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あの晩から
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とにかく世間は不穏だった。しかしそれを感じているのは軍人に政治家だけだった。まさかあんなことになるなんて!
あの日、あの人と結婚した。家同士の結びつきのための結婚だ。ろくに顔写真すら見なかった。どうせ拒否権などないから無駄だと。それでも、結婚式はあったはずだ。緊張していて顔すら覚えていないけど。覚えているのはあの人の軍人としての礼服だ。相手は軍人だった。
それで、結婚初夜。新婦としてのお勤めをするために寝所で待つ準備をしていた時に、恐ろしい事が起きた。ラジオから流れたのは臨時ニュースだった。そう戦争が始まったのだ!
幹部軍人だったあの人は部隊からのお迎えの車に乗って行ってしまった。まともな話なんかしないままに・・・
それから七年も待った! 私は嫁ぎ先の家でお姑さんと一緒に暮らした。軍人の妻として必要な事を何から何まで厳しくしつけられてしまった。結婚生活のはずなのに、顔を真面に見たことも話したこともない夫のいない生活! そんなの結婚生活といえないけど、それが現実だった。
手紙は何度も送ったけど、筆不精なのか返事はあまり来なかった。そして戦況が悪化すると送り返されるようになった。戦死の知らせが来ないかと心配で仕方なかった。
戦争が終わった後も戻ってこなかった。あの人の事など忘れかけていた時に戻ってきた。でも、横にいる人はあなたの何ですか?
あの日、あの人と結婚した。家同士の結びつきのための結婚だ。ろくに顔写真すら見なかった。どうせ拒否権などないから無駄だと。それでも、結婚式はあったはずだ。緊張していて顔すら覚えていないけど。覚えているのはあの人の軍人としての礼服だ。相手は軍人だった。
それで、結婚初夜。新婦としてのお勤めをするために寝所で待つ準備をしていた時に、恐ろしい事が起きた。ラジオから流れたのは臨時ニュースだった。そう戦争が始まったのだ!
幹部軍人だったあの人は部隊からのお迎えの車に乗って行ってしまった。まともな話なんかしないままに・・・
それから七年も待った! 私は嫁ぎ先の家でお姑さんと一緒に暮らした。軍人の妻として必要な事を何から何まで厳しくしつけられてしまった。結婚生活のはずなのに、顔を真面に見たことも話したこともない夫のいない生活! そんなの結婚生活といえないけど、それが現実だった。
手紙は何度も送ったけど、筆不精なのか返事はあまり来なかった。そして戦況が悪化すると送り返されるようになった。戦死の知らせが来ないかと心配で仕方なかった。
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