元ホームレス・タクヤとネコ耳娘アサミ魔道伝:Re

ジャン・幸田

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第六章:インヴァラの白きオオネコとダンジョン

151.螺旋回廊

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 「閣下、お言葉ですが、わたし記憶ありません、開ける用事などないのですから。前後不覚になったのは間違いないのですけど、何が起きたのか一切知りませんからわしは。でも、何を言ってもわしが悪いのですから」

  「そうよ、あなたが悪いのよ! 本当のところはクビにしたいけど、こんなヒマな仕事を頼める人はいないし、あなたの生活もあるのですから。とりあえず、開けてちょうだい!」

  「わかりました! それにしても今日はダンジョンから門扉を開けてほしいという連絡がありません。どうしたものでしょうかね閣下」

  「それは、あなたが出向かないといけないですわ。あなたの息子はどこにいるのですか? 彼を呼びなさい」

  「申し訳ないです、倅は不用品を売りに隣国の古物商に行っております。少しでも魔導士さんを呼ぶお金の足しにしようと思いまして」

  「お金はいいわよ。仕方ないわね、ダンジョンのカギをあなたとわたしで開けましょう」

  そういってエリン公爵とヒヴァールは門扉の両脇に立ってカギを同時に開けた。すると扉が開き始めた。

エリン公爵とヒヴァールが鍵を開けると扉が観音開きで開き始めた。どんな入口だと思ったらそこは緩やかなスロープが見えた。ダンジョンというから岩の階段か何かを想像していたアサミは肩透かしを食らっていた。どこもかしこもダンジョンは同じものではないのだから当然といえば当然であるが。

  「皆さん、途中の結界が張られているところまではご案内します。本当はこのダンジョンの管理人を呼ぶべきでしょうけど、あいにく求人募集をかけているのですがまだ決まらないモノでして。しかたないので私が案内いたします」

  「閣下、どうしてですか? あなたは案内されないのですか?」

  「そこのサル娘・・・ルンファさんでしたか? わたしは即位したときに一度ダンジョンに行ったときに腰を抜かしまして・・・とにかく怖いのです! 勘弁してください」

  「すいません閣下。研修の規則を教えてください。どの時点で終わりですか?」

 「エヴァ・エリちゃんが見つかれば終了ですが、ポイントとしてはそれまでにダンジョンにいる物の怪と可能な限り接触する事! もちろん友好的にです。殺したいするのは論外。いまからお渡しする呪詛の葉皮紙を持ってもらう事。この紙に記録されますので後で数えます、
  またズルをしないようにこちらのメイファンさんが魔道力で監視していますから、そのつもりで。それと二班はここでコイントスで結界の右に行くか左に行くかを決めてもらいます」

  そういうとエリン公は作業服から一枚の小さな銀貨を取り出した。そして紋章がある方を当てた方が決めるという事を説明してからトスした。
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