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第六章:インヴァラの白きオオネコとダンジョン
150.監視官メイファン!
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アサミが考えていた時、おかしなことに気付いた。いつの間にか後ろにドレスの上にビキニトップのアーマーのようなものを身に着けた変な格好をした少女が立っていたからだ。
「そうそう、あなたたちの仕事ぶりを見るのは其方の魔導士ギルドから派遣された方です。見た目は、若いけど幼い時から登録されている天才魔導士です。様々な魔法が使えるようですが、あなたたちがピンチに陥らない限り手出ししないそうです」
エリン公爵に紹介された彼女は一同の前に進み出てきた。彼女は最も背の低いルンファよりもさらに低く、まるで15.6の少女のようなあどけない顔だった。
「はじめまして、閣下に紹介されたメイファンです。普段は筆頭統領直属のとある機関でお仕事しています。今回はあなたたちの行動を拝見いたしますので、よろしくおねがいします」
メイファンはそう言ったが、アサミやタクヤが彼女が”筆頭統領の夜食番”だという事を知ったのは、相当後の事であった。また、その時から二人の監視官に就任していたことも知らなかった。
ダンジョン・デ・サンミュアッツはサンミュアッツ市内の地下を縦横に広がっているが、人間が通れる入り口は一カ所しかなかった。 エリン公爵のボロボロの官邸で、物置の門扉にしか見えないような錆びた鉄製の扉の前に、一人の老人が安楽椅子のうえで眠っていた。どうやら彼が「巨大なネコの聖獣」エヴァ・エリをダンジョンの中に入れてしまった張本人の門番のようだった。
「ヒヴァールさん、起きてください。あなたの日課なのはわかりますけど用があるのですから。ダンジョンに入る扉を開けてください」
門番の老人は酒臭い息を吐きながら寝ぼけ眼でエリン公を見つめていた。それはまるで夫婦のようだったが、とてもじゃないけど公国のトップがとる態度でもないし、そのような態度もたられていなかった。久しみやすいのか敬意の対象になっていないのか、そのどちらかもしれなかった。
「閣下・・・おはようございます。言われていた魔導士ですか? 思っていたより大勢来ましたですね。よくお金ありましたね、うちに。
てっきり、わしの酒代で頼まれるんだと思っていたので、二・三人ぐらいだとおもったので。九人もなんて。わが公国始まってい以来の事じゃないですか」
「まあ、これもこれも色々と頼み込んだんですよ。わが公国の財政も火の車なんですからね何十年も。だから、とっておきの裏技を使いましたわ。
それにしてもベースアップの代わりにあなたに酒を支給したのは間違いだったわ。コプラ商店が仕入れてきた賞味期限切れの酒で悪酔いしたんでしょ! あのとき門扉のカギを開けるなんて!」
そういってエリン公爵が視線を落としたのは門扉の脇に大量に置かれた古そうな瓶に入れられた酒のようなものだった。それは、どこかの不良在庫だったようで、瓶を入れる箱も古びていた。アサミからすれば飲むような気がしない代物だった。
「そうそう、あなたたちの仕事ぶりを見るのは其方の魔導士ギルドから派遣された方です。見た目は、若いけど幼い時から登録されている天才魔導士です。様々な魔法が使えるようですが、あなたたちがピンチに陥らない限り手出ししないそうです」
エリン公爵に紹介された彼女は一同の前に進み出てきた。彼女は最も背の低いルンファよりもさらに低く、まるで15.6の少女のようなあどけない顔だった。
「はじめまして、閣下に紹介されたメイファンです。普段は筆頭統領直属のとある機関でお仕事しています。今回はあなたたちの行動を拝見いたしますので、よろしくおねがいします」
メイファンはそう言ったが、アサミやタクヤが彼女が”筆頭統領の夜食番”だという事を知ったのは、相当後の事であった。また、その時から二人の監視官に就任していたことも知らなかった。
ダンジョン・デ・サンミュアッツはサンミュアッツ市内の地下を縦横に広がっているが、人間が通れる入り口は一カ所しかなかった。 エリン公爵のボロボロの官邸で、物置の門扉にしか見えないような錆びた鉄製の扉の前に、一人の老人が安楽椅子のうえで眠っていた。どうやら彼が「巨大なネコの聖獣」エヴァ・エリをダンジョンの中に入れてしまった張本人の門番のようだった。
「ヒヴァールさん、起きてください。あなたの日課なのはわかりますけど用があるのですから。ダンジョンに入る扉を開けてください」
門番の老人は酒臭い息を吐きながら寝ぼけ眼でエリン公を見つめていた。それはまるで夫婦のようだったが、とてもじゃないけど公国のトップがとる態度でもないし、そのような態度もたられていなかった。久しみやすいのか敬意の対象になっていないのか、そのどちらかもしれなかった。
「閣下・・・おはようございます。言われていた魔導士ですか? 思っていたより大勢来ましたですね。よくお金ありましたね、うちに。
てっきり、わしの酒代で頼まれるんだと思っていたので、二・三人ぐらいだとおもったので。九人もなんて。わが公国始まってい以来の事じゃないですか」
「まあ、これもこれも色々と頼み込んだんですよ。わが公国の財政も火の車なんですからね何十年も。だから、とっておきの裏技を使いましたわ。
それにしてもベースアップの代わりにあなたに酒を支給したのは間違いだったわ。コプラ商店が仕入れてきた賞味期限切れの酒で悪酔いしたんでしょ! あのとき門扉のカギを開けるなんて!」
そういってエリン公爵が視線を落としたのは門扉の脇に大量に置かれた古そうな瓶に入れられた酒のようなものだった。それは、どこかの不良在庫だったようで、瓶を入れる箱も古びていた。アサミからすれば飲むような気がしない代物だった。
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