5 / 28
4
しおりを挟む
婚約者ハインツはファマスティア王国国王陛下ルドルフ4世の孫である。だからカリンは未来の義理の孫娘になるはずだった。だからといってパーティー前にいきなり国王陛下に呼び出しを受けるのは異常なことであった。国王陛下のスケジュールは事細かに決まっているし、パーティー直前にすることではなかった。
カリンは招かれたのは、通常の謁見の間ではなく執務室だった。伯爵令嬢が国王陛下と単独で謁見するだなんてありえないことであった。
「おはようございます国王陛下。お招きいただきありがたき幸せと存じます」
カリンは貴族令嬢に相応しい礼儀作法をした。するとルドルフ4世は手招きをした。
「忙しいところすまんな。まあ堅苦しい挨拶はそこそこでいいぞ。こちらに来てくれないか。手短に聞きたいことがあるんじゃ」
「かしこまりました」
カリンは言われるままに執務机の前にすすんだ。すると小さい声で話し出した。
「カリン・ツーゼ。いつも我が国のために騎士道に精進嬉しく思うぞ。それはともかく余が知りたかったことがある。我が孫ハインツの事だ」
「はい」
カリンはこれから何を聞かれるのか緊張していた。そんな緊張は試合でもしないものであった。
「そちはハインツがジーゼル帝国に留学してから何か便りを貰ったことがあるか?」
「いいえ、ハインツ様から挨拶状の一枚もいただいておりません。私もハイツ様が留学生活をお過ごしなのか。様子を伺いしれません。ハイツ様のご両親に近況をお伺いしたこともありますが、特にこれといったことは言われません」
カリンの心にあるハインツは三年前のままだった。それとて親愛の情をいだくものではなかったが。すると国王は頭をかきだした。
「そうかあ、じゃあハインツから何か特別な手紙とかは受け取っていないのだな」
「はい、ございません」
カリンは何故このような事を聞かれるのか分からなかった。でも、相手は国王。迂闊な詮索は危険だと思えた。だから躊躇していた。
「いや、実はなハインツの動向がいまいちわからないんじゃよ。いろいろとジーゼル帝国にいる我が国の駐留武官にも調べさせたのだが・・・とりあえず今日のパーティーはそちにも絶対に出席してもらい。詳しい話はパーティーの後にする。ご苦労であった」
結局、国王からカリンに説明らしいものはなかった。ただ、想像できたのはハインツが何かを企んでいるような予感だけだった。
カリンは招かれたのは、通常の謁見の間ではなく執務室だった。伯爵令嬢が国王陛下と単独で謁見するだなんてありえないことであった。
「おはようございます国王陛下。お招きいただきありがたき幸せと存じます」
カリンは貴族令嬢に相応しい礼儀作法をした。するとルドルフ4世は手招きをした。
「忙しいところすまんな。まあ堅苦しい挨拶はそこそこでいいぞ。こちらに来てくれないか。手短に聞きたいことがあるんじゃ」
「かしこまりました」
カリンは言われるままに執務机の前にすすんだ。すると小さい声で話し出した。
「カリン・ツーゼ。いつも我が国のために騎士道に精進嬉しく思うぞ。それはともかく余が知りたかったことがある。我が孫ハインツの事だ」
「はい」
カリンはこれから何を聞かれるのか緊張していた。そんな緊張は試合でもしないものであった。
「そちはハインツがジーゼル帝国に留学してから何か便りを貰ったことがあるか?」
「いいえ、ハインツ様から挨拶状の一枚もいただいておりません。私もハイツ様が留学生活をお過ごしなのか。様子を伺いしれません。ハイツ様のご両親に近況をお伺いしたこともありますが、特にこれといったことは言われません」
カリンの心にあるハインツは三年前のままだった。それとて親愛の情をいだくものではなかったが。すると国王は頭をかきだした。
「そうかあ、じゃあハインツから何か特別な手紙とかは受け取っていないのだな」
「はい、ございません」
カリンは何故このような事を聞かれるのか分からなかった。でも、相手は国王。迂闊な詮索は危険だと思えた。だから躊躇していた。
「いや、実はなハインツの動向がいまいちわからないんじゃよ。いろいろとジーゼル帝国にいる我が国の駐留武官にも調べさせたのだが・・・とりあえず今日のパーティーはそちにも絶対に出席してもらい。詳しい話はパーティーの後にする。ご苦労であった」
結局、国王からカリンに説明らしいものはなかった。ただ、想像できたのはハインツが何かを企んでいるような予感だけだった。
13
あなたにおすすめの小説
遊び人の侯爵嫡男がお茶会で婚約者に言われた意外なひと言
夢見楽土
恋愛
侯爵嫡男のエドワードは、何かと悪ぶる遊び人。勢いで、今後も女遊びをする旨を婚約者に言ってしまいます。それに対する婚約者の反応は意外なもので……
短く拙いお話ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
このお話は小説家になろう様にも掲載しています。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
愛しの第一王子殿下
みつまめ つぼみ
恋愛
公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。
そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。
クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。
そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
くだらない冤罪で投獄されたので呪うことにしました。
音爽(ネソウ)
恋愛
<良くある話ですが凄くバカで下品な話です。>
婚約者と友人に裏切られた、伯爵令嬢。
冤罪で投獄された恨みを晴らしましょう。
「ごめんなさい?私がかけた呪いはとけませんよ」
いいえ、ただ私は婚約破棄されたいだけなんです!
鏡おもち
恋愛
伯爵令嬢ロニエ・エヴァンズには、ささやかな野望があった。それは、ハイスペックすぎて重すぎる愛を持つ婚約者、第一王子アレンから「婚約破棄」を突きつけられ、実家の離れで一生ダラダラと昼寝をして過ごすこと。
ロニエは学園入学を機に、あの手この手で「嫌われる努力」を開始する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる