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とある宿の部屋にて、レジナは地図を広げた。
旅人や観光客向けに出回っているファルゼル王国の地図である。
そこにレジナはいくつものバツ印を書き込んでいく。
「これは?」
「勇者王の墓とされてる場所」
「お墓がこんなにあるの?!」
「伝説や縁がある場合は、珍しい事じゃないよ。
君の世界には、歴史上いや伝説上の偉人と言われてる人物の墓や場所が点在してるとかないの?」
「……あった」
少し考えてから、カガリはそう返した。
その殆どがおそらく偽物だと思われるが、ではどれが本物なのかと言われてもよくわからないらしい、という話は聞いたことがあった。
時代が古くなればなるほど、どこが終わりの場所だったかのかすら定かではなくなるかららしい。
「ま、それと同じね。
勇者王の墓は記録にも残されていない。
あるいは、意図的に隠されたか記録が何かしらの理由で消失したのか、わからないけど」
「消失?」
「魔王が消えたら世界が平和になってめでたしめでたし、とは行かなかったってこと」
「え、でも、それ以上の脅威なんてあるの?」
「脅威、か。うん。あるよ。
共通の敵がいればこそ共闘できた関係も、それがいなくなればバランスが崩れるしね」
「バランス?」
「やっと憂鬱の種が消えたら、今度は自分たちの暮らしを豊かにしなきゃでしょ。
まあ、すぐにとはいかなかったと思うけど」
「???」
「戦争ね、戦争」
「人同士で? 魔族に立ち向かった仲間の国同士で戦争したの?」
「そう。まぁ、そういう混乱期があったってこと。
昨日の敵は今日の友、今日の友は明日の殺し屋ってね」
「そういう言葉があるんだ」
「前者はどこかの勇者様が遺した名言で、後者はいま作った」
どうやらそう言った言葉も転移者によって、伝来したのだろうと思われる。
「レジナって、友達となんかあった?」
「べつに」
「そっか、それで、どこが本物だと思うの?」
「さぁ?」
「って、わかんないの?」
「うん。あたしは伝説や神話は好きだけど、専門家でも歴史家でもないし」
「え?」
「うん?」
「じゃあ、レジナは何を研究してるの?」
「伝説の武器の製造方法ーーノウハウね」
「つまり、作り方?」
「そう」
「なんで、そんなものを研究してるの?」
「なんでって、お金になるってのと、何よりも知りたいからだけど」
「お金になる?」
「うん。
勇者王の剣みたいな伝説の武器ってね、今の技術じゃ再現できないものばかりなんだ。
どうも、カガリ達の世界の技術とこっちの世界の技術をハイブリッドさせたものらしいってのはわかってんだけど、そのハイブリッドのさせ方がわかっていなかったりするんだよね。
これが失われた魔道技術とか言われてる技術ね。
最終目標は、伝説の中の伝説である武器とされる【神の叡智】を作ることかな」
「カミノエーチ?」
「そ、色々伝説は残ってるんだけど、その正体は不明。
一説には【賢者の石】がその正体だとも言われてる」
「へえ」
「伝説の一つだと、国を滅ぼしたともいわれてるんだ。
一夜にして国が一つ消し飛んだ、なんて話もある。
しかも呪いが残って、なんとか生き延びた人達も数日のうちに死んだとか、かなりいわく付きの遺物。
それも、生きながらにして体が焼け爛れて溶けてく呪いだったとか。その場所は今でも草木が生えてないとかね。
現在、その場所だと言われてるのは南の果てにあるとされてるデスレイン砂漠」
「そ、そんなのが欲しいんだ。やっぱりお金になるのと研究したいから?」
呪いと聞いて、カガリは引いてしまった。
「まあね。でもあたしは、蒐集がそもそも趣味だから単にコレクションしたいってのが大きいかな」
嫌なコレクションだ。
そう言いそうになったカガリだったが、なんとかその言葉を飲み込んだ。
「ただ、【神の叡智】は魔王が作った、なんて説もあるし、それを魔王に教えたのは勇者を裏切った人間なんて説もあるよ。
諸説あるからさー、ほんと、何が真実なのかわっかんないんだよねー」
レジナがこうして、知っていることを話す時はとても楽しそうだ。
ニコニコしているし、カガリもなんとなく楽しくなってきてしまう。
と、そこで彼女は部屋の窓の外を見て太陽の位置を確認する。
「あ、もうお昼かご飯食べに行こ」
太陽はかなり高い位置にあった。
言われて、カガリも自身の空腹に気づいた。
「食べたら出発するからね」
昼過ぎにはこの宿を出て、一番近い墓に向かう予定である。
宿の1階は宿泊客だけではなく、昼食だけ食べにくる者たちのためにも解放されている。
何を食べようか、と二人で話しながら階段を降りていく途中でその音は聴こえてきた。
何かが割れる音、おそらく食器が割れる音だ。
同時に、怒号。
「喧嘩かな?」
旅人や冒険者が利用するこう言った宿や食堂では、こういった事は珍しくはない。
レジナにあちこち連れ回されているうちに、最初こそビクついていたカガリだったがいつの間にか慣れてしまっていた。
巻き込まれたくないので、二人は階段から様子を伺うことにする。
「あ」
飛び込んできた光景に、そう声を漏らしたのはカガリだった。
「どうしたの?」
食堂では、人相の悪いチンピラ数人と格好からして冒険者らしき者達が乱闘を繰り広げていた。
いや、乱闘は冒険者達のほうが有利なようだ。
軽くあしらっている。
チンピラも、その相手をしている冒険者四人も全員男である。冒険者の方は皆顔が整っている。
近くの席では、四人の少女達が不安そうな表情で成り行きを見守っていた。
こちらもかなりの美人揃いである。
そして、カガリの知った顔であった。
「元クラスメイトと、ファルゼルの王族の子達だ」
召喚されてから追い出されるまでの事を思い出したのか、カガリは顔を青ざめさせた。
髪の色が違うので、顔さえ見られなければカガリだとはたぶんわからないだろう。
「なるほど、あれが。
とりあえず、君は部屋に戻って。
あたしは、料理を部屋に運んでもらうよう頼んでくるから」
「わかった」
レジナにそう指示され、カガリは部屋に戻っていく。
食堂の客席での喧嘩は、他の血の気の多い客も参戦して収拾がつかない。
しかし宿側も慣れているのか、その喧嘩を肴に飲んでいる者達へ注文をとっていたりする。
レジナも、ウェイターの一人をつかまえて料理を注文すると、部屋まで運ぶようにお願いする。
もちろんチップも忘れない。
少し多めのチップに、ニコニコ顔で厨房に引っ込んでいくウェイターを見送った。
それから、近くにいた迷惑そうに喧嘩を見ている客に、何故こんな騒ぎが起こったのか聞いてみる。
それによると、チンピラ達があの美少女達に目をつけてセクハラ行為をしたらしいということだった。
それに男達が激怒。
今に至るというわけである。
レジナが軽く礼を言って、階段を上がる頃には決着がついていた。
美少女達が、冒険者達に近寄って安堵の表情を浮かべ彼らを賞賛していた。
さすがだの、なんだのとお花畑な光景が広がっている。
男達もまんざらどころか得意げである。
「なにあれキモイ」
レジナは無意識にそう呟いた。
可愛い女の子達にチヤホヤされれば悪い気はしないだろうが、彼女達はそもそもなんのためにいるのだろう?
カガリから聞いた話を思い出しながら、そんなことを考える。
冒険者の格好は、少なくともあの少女達にとってはお飾りのようなものなのだろう。
着ているというより着せられている感が半端ない。
あと、カガリの話しにあったように男女でペアを組んでいるようで、お花畑な光景からも察せられるように、所謂男女の関係のように見えた。
「でも、なんでこんなところに」
伝説のように魔王を倒す旅でも始めたのだろうか?
王族に関する情報を集める必要が出てきた。
今後の段取りを考えながら、レジナも部屋に戻ったのだった。
旅人や観光客向けに出回っているファルゼル王国の地図である。
そこにレジナはいくつものバツ印を書き込んでいく。
「これは?」
「勇者王の墓とされてる場所」
「お墓がこんなにあるの?!」
「伝説や縁がある場合は、珍しい事じゃないよ。
君の世界には、歴史上いや伝説上の偉人と言われてる人物の墓や場所が点在してるとかないの?」
「……あった」
少し考えてから、カガリはそう返した。
その殆どがおそらく偽物だと思われるが、ではどれが本物なのかと言われてもよくわからないらしい、という話は聞いたことがあった。
時代が古くなればなるほど、どこが終わりの場所だったかのかすら定かではなくなるかららしい。
「ま、それと同じね。
勇者王の墓は記録にも残されていない。
あるいは、意図的に隠されたか記録が何かしらの理由で消失したのか、わからないけど」
「消失?」
「魔王が消えたら世界が平和になってめでたしめでたし、とは行かなかったってこと」
「え、でも、それ以上の脅威なんてあるの?」
「脅威、か。うん。あるよ。
共通の敵がいればこそ共闘できた関係も、それがいなくなればバランスが崩れるしね」
「バランス?」
「やっと憂鬱の種が消えたら、今度は自分たちの暮らしを豊かにしなきゃでしょ。
まあ、すぐにとはいかなかったと思うけど」
「???」
「戦争ね、戦争」
「人同士で? 魔族に立ち向かった仲間の国同士で戦争したの?」
「そう。まぁ、そういう混乱期があったってこと。
昨日の敵は今日の友、今日の友は明日の殺し屋ってね」
「そういう言葉があるんだ」
「前者はどこかの勇者様が遺した名言で、後者はいま作った」
どうやらそう言った言葉も転移者によって、伝来したのだろうと思われる。
「レジナって、友達となんかあった?」
「べつに」
「そっか、それで、どこが本物だと思うの?」
「さぁ?」
「って、わかんないの?」
「うん。あたしは伝説や神話は好きだけど、専門家でも歴史家でもないし」
「え?」
「うん?」
「じゃあ、レジナは何を研究してるの?」
「伝説の武器の製造方法ーーノウハウね」
「つまり、作り方?」
「そう」
「なんで、そんなものを研究してるの?」
「なんでって、お金になるってのと、何よりも知りたいからだけど」
「お金になる?」
「うん。
勇者王の剣みたいな伝説の武器ってね、今の技術じゃ再現できないものばかりなんだ。
どうも、カガリ達の世界の技術とこっちの世界の技術をハイブリッドさせたものらしいってのはわかってんだけど、そのハイブリッドのさせ方がわかっていなかったりするんだよね。
これが失われた魔道技術とか言われてる技術ね。
最終目標は、伝説の中の伝説である武器とされる【神の叡智】を作ることかな」
「カミノエーチ?」
「そ、色々伝説は残ってるんだけど、その正体は不明。
一説には【賢者の石】がその正体だとも言われてる」
「へえ」
「伝説の一つだと、国を滅ぼしたともいわれてるんだ。
一夜にして国が一つ消し飛んだ、なんて話もある。
しかも呪いが残って、なんとか生き延びた人達も数日のうちに死んだとか、かなりいわく付きの遺物。
それも、生きながらにして体が焼け爛れて溶けてく呪いだったとか。その場所は今でも草木が生えてないとかね。
現在、その場所だと言われてるのは南の果てにあるとされてるデスレイン砂漠」
「そ、そんなのが欲しいんだ。やっぱりお金になるのと研究したいから?」
呪いと聞いて、カガリは引いてしまった。
「まあね。でもあたしは、蒐集がそもそも趣味だから単にコレクションしたいってのが大きいかな」
嫌なコレクションだ。
そう言いそうになったカガリだったが、なんとかその言葉を飲み込んだ。
「ただ、【神の叡智】は魔王が作った、なんて説もあるし、それを魔王に教えたのは勇者を裏切った人間なんて説もあるよ。
諸説あるからさー、ほんと、何が真実なのかわっかんないんだよねー」
レジナがこうして、知っていることを話す時はとても楽しそうだ。
ニコニコしているし、カガリもなんとなく楽しくなってきてしまう。
と、そこで彼女は部屋の窓の外を見て太陽の位置を確認する。
「あ、もうお昼かご飯食べに行こ」
太陽はかなり高い位置にあった。
言われて、カガリも自身の空腹に気づいた。
「食べたら出発するからね」
昼過ぎにはこの宿を出て、一番近い墓に向かう予定である。
宿の1階は宿泊客だけではなく、昼食だけ食べにくる者たちのためにも解放されている。
何を食べようか、と二人で話しながら階段を降りていく途中でその音は聴こえてきた。
何かが割れる音、おそらく食器が割れる音だ。
同時に、怒号。
「喧嘩かな?」
旅人や冒険者が利用するこう言った宿や食堂では、こういった事は珍しくはない。
レジナにあちこち連れ回されているうちに、最初こそビクついていたカガリだったがいつの間にか慣れてしまっていた。
巻き込まれたくないので、二人は階段から様子を伺うことにする。
「あ」
飛び込んできた光景に、そう声を漏らしたのはカガリだった。
「どうしたの?」
食堂では、人相の悪いチンピラ数人と格好からして冒険者らしき者達が乱闘を繰り広げていた。
いや、乱闘は冒険者達のほうが有利なようだ。
軽くあしらっている。
チンピラも、その相手をしている冒険者四人も全員男である。冒険者の方は皆顔が整っている。
近くの席では、四人の少女達が不安そうな表情で成り行きを見守っていた。
こちらもかなりの美人揃いである。
そして、カガリの知った顔であった。
「元クラスメイトと、ファルゼルの王族の子達だ」
召喚されてから追い出されるまでの事を思い出したのか、カガリは顔を青ざめさせた。
髪の色が違うので、顔さえ見られなければカガリだとはたぶんわからないだろう。
「なるほど、あれが。
とりあえず、君は部屋に戻って。
あたしは、料理を部屋に運んでもらうよう頼んでくるから」
「わかった」
レジナにそう指示され、カガリは部屋に戻っていく。
食堂の客席での喧嘩は、他の血の気の多い客も参戦して収拾がつかない。
しかし宿側も慣れているのか、その喧嘩を肴に飲んでいる者達へ注文をとっていたりする。
レジナも、ウェイターの一人をつかまえて料理を注文すると、部屋まで運ぶようにお願いする。
もちろんチップも忘れない。
少し多めのチップに、ニコニコ顔で厨房に引っ込んでいくウェイターを見送った。
それから、近くにいた迷惑そうに喧嘩を見ている客に、何故こんな騒ぎが起こったのか聞いてみる。
それによると、チンピラ達があの美少女達に目をつけてセクハラ行為をしたらしいということだった。
それに男達が激怒。
今に至るというわけである。
レジナが軽く礼を言って、階段を上がる頃には決着がついていた。
美少女達が、冒険者達に近寄って安堵の表情を浮かべ彼らを賞賛していた。
さすがだの、なんだのとお花畑な光景が広がっている。
男達もまんざらどころか得意げである。
「なにあれキモイ」
レジナは無意識にそう呟いた。
可愛い女の子達にチヤホヤされれば悪い気はしないだろうが、彼女達はそもそもなんのためにいるのだろう?
カガリから聞いた話を思い出しながら、そんなことを考える。
冒険者の格好は、少なくともあの少女達にとってはお飾りのようなものなのだろう。
着ているというより着せられている感が半端ない。
あと、カガリの話しにあったように男女でペアを組んでいるようで、お花畑な光景からも察せられるように、所謂男女の関係のように見えた。
「でも、なんでこんなところに」
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