化したユニット三つがあり、そのうちの一つが大きく欠落していた。何らかの理由で破壊されたようだった。もしかすると機能停止させるために何者かが実行したのかもしれない。
その破壊された部分を見つめている人物こそ、タオ以下あの研究室にいた面々だった! それには愛梨は愕然とした、この人たちは初めから私の脳を奪おうとしたわけなの? と。
「これは、やっぱり危険だわ。どうして替え玉のアイリの機体を用意したのかわかったわ。でも、それなら淳司のクライアントは何故すぐに拘束しないの? まさか泳がせているわけなの?」
愛莉の脳裏におとり捜査という言葉が浮かんだ。私は淳司が言っていたデゴイなんだと。私を使い連中を一網打尽にするか再起できないほどの打撃をあたえようとしているのだと。たしかに従来の世界秩序を破壊した悪魔の機械を復活させようとしている連中だ。そんな一度は去っていった悪魔を召喚しようとしている悪魔崇拝者は取り除かなければならないんだと。
そのとき、愛莉はあの時淳司が言っていた別のプランを選択したら自分がどうなっていたのかを考えた。でも、そちらでも淳司は無理にでも同じことをしたのかもしれないと感じた。どこの世界に全身拘束刑でほぼ機械にされた少女を可能な限り元の姿に戻すボランティアがいるのだろうか? いるはずはないと。
淳司が用意した端末はどうやら秘密諜報組織のもののようだった。かつて存在したアメリカ中央情報局(CIA)が開発したもので、外部からの侵入をカムフラージュし、発信元も可変的に瞬時に書き換えて行くモノだった。いわばスパイのものだった。
エキゾチック・ブレインの残骸が運び込まれたのは帝央大学構内にある理工学部所有の研究用核分裂炉TAR-01が設置されている建屋であった。そこは事実上廃炉になり解体されないままの原子炉があって、その周囲の空間に密かにエキゾチック・ブレインが再建されているようだった。中枢部分はオリジナルで、ほかの部分は代用しているようだった。
運び込まれた際の画像もあったが、そこには中枢部分が映し出されていた。そこには人間を電脳化したユニット三つがあり、そのうちの一つが大きく欠落していた。何らかの理由で破壊されたようだった。もしかすると機能停止させるために何者かが実行したのかもしれない。
その破壊された部分を見つめている人物こそ、タオ以下あの研究室にいた面々だった! それには愛梨は愕然とした、この人たちは初めから私の脳を奪おうとしたわけなの? と。
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