138 / 166
第伍章:神殿にて
137.対峙
しおりを挟む
メイファンが男と対峙している時、アサミはタクヤと夜の散歩から戻る途中だった。すると神殿から血相を変えた神官ギウムが飛び出して来た。
「あ、あんたら二人こんな夜中にどこにいって行かれていたんですか?」
あまりの表情にタクヤはおもわず謝っていた。すると神官はこう聞いて来た。
「さっき、そとで人の気配はしなかったのかね?」
「ええ、なんか黒い影のようなモノがいたような気がしますわ」
アサミはネコミミ娘なので、ある程度の音や光を闇でも感じる事が出来る。だからそれは確実な情報であったが、神官は事を取り繕うとしていた。
「そうか、やはり・・・今晩はもう外に出ないでもらいたい。朝まで休んでください」
神官に促され二人は戻っていったが、先ほど聞いた話からすれば、もう二人の存在を闇の陣営は把握しているのは間違いなさそうだった。ギウムはとりあえず朝まで対人結界を神殿に展開することにした。闇の陣営がもしアサミを消そうというのなら登山道で始末しているはずだから攻撃はないとは思ったが念のために行う事にした。
「あのネコ耳の娘の能力は・・・もしかすると大きな戦乱を引き起こすのかそれとも収めるのだろうか・・・どっちなんだろうか?」
そう言い残してギウムは神殿に戻った。
一方のメイファンは男と対峙していた。互いに殺そうと思えば可能な間合いであったが、それは両者相打ちの可能性があった。力がほぼ互角だったからだ。二人は牽制しあって身動く出来ずに口だけ動かして対峙していた。
「メイファン、お前も腕をあげたな! さすがワシの三番弟子だったことはあるな。悪い事は言わんぞ、すぐにこっちの陣営に来い! お前ならすぐ出世するぞ!」
「黙れ! あたいはお前を師匠とはもう認めてない! あたいは筆頭統領殿下のお役に立ちたいだけだ!」
「なんだあ、あの巫女上がりの年増女にお仕えしていたんだ本当に! そんなのつまらなくはないのか?」
「うるさい、黙れ! お前こそなんで闇に身を落としやがったんだ!」
「それはな・・・お前に教えてやらんぞ! 知りたければこっちの陣営に寝返る事だな。それにもうじきギルドによるこの世界の支配体制は終わるんだからな。その時になれば、どっちにしてもこっち側に行かないといけなくなるぞ! まあ、生きていららだけどな!」
「ギルドが終わりだと? 何を言いやがるんだ、一体?」
そうメイファンは言ったが、このとき筆頭統領の夜食番の中で囁かれているあることを思い出していた。
「あ、あんたら二人こんな夜中にどこにいって行かれていたんですか?」
あまりの表情にタクヤはおもわず謝っていた。すると神官はこう聞いて来た。
「さっき、そとで人の気配はしなかったのかね?」
「ええ、なんか黒い影のようなモノがいたような気がしますわ」
アサミはネコミミ娘なので、ある程度の音や光を闇でも感じる事が出来る。だからそれは確実な情報であったが、神官は事を取り繕うとしていた。
「そうか、やはり・・・今晩はもう外に出ないでもらいたい。朝まで休んでください」
神官に促され二人は戻っていったが、先ほど聞いた話からすれば、もう二人の存在を闇の陣営は把握しているのは間違いなさそうだった。ギウムはとりあえず朝まで対人結界を神殿に展開することにした。闇の陣営がもしアサミを消そうというのなら登山道で始末しているはずだから攻撃はないとは思ったが念のために行う事にした。
「あのネコ耳の娘の能力は・・・もしかすると大きな戦乱を引き起こすのかそれとも収めるのだろうか・・・どっちなんだろうか?」
そう言い残してギウムは神殿に戻った。
一方のメイファンは男と対峙していた。互いに殺そうと思えば可能な間合いであったが、それは両者相打ちの可能性があった。力がほぼ互角だったからだ。二人は牽制しあって身動く出来ずに口だけ動かして対峙していた。
「メイファン、お前も腕をあげたな! さすがワシの三番弟子だったことはあるな。悪い事は言わんぞ、すぐにこっちの陣営に来い! お前ならすぐ出世するぞ!」
「黙れ! あたいはお前を師匠とはもう認めてない! あたいは筆頭統領殿下のお役に立ちたいだけだ!」
「なんだあ、あの巫女上がりの年増女にお仕えしていたんだ本当に! そんなのつまらなくはないのか?」
「うるさい、黙れ! お前こそなんで闇に身を落としやがったんだ!」
「それはな・・・お前に教えてやらんぞ! 知りたければこっちの陣営に寝返る事だな。それにもうじきギルドによるこの世界の支配体制は終わるんだからな。その時になれば、どっちにしてもこっち側に行かないといけなくなるぞ! まあ、生きていららだけどな!」
「ギルドが終わりだと? 何を言いやがるんだ、一体?」
そうメイファンは言ったが、このとき筆頭統領の夜食番の中で囁かれているあることを思い出していた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる