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第二章:ひとりといっぴきから二人の旅立ち
038.カフェテリアのデート
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昔、聞いたことがあった。過去の出来事ばかり思い出すようになるのは、現在の事から逃げ出すためだと・・・たしかに今の俺に当てはまるのかもしれなかった。どうしてこうも亜佐美の事ばかり思い出すのかと・・・
ベンチで動けなくなった俺は夢の中で永川亜佐美と再会した。当然のことであるが亜佐美は若かった。俺たち二人はどこかのカフェテリアのテーブルに座っているようだった。
「永川さん。君って大学生なの?」俺はそういっていたが、自分の姿を見ると自分も若かった! いまのように落ちぶれた中年ホームレスではなく、それなりに女性から相手されていた二十代の姿だった。
「迫崎先生、お久しぶりです。わたし、女子大生と言われるのもあと少しですよ! もうすぐ卒業ですからね。でも、卒業したらと約束していたじゃないですか。私とお付き合いしてもいいと!」
その時彼女は洗練され可愛らしい洋服を纏っていた。まるでアイドルみたいな・・・そう、俺好みの女だった。顔も華麗であるようで清楚、そして長く美しい黒髪だった。
「そうか永川さん。そうすると就職ということよね? 決まっているのか? 俺の時も就職するのは難しかったけど」
「先生、わたしを苗字にさん付けで呼ぶのはおやめください。これからは亜佐美と呼び捨てでいいですよ。それに先生、わたしも先生をタクヤと呼び捨てで良いですよね? だって、これからわたしたちはずっと離れることなく一緒なんですから!」
その亜佐美のいうことが俺は不思議だった。彼女と二人だけで親密に、このような会話をしたことなかったからだ。しかも忘れかけていてハッキリしなかった亜佐美の顔がくっきりと確認していたからだ。思い出の中にいた亜佐美よりも成長した彼女の姿だった。
「そうか、呼び捨てにさせてもらうよ君を。しかしずっと一緒、なんていう話を聞いてないけど、いつそんな関係になったのか、俺たち?」
「それはタクヤ。前世も来世も私たちは結ばれる運命なのよ。そうエンジェルから言われたのよ。でも今のあなたの人生でも、これから一緒よ!」
そういいながら亜佐美はテーブルにあるコーヒーカップを口付けした。その彼女の仕草に俺はゾクゾクしていた。
「でも亜佐美。たしか君ってもう三十何歳ではないの? いまは」
「何をいっているのですかタクヤ、いま私は二十二歳よ! そう、もう十年も!」
彼女の言う事が理解できなかった。たしかに容姿を見ると二十代前半にしかみえないが・・・ってことは、今は何年なんだ? その意味がわからない!
「実はわたしの時間は十年間止まったままだったのよ! だって、二十二歳の誕生日に、そう永川亜佐美の時間は止まったのよ! だって、死んじゃったから!」
「えっ? 死んじゃった!?」
「そうよ、だからこの姿であなたの前に現われたのよ!でも、会いたかったなあ、生きていたときに永川亜佐美としてタクヤ! でも、これからはずっと一緒よ! 今度こそお嫁さんにしてね」
「お嫁さん? 君って俺のことを・・・」
「そうよ。高校生のときに気付いていたのよタクヤと私は前世から赤い糸で結ばれていたのだと。本当はねえ二十二歳の誕生日を迎えた後に再会するはずだったのよ! でも私ったら誕生日に身も心も散華してしまったんだ。だから永川亜佐美として再会できなかったのよ」
「それって、まさか君は幽霊なのか?」
「そうだねえ、幽霊というよりも天国で眠っていたのよ魂だけ。でも今は違うよ。まあ少し前に永川亜佐美ではなくアサミとして甦ったのよ私」
「それじゃあ再会できると?」
「そうね、近いうちに! きっとまた会えるわよ私たち。それに再会したらずっと一緒よ、これからは。だから早く行動を起こしてねタクヤ!」そういって彼女はハンドバックを持って席を立った。
「早く来て下さい! わたしと一緒に旅に行きましょうね!」亜佐美いやアサミはそう手を振っていた。この時、俺は目を覚ました。目線の先には満天の星空と、そしてネコのアサミの姿があった。
ベンチで動けなくなった俺は夢の中で永川亜佐美と再会した。当然のことであるが亜佐美は若かった。俺たち二人はどこかのカフェテリアのテーブルに座っているようだった。
「永川さん。君って大学生なの?」俺はそういっていたが、自分の姿を見ると自分も若かった! いまのように落ちぶれた中年ホームレスではなく、それなりに女性から相手されていた二十代の姿だった。
「迫崎先生、お久しぶりです。わたし、女子大生と言われるのもあと少しですよ! もうすぐ卒業ですからね。でも、卒業したらと約束していたじゃないですか。私とお付き合いしてもいいと!」
その時彼女は洗練され可愛らしい洋服を纏っていた。まるでアイドルみたいな・・・そう、俺好みの女だった。顔も華麗であるようで清楚、そして長く美しい黒髪だった。
「そうか永川さん。そうすると就職ということよね? 決まっているのか? 俺の時も就職するのは難しかったけど」
「先生、わたしを苗字にさん付けで呼ぶのはおやめください。これからは亜佐美と呼び捨てでいいですよ。それに先生、わたしも先生をタクヤと呼び捨てで良いですよね? だって、これからわたしたちはずっと離れることなく一緒なんですから!」
その亜佐美のいうことが俺は不思議だった。彼女と二人だけで親密に、このような会話をしたことなかったからだ。しかも忘れかけていてハッキリしなかった亜佐美の顔がくっきりと確認していたからだ。思い出の中にいた亜佐美よりも成長した彼女の姿だった。
「そうか、呼び捨てにさせてもらうよ君を。しかしずっと一緒、なんていう話を聞いてないけど、いつそんな関係になったのか、俺たち?」
「それはタクヤ。前世も来世も私たちは結ばれる運命なのよ。そうエンジェルから言われたのよ。でも今のあなたの人生でも、これから一緒よ!」
そういいながら亜佐美はテーブルにあるコーヒーカップを口付けした。その彼女の仕草に俺はゾクゾクしていた。
「でも亜佐美。たしか君ってもう三十何歳ではないの? いまは」
「何をいっているのですかタクヤ、いま私は二十二歳よ! そう、もう十年も!」
彼女の言う事が理解できなかった。たしかに容姿を見ると二十代前半にしかみえないが・・・ってことは、今は何年なんだ? その意味がわからない!
「実はわたしの時間は十年間止まったままだったのよ! だって、二十二歳の誕生日に、そう永川亜佐美の時間は止まったのよ! だって、死んじゃったから!」
「えっ? 死んじゃった!?」
「そうよ、だからこの姿であなたの前に現われたのよ!でも、会いたかったなあ、生きていたときに永川亜佐美としてタクヤ! でも、これからはずっと一緒よ! 今度こそお嫁さんにしてね」
「お嫁さん? 君って俺のことを・・・」
「そうよ。高校生のときに気付いていたのよタクヤと私は前世から赤い糸で結ばれていたのだと。本当はねえ二十二歳の誕生日を迎えた後に再会するはずだったのよ! でも私ったら誕生日に身も心も散華してしまったんだ。だから永川亜佐美として再会できなかったのよ」
「それって、まさか君は幽霊なのか?」
「そうだねえ、幽霊というよりも天国で眠っていたのよ魂だけ。でも今は違うよ。まあ少し前に永川亜佐美ではなくアサミとして甦ったのよ私」
「それじゃあ再会できると?」
「そうね、近いうちに! きっとまた会えるわよ私たち。それに再会したらずっと一緒よ、これからは。だから早く行動を起こしてねタクヤ!」そういって彼女はハンドバックを持って席を立った。
「早く来て下さい! わたしと一緒に旅に行きましょうね!」亜佐美いやアサミはそう手を振っていた。この時、俺は目を覚ました。目線の先には満天の星空と、そしてネコのアサミの姿があった。
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