元ホームレス・タクヤとネコ耳娘アサミ魔道伝:Re

ジャン・幸田

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第六章:インヴァラの白きオオネコとダンジョン

149.ダンジョン前で

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 「ごめんなさい。それじゃあみんな説明するわね。目的は私のエヴァ・エリちゃんを地上に連れ戻すこと! 当たり前だけど怪我をさせたら許さないわよ。それに万が一死なせたら一生恨むし、巡回刑事法院に訴えるからね。
  ギルドの方から事前に説明を受けたと思うけど、これから行くダンジョン・デ・サンミュアッツだけど、財宝らしいものはないのでトラップなどはないけど、たくさんの魔物が住み着いているから。どんなものがいるかは、この冊子にあるから読んでみて」

  そういって渡された冊子は年季が入ったようなボロボロで、たぶん使いまわししてきたような雰囲気があった。

  「あっ、ごめんね。この冊子は私が即位したときに、もの好きなトレジャー魔導士が調べてくれたのよ。だから四十年ぐらい前かな、この冊子の情報は。
  そういえば彼が言うにはあんなに物の怪がいるんだから財宝ぐらいあってもいいのに、何もなかったとつまらなそうな顔をしていたわ」

  その言葉を聞いた一同は、大丈夫なのかと不安な気分にどっぷりとつかり始めていた。エリン公爵から見せてもらった冊子によれば、彼女より五代前の公爵が博愛精神の持ち主で、他のダンジョンから追い出されてきた物の怪の類を保護したのが、目の前にあるくダンジョン・デ・サンミュアッツの始まりだとされていた。

  またダンジョンは古い銅鉱石の坑道を改築したもので、サンミュアッツの町の地下を蜘蛛の巣のように張り巡らされているうえ、地下には物の怪の食料となる豊かな地下植物などの生態系が形成されているので、一度入った物の怪は結界の外に出るのも嫌になってしまうぐらい快適な環境だという事だった。

  「たしか、おやじに聞いたことがあるな。どこかの小国でダンジョン特有の妖怪を匿っているダンジョンがあると。それがここだったとは。まあ、この事典に書かれているのは真実だったんだ」

  ヴァークロウ・ラヴェルスはそういうと、胸から小さな本を取り出した。それは各地にあるダンジョンについて書かれている事典のようだった。

 「そうよ! このダンジョンにはいろんな物の怪がいるわよ。中には肉食もいるから気を付けてちょうだい。そうそう、くれぐれも殺さないでちょうだい! 何が起きるのか想像できないからね! まあ、あななたちが食われそうになったらしかたないわ。
  そうそう、うちのエヴァ・エリちゃんを見つけた時点で終了にするけど、見つからなかったらずっと探してもらいたいところだけど。まあ、その時考えるわよ。一応、ギルドからは五日間といわれているから。早く終わったら、ゆっくり休暇していいそうだからね。だから早くうちのを見つけてちょうだい!」

  エリン公爵はそのとき、ただの飼い主バカのようにしかみえなかった。本当は早く自分で探したい様子だったが、ダンジョンに自分一人で入るのが嫌な様子だった。
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