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第一章:気が付いたらネコになっていたアサミ
028.不幸な前世
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私は初恋の人がホームレスになっている姿を見て愕然としてしまった。単純計算では彼に出会ったのは十八年前のことであるけど、私にとっては七年いや八年前のことだった。
だって、私は十年間死んでいたからだ。それにしても天国にいたときの記憶がないけど、やはり非業の死を遂げたので魂も傷ついていたのが原因かもしれない。
それはともかく、私は永川亜佐美の意識体なのだから、手違いで終わってしまった人生の続きをやりたいと願っていた。初恋の人と一緒に!
「さっき言っていたけど、私とそこのホームレス・・・いえ。タクヤとは赤い糸で結ばれていたのは本当なの?
「そうです、この迫崎琢哉様があなたと結ばれる運命だったお方です。この方も手違いがございまして。前世では特攻隊員として壮絶な戦死をお遂げになっておりまして・・・
実は亜佐美さんの前世の女性はこの方の婚約者でして、その方も結核に冒された上に原爆で命を失ったもので・・・
ですから、本当なら今生で結ばれないといけなかったのですが、本当に申し訳ないことをしてしまいました」
エンジェルのイリス・アントラーファ・7855が言う事は不幸な前世のことばかりだった。幸いなことにアサミになる前のその女性の記憶は甦って来なかったが、そんな薄幸の人生というのも嫌だと思っていた。
もっともテロで身体が四散するのも、ノラネコとして生きてきたのも不幸といえば不幸であるが。
「本当なら琢哉様の前にも現れてお伝えしなければいけないのですが、こうしてわたしどもエンジェルが直接介入できるのも一生のうちに限られたサイクルのみと定められておりまして。今は接触できないのでとりあえずアサミさまにお伝えして、お決めになってもらうことになりました」
「すると、私はタクヤの運命も決めて良いわけなの?」
「ええ、評議会の裁定ではあなたの意見を尊重せよということになりまして・・・本来なら評議会が一方的に決定した運命になるように図るのですが、今回だけ特別にということになりました。
まあ一年のうちにそう何度も行わないことですけど。それだけ、あなたたちは当局の不始末の犠牲者だったというわけです。どうぞ遠慮なく決めてください。次の中から選んでください」
アサミは複雑な気分になっていた。初恋のあの教育実習生がホームレスになっていたこと。そしてその人の運命も決めるなんて、なんと荷が重いことだと。
だって、私は十年間死んでいたからだ。それにしても天国にいたときの記憶がないけど、やはり非業の死を遂げたので魂も傷ついていたのが原因かもしれない。
それはともかく、私は永川亜佐美の意識体なのだから、手違いで終わってしまった人生の続きをやりたいと願っていた。初恋の人と一緒に!
「さっき言っていたけど、私とそこのホームレス・・・いえ。タクヤとは赤い糸で結ばれていたのは本当なの?
「そうです、この迫崎琢哉様があなたと結ばれる運命だったお方です。この方も手違いがございまして。前世では特攻隊員として壮絶な戦死をお遂げになっておりまして・・・
実は亜佐美さんの前世の女性はこの方の婚約者でして、その方も結核に冒された上に原爆で命を失ったもので・・・
ですから、本当なら今生で結ばれないといけなかったのですが、本当に申し訳ないことをしてしまいました」
エンジェルのイリス・アントラーファ・7855が言う事は不幸な前世のことばかりだった。幸いなことにアサミになる前のその女性の記憶は甦って来なかったが、そんな薄幸の人生というのも嫌だと思っていた。
もっともテロで身体が四散するのも、ノラネコとして生きてきたのも不幸といえば不幸であるが。
「本当なら琢哉様の前にも現れてお伝えしなければいけないのですが、こうしてわたしどもエンジェルが直接介入できるのも一生のうちに限られたサイクルのみと定められておりまして。今は接触できないのでとりあえずアサミさまにお伝えして、お決めになってもらうことになりました」
「すると、私はタクヤの運命も決めて良いわけなの?」
「ええ、評議会の裁定ではあなたの意見を尊重せよということになりまして・・・本来なら評議会が一方的に決定した運命になるように図るのですが、今回だけ特別にということになりました。
まあ一年のうちにそう何度も行わないことですけど。それだけ、あなたたちは当局の不始末の犠牲者だったというわけです。どうぞ遠慮なく決めてください。次の中から選んでください」
アサミは複雑な気分になっていた。初恋のあの教育実習生がホームレスになっていたこと。そしてその人の運命も決めるなんて、なんと荷が重いことだと。
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