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一章
武士の誉。
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あの後、辰呀と薙は辰呀の居室へ移動した。
鍛錬で汗をかいたでしょうからといって薙が辰呀の体を拭く事になったのである。
勿論、辰呀は丁重にお断りした。だが、彼女立っての希望と蒼の押しに負け、こうして自室まで戻ってきたのであった。
「お身体をお拭きしますので、お着物脱がさせて頂きますね。」
薙は辰呀の自室に着くと辰呀を椅子に座らせた。そして水で少し湿らせた手ぬぐいを持つとそう言った。
「何度も言うが蒼の言うことを間に受けなくていいんだぞ。」
「そうはいきません。それに辰呀様のお側にお仕えさせて頂くのは私の夢でもございました。」
そんな言葉を聞いて辰呀は面食らった。
蒼の命令で仕方なく聞いているのだと思っていたからだ。
「ずっと前から憧れておりました。武に強く、正義に厚い辰呀様に。こうしてお側にお仕えする好機が訪れたのです。どうか、私をお側に置いて下さいませんか?」
頬を染め、瞳を潤ませる薙。
薙にとってはこの程度の演技、朝飯前だ。勿論、今言った大層の口上もでまかせだ。薙の目的は間諜。辰呀の側に置いてもらわないと話にならないのである。蒼がくれた好機、逃す手はない。どんな事をしてでも辰呀付きの女官になりたい。
「そ、そうだったのか。俺は薙が嫌々やっているのだと思っていた。」
辰呀は愛しい者にそのように言われて、心臓の音が高鳴った。誰だって好いた相手に憧れていたなどと言われれば正気ではいられないであろう。辰呀も例外ではなかった。
薙は内心ほくそ笑んだ。ちょろいものである。他国には辰呀は恐ろしい噂しか流れていなかったが、彼女は至って普通の良い人間だ。汚れきった俺みたいな人間じゃない。こうやって嘘を平気で吐けるやつじゃない。
「そんな事ありえません。さあ、お背中を拭かせてくださいませ。」
そういって微笑む薙。
辰呀もそれ以上拒否することはなく大人しく上半身の着物をはだけさせた。辰呀は胸にさらしを巻いていた。動くのに支障がないようにだろう。
「さらしも取ったほうが良いか?」
辰呀は薙に尋ねた。
誰かに世話をしてもらうなんて初めてだ。要領がわからない。武士の中には高貴な家柄なものもいる。そういった人は家に帰ると女官に世話をしてもらう者もいるらしい。
辰呀もそこそこ良い家の生まれではあったが、女官に周りを世話してもらうのは性に合わず断っていた。
「そうですね。では取っていただけますか。」
内心焦ったのは薙だ。
嘘は平気で吐ける。動揺しても隠せる器量もある。辰呀は薙を女だと思っている。当たり前だ。だが、こうして彼女に躊躇いなく素肌を晒されると罪悪感が胸にあった。
(今、俺は、いや、私は女。女、女……。)
邪念を払うかのように、自分自身に暗示をかけるように頭の中で呟く。そうだ、自分は今、女としてここにいる。任務に忠実であれ。
「これでいいか?」
「ありがとうございます。」
生地が擦れる音がして辰呀がさらしを取った。薙からは辰呀の背中が見えるだけだが、少し躊躇してしまう。そっと、彼女の体を手ぬぐいで拭いていく。なるべく見ないようにしていたが、彼女の背中に無数の傷があることに気づいた。刀傷、だろうか。
「ん、どうかしたのか?」
武人だからか、はたまた好いた人の視線だからか。辰呀が薙の様子に気づき声をかけた。
「すみません。不躾でしたね。……沢山の傷があると思って。」
薙が正直にその理由を答える。王太子付きの護衛だから傷も負うだろう。当たり前だ。頭ではわかっているが、わざわざ自分から大変な道に入ってきたものだなと感心する。
普通の女は戦を嫌い、暴力を嫌う。傷がついたら嫁入り先がないと心配するものではないのだろうか。
「そんなことはない。……ああ、そうか。普通の女には中々付かない傷だものな。」
辰呀は薙の言葉を普通の女では負わない傷だから、珍しがっているのだと思ったようだ。
「あら、この傷はまだ新しいですね。」
薙が傷の一つに目をやった。何かが刺さったような切り傷。刀ではなさそうだが。
「ああ、それはこの前、蒼を狙った飛び道具をかばった時の傷だな。」
蒼が命を狙われるのは割とある事だ。ここ数年は落ち着いてきているが、それでも蒼の命を狙う輩は少なくない。
「辰呀様は女性でありながらお強いです。尊敬しておりますが、あなたに傷がつくのは痛ましいです。」
少し脚色しているがこの言葉は割と薙の本心であった。わざわざ命のやりとりもある場に出てきて、傷を負うなんて。女なら大人しく家で守られていれば良いのではないか。物好きな女だな、と。
「薙は優しいな。でも、武士にとって傷は誉だ。貴女が悲しい顔をするものではない。」
「辰呀様がそう仰るならそうなのでしょう。でも、折角お綺麗な素肌をしておられるのですから。なるべく傷を負ってほしくはありませんね……。」
辰呀の肌は綺麗であった。男のような粗野な行動が目立つがやはり女性というのもあって、男とは違う。とはいっても、女装のために様々な努力をしている薙の肌にはかなわなそうだが。
この傷がなければ自分の肌にも勝るかもしれないのに。そんな思いで何の気なしについ最近できたという傷に口付けた。
その途端、
「ひゃっ!?」
辰呀は背中を震わせていつもの数段高い声を上げた。いきなり背中に口付けられるなんて予想だにしていなかっただろう。
「な、な、な!?」
口を開けたり閉じたりして驚愕の表情で薙の方を見る辰呀。その顔は朱に染まっていていつもとは違う雰囲気で。薙には愛らしく映った。
「……傷が治るようにおまじないです。」
薙はそう言って優雅に微笑む。
「お、おまじない!?」
対称的に上ずった声を上げる辰呀。
「はい。昔、怪我をした時に母がよくやってくれたものです。お嫌でしたか?」
小首を傾げ悲しげな表情を作ってみせる。
大抵の男はこれで堕ちる。薙は自分自身の使い方をよく知っている。
「い、嫌では無いが……。その、あまり他の人にしないほうが、いいのではないだろうか…。」
辰呀は顔を赤くし目を泳がせる。彼女らしくもなくしどろもどろに答えた。
薙は素知らぬ顔で分かりましたと答えた。
少し鈍そうな女を演じる。相手に隙を見せる。これが結果的に相手の懐に入り込みやすい。これまでの経験で得た事だ。高嶺の花振りすぎると対象に警戒心を与えてしまう。
辰呀は女であるので、男相手の対応でどこまでいけるのかわからないが。とりあえず、このままの方向性で行こう。
「辰呀様。どうか、私をこれからもお側に置いてくださいましね。」
内心ではほくそ笑みながらも、表面上はにっこりと微笑む。
「お前がそう言うのなら。……無理はするなよ。」
辰呀は顔を赤くし薙から視線をそらすと素っ気なくそういった。
「はい。」
反応を見る限り好感触。このまま辰呀を自分に惚れさし、意のままにする事ができればいいが。
「さて、蒼の護衛に戻る。お前も仕事に戻ってくれ。」
「かしこまりました。」
辰呀は着物を直すとそそくさとその場を後にした。なんだか照れくさい。
妙な事になってしまったが、薙を自分の手元に置いておける事は喜ばしいかった。蒼に感謝すべきなのかもしれない。
「これから帰ったら薙がいるのか。」
自分の身の周りの世話をするのだからそうなるだろう。仕事から帰ると愛しい人が待っている。それを想像すると心が温かくなるのを辰呀は感じた。
今まで敵と斬り合い傷ついて帰っても誰もいなかった。周りに人を置くのが嫌だったのもあるが、弱ったところを見せるのが嫌だったのだ。
今はそうでもないが。辰呀も昔は女という事で周りに舐められていた時があった。その当時の癖で、極度に人に弱みを見せるのを嫌ったのだ。
薙は辰呀に憧れていると言ってくれた。
そして、何より自分が初めて愛した人。薙の笑顔を見るだけで心が満たされる。癒される。
辰呀は浮かれていたのかもしれない。初めての恋心に。
恋は時として弱点となる事に辰呀はまだ気づいていなかった。
鍛錬で汗をかいたでしょうからといって薙が辰呀の体を拭く事になったのである。
勿論、辰呀は丁重にお断りした。だが、彼女立っての希望と蒼の押しに負け、こうして自室まで戻ってきたのであった。
「お身体をお拭きしますので、お着物脱がさせて頂きますね。」
薙は辰呀の自室に着くと辰呀を椅子に座らせた。そして水で少し湿らせた手ぬぐいを持つとそう言った。
「何度も言うが蒼の言うことを間に受けなくていいんだぞ。」
「そうはいきません。それに辰呀様のお側にお仕えさせて頂くのは私の夢でもございました。」
そんな言葉を聞いて辰呀は面食らった。
蒼の命令で仕方なく聞いているのだと思っていたからだ。
「ずっと前から憧れておりました。武に強く、正義に厚い辰呀様に。こうしてお側にお仕えする好機が訪れたのです。どうか、私をお側に置いて下さいませんか?」
頬を染め、瞳を潤ませる薙。
薙にとってはこの程度の演技、朝飯前だ。勿論、今言った大層の口上もでまかせだ。薙の目的は間諜。辰呀の側に置いてもらわないと話にならないのである。蒼がくれた好機、逃す手はない。どんな事をしてでも辰呀付きの女官になりたい。
「そ、そうだったのか。俺は薙が嫌々やっているのだと思っていた。」
辰呀は愛しい者にそのように言われて、心臓の音が高鳴った。誰だって好いた相手に憧れていたなどと言われれば正気ではいられないであろう。辰呀も例外ではなかった。
薙は内心ほくそ笑んだ。ちょろいものである。他国には辰呀は恐ろしい噂しか流れていなかったが、彼女は至って普通の良い人間だ。汚れきった俺みたいな人間じゃない。こうやって嘘を平気で吐けるやつじゃない。
「そんな事ありえません。さあ、お背中を拭かせてくださいませ。」
そういって微笑む薙。
辰呀もそれ以上拒否することはなく大人しく上半身の着物をはだけさせた。辰呀は胸にさらしを巻いていた。動くのに支障がないようにだろう。
「さらしも取ったほうが良いか?」
辰呀は薙に尋ねた。
誰かに世話をしてもらうなんて初めてだ。要領がわからない。武士の中には高貴な家柄なものもいる。そういった人は家に帰ると女官に世話をしてもらう者もいるらしい。
辰呀もそこそこ良い家の生まれではあったが、女官に周りを世話してもらうのは性に合わず断っていた。
「そうですね。では取っていただけますか。」
内心焦ったのは薙だ。
嘘は平気で吐ける。動揺しても隠せる器量もある。辰呀は薙を女だと思っている。当たり前だ。だが、こうして彼女に躊躇いなく素肌を晒されると罪悪感が胸にあった。
(今、俺は、いや、私は女。女、女……。)
邪念を払うかのように、自分自身に暗示をかけるように頭の中で呟く。そうだ、自分は今、女としてここにいる。任務に忠実であれ。
「これでいいか?」
「ありがとうございます。」
生地が擦れる音がして辰呀がさらしを取った。薙からは辰呀の背中が見えるだけだが、少し躊躇してしまう。そっと、彼女の体を手ぬぐいで拭いていく。なるべく見ないようにしていたが、彼女の背中に無数の傷があることに気づいた。刀傷、だろうか。
「ん、どうかしたのか?」
武人だからか、はたまた好いた人の視線だからか。辰呀が薙の様子に気づき声をかけた。
「すみません。不躾でしたね。……沢山の傷があると思って。」
薙が正直にその理由を答える。王太子付きの護衛だから傷も負うだろう。当たり前だ。頭ではわかっているが、わざわざ自分から大変な道に入ってきたものだなと感心する。
普通の女は戦を嫌い、暴力を嫌う。傷がついたら嫁入り先がないと心配するものではないのだろうか。
「そんなことはない。……ああ、そうか。普通の女には中々付かない傷だものな。」
辰呀は薙の言葉を普通の女では負わない傷だから、珍しがっているのだと思ったようだ。
「あら、この傷はまだ新しいですね。」
薙が傷の一つに目をやった。何かが刺さったような切り傷。刀ではなさそうだが。
「ああ、それはこの前、蒼を狙った飛び道具をかばった時の傷だな。」
蒼が命を狙われるのは割とある事だ。ここ数年は落ち着いてきているが、それでも蒼の命を狙う輩は少なくない。
「辰呀様は女性でありながらお強いです。尊敬しておりますが、あなたに傷がつくのは痛ましいです。」
少し脚色しているがこの言葉は割と薙の本心であった。わざわざ命のやりとりもある場に出てきて、傷を負うなんて。女なら大人しく家で守られていれば良いのではないか。物好きな女だな、と。
「薙は優しいな。でも、武士にとって傷は誉だ。貴女が悲しい顔をするものではない。」
「辰呀様がそう仰るならそうなのでしょう。でも、折角お綺麗な素肌をしておられるのですから。なるべく傷を負ってほしくはありませんね……。」
辰呀の肌は綺麗であった。男のような粗野な行動が目立つがやはり女性というのもあって、男とは違う。とはいっても、女装のために様々な努力をしている薙の肌にはかなわなそうだが。
この傷がなければ自分の肌にも勝るかもしれないのに。そんな思いで何の気なしについ最近できたという傷に口付けた。
その途端、
「ひゃっ!?」
辰呀は背中を震わせていつもの数段高い声を上げた。いきなり背中に口付けられるなんて予想だにしていなかっただろう。
「な、な、な!?」
口を開けたり閉じたりして驚愕の表情で薙の方を見る辰呀。その顔は朱に染まっていていつもとは違う雰囲気で。薙には愛らしく映った。
「……傷が治るようにおまじないです。」
薙はそう言って優雅に微笑む。
「お、おまじない!?」
対称的に上ずった声を上げる辰呀。
「はい。昔、怪我をした時に母がよくやってくれたものです。お嫌でしたか?」
小首を傾げ悲しげな表情を作ってみせる。
大抵の男はこれで堕ちる。薙は自分自身の使い方をよく知っている。
「い、嫌では無いが……。その、あまり他の人にしないほうが、いいのではないだろうか…。」
辰呀は顔を赤くし目を泳がせる。彼女らしくもなくしどろもどろに答えた。
薙は素知らぬ顔で分かりましたと答えた。
少し鈍そうな女を演じる。相手に隙を見せる。これが結果的に相手の懐に入り込みやすい。これまでの経験で得た事だ。高嶺の花振りすぎると対象に警戒心を与えてしまう。
辰呀は女であるので、男相手の対応でどこまでいけるのかわからないが。とりあえず、このままの方向性で行こう。
「辰呀様。どうか、私をこれからもお側に置いてくださいましね。」
内心ではほくそ笑みながらも、表面上はにっこりと微笑む。
「お前がそう言うのなら。……無理はするなよ。」
辰呀は顔を赤くし薙から視線をそらすと素っ気なくそういった。
「はい。」
反応を見る限り好感触。このまま辰呀を自分に惚れさし、意のままにする事ができればいいが。
「さて、蒼の護衛に戻る。お前も仕事に戻ってくれ。」
「かしこまりました。」
辰呀は着物を直すとそそくさとその場を後にした。なんだか照れくさい。
妙な事になってしまったが、薙を自分の手元に置いておける事は喜ばしいかった。蒼に感謝すべきなのかもしれない。
「これから帰ったら薙がいるのか。」
自分の身の周りの世話をするのだからそうなるだろう。仕事から帰ると愛しい人が待っている。それを想像すると心が温かくなるのを辰呀は感じた。
今まで敵と斬り合い傷ついて帰っても誰もいなかった。周りに人を置くのが嫌だったのもあるが、弱ったところを見せるのが嫌だったのだ。
今はそうでもないが。辰呀も昔は女という事で周りに舐められていた時があった。その当時の癖で、極度に人に弱みを見せるのを嫌ったのだ。
薙は辰呀に憧れていると言ってくれた。
そして、何より自分が初めて愛した人。薙の笑顔を見るだけで心が満たされる。癒される。
辰呀は浮かれていたのかもしれない。初めての恋心に。
恋は時として弱点となる事に辰呀はまだ気づいていなかった。
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