上 下
6 / 22
朝起きたら・・・

(05)警察に捕まってしまう!

しおりを挟む
 「僕」はゲームをしないしパチンコもしない。しかしいつもパチンコ屋の宣伝用モニターで気になっていたものがあった。それは女戦士だ。

 そういった女戦士はファンタジー世界が舞台のゲームなんかに出てくるキャラクターで、ロリコン風だったり、シリアス風だったりするけどやっぱり子供のころに見たアニメ作品みたいなもヒロイン調のキャラクターをイメージとしてあった。

 そのイメージの女戦士はビキニのような甲冑の場合もあるしドレスに甲冑のような場合もあったけど、強そうで可憐というのが理想だった。まあ、そういったのはファンタジー作品では珍しくないかもしれないけど、あいにく「僕」は経済力など付く事などあり得ないほどの薄給だったから、ゲームもしたこともないし、コミックもたまに古本屋で立ち読みするぐらいしかしたことなかったけど。

 それにしても、目の前にいるハダカの女の子は寝言を言ったりするのになかなか目を覚まそうとしなかった。女戦士がそんなに無防備でいいんだろうか? それでついつい悪事に手を染めてしまった。そう彼女の身体に手を触れてしまったのだ!

 「僕」の子供の時の記憶ははっきり覚えていないけど、母親以外の女の身体、しかも胴体に手を触れたのは初めてだった。取りあえず彼女の肩をもった。

 見立て通り彼女の腕は戦士であると主張するかのように筋肉が発達していたが、その肌はすべすべしていた。そして肩を持つ手の先には豊満な乳房が大きな果実のようにぶら下がっていた!

 「こ、こんなの、はじめてだ」

 思わず口にしてしまった。童貞の自分がこんな風に女体を見ているなんて信じられなかった。問題といえば彼女の同意なんて一切ないことだったけど・・・

 その時「僕」は変な想像をしてしまった。そのまま彼女を手籠めにすることを! でも、それって犯罪なんだよなあ・・・どうしても、先の事ばかり考えてしまう悪い癖が出ていた。折角、目の前にリアルなハダカの女の子がいるというのにである!

 そんな奥手だからいつまでたっても彼女は出来ないんだよって自分が嫌になってしまった。三十歳になるまで、彼女が出来るチャンスといえば高校の時に学芸会の漫才のボケ役でチヤホラされたときぐらいだった。あの時、もう少し大人だったら・・・何を後悔しているんだ?

 彼女の肩を持ち上げて上半身を起こして正面を向く態勢になった。彼女の上半身は力なくダラッとしていたが、下腹部のアソコはなんとなく湿っていた。もし、これがエッチな事をするんだったらどうすればいいんだろうか? 童貞、しかも素人童貞ですらない「僕」には何も思い浮かばなかった。それよりも・・・

 「エッチしていいわけないんだろな、やっぱ! これじゃあレイプ犯だよな!」
 
 その時。頭の中ではこんな想像が働いていた。

 ”次のニュースです。東京都××市××町三丁目で女性が暴行されるという事件がありました。逮捕されたのは鈴原啓次郎容疑者(三十歳)で、警察によれば自宅アパートに侵入した氏名不明の若い女性が気を失っていたのを幸いに暴行したとのことです。××警察署は鈴原容疑者を準強姦罪の容疑で送検する方針です”

 あー! ここから先に進んだら犯罪者になってしまう! もしエッチのやり方が悪くて死んだりしたら、悪くしたら死刑になってしまう! その時、一人でパニックになっていた。すると彼女の脇にある袋の中から、可愛らしい声が聞こえてきた。
しおりを挟む

処理中です...