元ホームレス・タクヤとネコ耳娘アサミ魔道伝:Re

ジャン・幸田

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第二章:ひとりといっぴきから二人の旅立ち

036.むずかしいお話!

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 「まあ、君たちは従ってくれるだろうし、そうしなければいけないのだ。アサミさんは今はネコ耳少女だよね」
  或彌阿具須はアサミに聞いてきたが、アサミはきょとんとしていた。夢の中のアサミは人間として亡くなる前と同じ姿だったから。

  「ええ、そうですが。でも今はないですよネコ耳は?」

  「そりゃそうだよ。ここは魂が直接交流している状態だから、まあ本当はその姿だよ。でも、いろいろな事情があってネコ耳少女として召喚されているんだよ、この世界に。
  君は人間の戻りたいんだろ? お金を稼いで別の魔道士に変身させてもらうか、自身で魔道力をアップすれば可能だけど、実はさっきいった恐怖の素因と対決するためにレベルをアップすればおのずと可能になるもんだよ。しかも、あるレベルから先にアップするまでは処女である必要があるんだ」

  これも二人には或彌阿具須が言う事の全てを理解しにくい事だったが、どうもレベルがある程度までアップするまでアサミとはエッチしてはいけないということらしかった。それにしても、この男は男と女が親しくなると誰も彼もエッチするものだと言いたいようだった。

  ある意味それは正しいけど、タクヤはアサミをそんなふうにする気はなかった。嫌だという意味ではなく大切にしたかったからだ。若いときは感情を暴走させ自分の衝動を止めることなく、相手を傷つけたことがあったけど、いまはアサミを大事にしたかった。

  「そうですか、でもそのレベルアップってなんですか? 俺には今やっていたゲームのような事をするかのように思ったのですが・・・」

  「良い所に気付いたな。そういうことなんだよ、君たちが幸せになるためには魔道士としてレベルアップの冒険をしなければいけないということなんだ。そうすればこういう未来があるってことだ」
  そういって或彌阿具須は愛し合う男女のカードを指し示した。そのカードに描かれていた絵はエロスよりも神々しい何かを感じさせるものだった。

  「アルミさん、わたしたちは道をそれなければ、タクヤと結ばれるというわけですよね?」
  アサミは少し頬を赤らめながら言っていたが、その手は自然とタクヤに触れていた。

 「それでは他のふたつのカードの意味はなんですか、俺には意味がさっぱりですけど」

  タクヤは質問したが、たしかにネコと田園風景では意味を何ら見出せなかったので当然だった。

  「まずネコは君らにチャレンジしてもらう恐怖の素因だ。もちろんネコでなく、この図案は象徴的なものだ。これは神の名を語るか無闇に善意だといって人々を欺き破壊と荒廃をもたらすものだ。君らも知っているよねグロヴァル・コスモリアンを」

  その名を聞いて二人とも戦慄を覚えた、特にアサミが反応しその場にへたり込んでしまった。その奴等による航空機テロで命を奪われ身体を粉砕されてしまったことを思い出したからだ。あの時の恐怖が甦ってきたからだ。

  「どうして、この世界にグロヴァル・コスモリアンが関係するのですか・・・その人たちもこの世界に召喚されているというのですか?」

  か弱い声でアサミは聞いたが、或彌阿具須は意に介さないかのように話を続けた。

  「グロヴァル・コスモリアンに関係した者達の多くはまだ地球に留まったままだ。問題なのはあのような行為に走らせた恐怖の素因なんだ。我々の神様が統括する数多くの世界には程度の差であれ恐怖、絶望、嫌悪、それによる破滅は存在するもんだ。
  でもグロヴァル・コスモリアンは異質だった。その恐怖と怨嗟の感情を食料とする恐怖の素因に支配されていたんだよ、神の名を語ってね。
  だから何人かのエンジェルを対消滅させる形で地球のある世界から除去したのだ。しかし、その時に残滓の幾つかが他の世界に飛び散ってしまって、その主だった塊がここガルアの地にやってきたのだよ。
  その影響はもう出ているのだよ。君たちも見たよね龍狼獣の惨殺死体を。あのような獣をたやすく葬ることなんて、この世界の魔動力を駆使しはじめているということだ。
  おそらく恐怖の素因は、この世界をさらに破滅に追い込んでいくだろうな。おそらく破綻戦争のような惨劇を伴って。だから君らに未然に阻止してもらいたいのだ」

  「そうですか・・・でもアルミさん。どうして私とタクヤなのですか? 神様は何もなさらないのですか?」

  「神様は、基本的には介入できないのだよどんな世界でも。みんな基本的な世界のシステムを構築してもより良き世界に導くことは出来ないのだよ。簡単に出来るのはご破算、つまり全てを無にすることだよ。だから地球でグロヴァル・コスモリアンを除去したのは異例中の異例だったんだ。それだけ深刻だったんだよその恐怖の素因は」

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