元ホームレス・タクヤとネコ耳娘アサミ魔道伝:Re

ジャン・幸田

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第肆章:魔導士見習いとしてやることは?

097.ダガーのテスト

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 魔道士審査官のダガーはいつもの惰性で仕事をしていた。魔道士は免許制ではなく届出制なので審査は形式的で犯罪行為をしていないこと、何か役に立つ能力があれば誰でも魔道士になる事が出来た。

 だが、魔道士一本で生活できるのはごく一部であるし、各諸邦からの依頼に応じることが出来たり、また依頼がくるような魔道士はさらに少ないのが現状だった。なお魔道士には破局戦争前の忌まわしい機械技術に関する対処能力を備えた科学技術的分野の魔道士と、精神的能力や格闘技術能力を備えた魔道士などがいた。

 別に本職がある人であっても、食い扶持の足しになるということで、名前だけの申請してくる事が多く、日に何人も審査しないといけない事が多かった。なので、ダガーは書類さえ整っていたら考えもせずに認可するのが日常だった。普段ならアサミやタクヤのような異世界からの転移者はほぼ無条件で認められるはずだった。

  ダガーは最初タクヤを見た時、外見から異世界から召喚されてきたのだから、人間と変わらない男なんだから、魔道士ギルドが管轄する永久炉の運用などの科学的分野の魔道士だと思っていた。

  こんなので申請書類にある武道系の魔道士になんかが勤まるとは思えなかった。いくら見た目とは違って能力を持つ魔道士が数多くいるとはいってもである。一緒に来たアサミというネコ耳娘からは、外見の可愛らしさとは違って、それなりの気の強さを感じるというのにである。

  しかも、この二人には魔道士ギルド筆頭統領の推薦状が一緒に出されているのだからわけがわからなかった。いくら筆頭統領が非常事態以外は儀礼的で象徴的な地位であるといっても、わざわざ新人の二人のためにすることなんかが疑問だった。本当のところ何者なんだろうか?

  結局、審査は書類上の不備はないので受理しないといけなかったが、そうしてもタクヤに対する疑念が拭えなかった。そこでダガーはあることをしてみようと思った。最初はちょっとした興味からであったが。

  「そこの君! 腰に下げている剣を構えたまえ! 隣のホールに一緒に来てもらえないか?」

一同はダガーと一緒に隣のホールに移動した。タクヤの能力を試すというのだ。

  「そこのタクヤとやら。とりあえず剣を使いこなせるか試させてくれい! 書類そのものは不備はないので受理するが、本当に申請の分類でいいのか見させてもらうよ」

  そういってダガーはホールにある棚からタクヤが持っているのと同じサイズの剣を取り出してきた。そして剣道の防具のような胴衣を二セット出してきた。

  「この甲冑を着たまえ! 万が一のことがあっては困るからな。なあに、わたしも魔道士の登録をしているから大丈夫だ」そういってダガーは胴衣を着用し始めた。しかし、ダガーの首筋に何かが憑りついたのを誰も気が付かなかった。
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