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翌日。
昨日騒ぎとなった街を通り過ぎ、レジナ、カガリ、アーサーの三人は観光名所である村の遺跡が保存されている場所にやってきた。
街から程近いので、カガリとしては王族パーティ連中がいるんじゃないかとヒヤヒヤしていたが、心配は杞憂に終わった。
昨日と違い、今日は今にも降り出しそうなほどの曇り空である。
どんよりとした灰色の雲を何気なく見上げていると、見物料を払ったレジナが声をかけてきた。
「街を通り抜けるときもそうだったけど、どうしたのキョロキョロして?」
「いや、王族パーティの人たちと鉢合わせしたらやだなぁって思って」
「あー、それならたぶん大丈夫だよ」
「どうゆうこと?」
「昨日、あたしが割って入った時に魔法を展開させてたの気づいた?」
「あ、うん。目の色が違ってたから」
「よしよし、観察眼が出来てきたね。
あの時、展開してた魔法は簡単に言うと視覚情報を誤魔化すやつね。
プラス記憶操作。
あの店に集まって来てた人達、憲兵も含めてあたし達の顔を覚えてないよ。
思い出そうとしても、うろ覚えで思い出せないようになってる」
「…………」
「なに?」
「いや、怖いなぁと思って」
「ほら、あたし髪の色も紅でただでさえ目立つからさ。
こういう小細工が大事なんだよね~。
とくに面倒事に首を突っ込む時はさ」
と、そこにアーサーがパンフレットを持ってくる。
どうやら遺跡とは別に、当時の村の光景を再現したエリアがあるらしい。
この遺跡の周囲には有料ということと、保全の目的のためか周囲を高い壁が囲んでいる。
パンフレットに載っている簡易地図によると、出入口は東西南北の四箇所に設置されているようだ。
「で、どっから行くよ?」
「ここ」
アーサーに聞かれて迷うことなく、レジナはパンフレットの地図に描かれたその部分を指した。
そこは、勇者王と出会った村娘の生家を再現した建物だった。
中も再現してあるが、一部にはわざわざガラスケースを設えその中に娘が書き記したとされる日記の複製が飾られていた。
「ほんと、自分のためとはいえ日記を公開されるなんて嫌なもんだね」
レジナが呟きながら、ショルダーバッグから分厚い本を取り出すと開いた。
そして日記と本を見比べ、いや読み比べている。
空模様が怪しいためか、入ったときもそうだったが他に客の姿は無かった。
「レジナは何をしてるんですか?」
年上ということもあり、カガリは丁寧な言葉遣いでアーサーに訊ねる。
「んー、都市伝説の確認かな?」
「都市伝説?」
「宝探しに暗号は付き物だろ?」
「そうなんですか?」
「おいおい、お前の故郷にはそんな楽しみもないのかよ」
アーサーは呆れているようだ。
「んー、ホントかどうかはわからないけれど、というレベルでなら聞いた事があるような、無いような」
曰く、大昔の偉人が書き残した絵画の中には伝説の聖杯にたどり着くためのヒントが隠されてる云々、という内容で小説や映画が作られていたはずである。
そう言えば、受験勉強に必死で映画はおろかレンタルショップにも行っていなかった。
学校に入ってからも進学校ということもあって、子供の頃には楽しんで見ていた特撮ヒーローすら気づけば見なくなっていた。
「そうそう、そういうの。
レジナは、そういう無駄なことを楽しんでんだよ」
言われて何気なく、カガリは日記を凝視するレジナを見た。
眉間に皺が寄っていて、とても楽しそうな表情ではなかった。
どちらかと言うと、真剣な表情と言ったところだ。
「そういや、そのナイフ。
レジナから貰ったのか?」
「あ、はい」
「殺人ピエロのナイフなんて、あいつも趣味が悪いなぁ」
「殺人ピエロ?」
「そのナイフの前の持ち主さ、被害者を襲う時にピエロの格好をしてたらしいんだよ。
だから、殺人ピエロ。今から百年くらい前の連続、いや大量殺人鬼」
「ピエロのことは聞いてないですけど、殺人鬼ってのは聞きました」
「で、かなり腕の良い錬金術士だったみたいだ。
資格持ちじゃなかったけど、魔石加工もなにもせずに、既存のやり方で俺の持ってる神剣に勝るとも劣らない切れ味を持ってるからな」
従来のやり方で、このナイフには失われた魔法技術と同等の機能を持たせることに成功しているらしい。
「それで、その都市伝説って言うのは?」
「んあ?
あー、あの日記には聖剣の在り処だか、勇者王の本当の墓の場所が暗号として書かれてるらしい。
つっても、誰も解読したやつはいないけどな。
そもそも暗号が本当にあるのかすらわからない」
「レジナはそれを信じてるんですか。
嘘かもしれない。無いかもしれないことを」
「んー、違うな。
確かめてるんだよ、本当にあるのか、無いのか。
それを確かめてる。
だから、回り道をする。
先を誰かに越されても、無駄だったとしても、それすらも楽しんでる馬鹿なんだよ、レジナは」
散々な言われようである。
まだ解読には時間が掛かりそうだったので、ほかの展示も見て回る。
ふと、窓の外を見るとどこかで見た八人組がこの建物に向かって歩いてくる所だった。
そのうちの二人ーー昨日の二人であるーーは機嫌が悪そうだ。
「レジナ!レジナ!
大変だ!!パーティが、王族パーティが!」
そうカガリが言うのと、
「もしかして、これってーー!」
レジナが何かに気づいて、そう呟くのと、
「おい! 伏せろ!」
何かに気づいたアーサーが、カガリに飛びかかって床に押し倒したのは同時だった。
直後、建物が激しく揺れたかと思うと破壊された。
天井が落ちてきて、アーサーとカガリが生き埋めになってしまう。
しかし、レジナだけは違った。
まるで蚊をはらうかのように、落ちてきた天井の瓦礫を片手でぺしっとはらった。
「いま、良いところだったのに」
知らず、低い声が出た。
そして、つい先程いきなり出現した気配を探る。
同時に、今度はいつぞやの宿で聞いた少年少女達の声の悲鳴と怒号が彼女の耳に届く。
声のした方へ向きながら、コレクションの一つである武器ーー魔剣を出現させる。
伝説では、魔族の長たる魔王が反逆した同族を屠るために使用したとされる剣である。
その刃は、殺人ピエロのナイフよりも禍々しい闇色に染まっている。
怒号と悲鳴が響く。
何が起きているのか、など考えるだけ時間の無駄である。
剣を鞘から抜き放ち、ゆらり、と騒ぎが大きい方へ足を進める。
屋根が無くなったので、彼女の頭上には相変わらずの曇天が広がっている。
風が吹いて、建物が破壊されたことによって巻き上がった砂塵が晴れる。
その彼女の視線の先には、血の海が広がっていた。
地に倒れ伏しているのは血塗れの八人の少年少女。
それを、無感動に見ている黒い影。
それは、パッと見だと人の形をしていた。
しかし頭には一対の角。背中には三対の黒い鴉を連想させる翼があった。
歴史や伝説の中に度々その姿を見せる存在。
それも、神に仇なす存在として語り継がれてきた、古い言い方をするなら【 悪魔】と呼称されたモノ。
現代での呼び名は、
「魔族」
レジナの呟きが聴こえたのだろう。
魔族が彼女へ振り向いた。
「おや、他にも人間がーー!?!」
魔族は言葉の途中だったが、構わずレジナはその首を落とそうと魔剣を振るった。
しかし、躱される。
すかさず、レジナは魔法を仕掛ける。
「魔滅槍!」
いくつもの闇色の円錐が出現して、魔族を貫こうとするが回避されてしまう。
「ちっ」
レジナは舌打ちして、続いて魔法を放つ。
「魔滅業火!」
やはり闇色の爆煙が起こり、魔族を飲み込むが。
「いきなり、酷いだろう?」
聞き覚えのない声が、レジナの背後から聴こえた。
しかし、レジナの反応も早かった。
声がすると同時に、その場所を薙いだ。
が、空振りに終わる。
「危ない危ない。その剣ーー嫌な感じだな。
まぁ、でも仕事は終わったし余計なことはしない方がいいか」
なんてことを呟いたかと思うと、指をパチンと鳴らして消えてしまう。
レジナは、気配を探り、どうやら本当に魔族の気配が完全に消えていることを確認して息を吐き出した。
昨日騒ぎとなった街を通り過ぎ、レジナ、カガリ、アーサーの三人は観光名所である村の遺跡が保存されている場所にやってきた。
街から程近いので、カガリとしては王族パーティ連中がいるんじゃないかとヒヤヒヤしていたが、心配は杞憂に終わった。
昨日と違い、今日は今にも降り出しそうなほどの曇り空である。
どんよりとした灰色の雲を何気なく見上げていると、見物料を払ったレジナが声をかけてきた。
「街を通り抜けるときもそうだったけど、どうしたのキョロキョロして?」
「いや、王族パーティの人たちと鉢合わせしたらやだなぁって思って」
「あー、それならたぶん大丈夫だよ」
「どうゆうこと?」
「昨日、あたしが割って入った時に魔法を展開させてたの気づいた?」
「あ、うん。目の色が違ってたから」
「よしよし、観察眼が出来てきたね。
あの時、展開してた魔法は簡単に言うと視覚情報を誤魔化すやつね。
プラス記憶操作。
あの店に集まって来てた人達、憲兵も含めてあたし達の顔を覚えてないよ。
思い出そうとしても、うろ覚えで思い出せないようになってる」
「…………」
「なに?」
「いや、怖いなぁと思って」
「ほら、あたし髪の色も紅でただでさえ目立つからさ。
こういう小細工が大事なんだよね~。
とくに面倒事に首を突っ込む時はさ」
と、そこにアーサーがパンフレットを持ってくる。
どうやら遺跡とは別に、当時の村の光景を再現したエリアがあるらしい。
この遺跡の周囲には有料ということと、保全の目的のためか周囲を高い壁が囲んでいる。
パンフレットに載っている簡易地図によると、出入口は東西南北の四箇所に設置されているようだ。
「で、どっから行くよ?」
「ここ」
アーサーに聞かれて迷うことなく、レジナはパンフレットの地図に描かれたその部分を指した。
そこは、勇者王と出会った村娘の生家を再現した建物だった。
中も再現してあるが、一部にはわざわざガラスケースを設えその中に娘が書き記したとされる日記の複製が飾られていた。
「ほんと、自分のためとはいえ日記を公開されるなんて嫌なもんだね」
レジナが呟きながら、ショルダーバッグから分厚い本を取り出すと開いた。
そして日記と本を見比べ、いや読み比べている。
空模様が怪しいためか、入ったときもそうだったが他に客の姿は無かった。
「レジナは何をしてるんですか?」
年上ということもあり、カガリは丁寧な言葉遣いでアーサーに訊ねる。
「んー、都市伝説の確認かな?」
「都市伝説?」
「宝探しに暗号は付き物だろ?」
「そうなんですか?」
「おいおい、お前の故郷にはそんな楽しみもないのかよ」
アーサーは呆れているようだ。
「んー、ホントかどうかはわからないけれど、というレベルでなら聞いた事があるような、無いような」
曰く、大昔の偉人が書き残した絵画の中には伝説の聖杯にたどり着くためのヒントが隠されてる云々、という内容で小説や映画が作られていたはずである。
そう言えば、受験勉強に必死で映画はおろかレンタルショップにも行っていなかった。
学校に入ってからも進学校ということもあって、子供の頃には楽しんで見ていた特撮ヒーローすら気づけば見なくなっていた。
「そうそう、そういうの。
レジナは、そういう無駄なことを楽しんでんだよ」
言われて何気なく、カガリは日記を凝視するレジナを見た。
眉間に皺が寄っていて、とても楽しそうな表情ではなかった。
どちらかと言うと、真剣な表情と言ったところだ。
「そういや、そのナイフ。
レジナから貰ったのか?」
「あ、はい」
「殺人ピエロのナイフなんて、あいつも趣味が悪いなぁ」
「殺人ピエロ?」
「そのナイフの前の持ち主さ、被害者を襲う時にピエロの格好をしてたらしいんだよ。
だから、殺人ピエロ。今から百年くらい前の連続、いや大量殺人鬼」
「ピエロのことは聞いてないですけど、殺人鬼ってのは聞きました」
「で、かなり腕の良い錬金術士だったみたいだ。
資格持ちじゃなかったけど、魔石加工もなにもせずに、既存のやり方で俺の持ってる神剣に勝るとも劣らない切れ味を持ってるからな」
従来のやり方で、このナイフには失われた魔法技術と同等の機能を持たせることに成功しているらしい。
「それで、その都市伝説って言うのは?」
「んあ?
あー、あの日記には聖剣の在り処だか、勇者王の本当の墓の場所が暗号として書かれてるらしい。
つっても、誰も解読したやつはいないけどな。
そもそも暗号が本当にあるのかすらわからない」
「レジナはそれを信じてるんですか。
嘘かもしれない。無いかもしれないことを」
「んー、違うな。
確かめてるんだよ、本当にあるのか、無いのか。
それを確かめてる。
だから、回り道をする。
先を誰かに越されても、無駄だったとしても、それすらも楽しんでる馬鹿なんだよ、レジナは」
散々な言われようである。
まだ解読には時間が掛かりそうだったので、ほかの展示も見て回る。
ふと、窓の外を見るとどこかで見た八人組がこの建物に向かって歩いてくる所だった。
そのうちの二人ーー昨日の二人であるーーは機嫌が悪そうだ。
「レジナ!レジナ!
大変だ!!パーティが、王族パーティが!」
そうカガリが言うのと、
「もしかして、これってーー!」
レジナが何かに気づいて、そう呟くのと、
「おい! 伏せろ!」
何かに気づいたアーサーが、カガリに飛びかかって床に押し倒したのは同時だった。
直後、建物が激しく揺れたかと思うと破壊された。
天井が落ちてきて、アーサーとカガリが生き埋めになってしまう。
しかし、レジナだけは違った。
まるで蚊をはらうかのように、落ちてきた天井の瓦礫を片手でぺしっとはらった。
「いま、良いところだったのに」
知らず、低い声が出た。
そして、つい先程いきなり出現した気配を探る。
同時に、今度はいつぞやの宿で聞いた少年少女達の声の悲鳴と怒号が彼女の耳に届く。
声のした方へ向きながら、コレクションの一つである武器ーー魔剣を出現させる。
伝説では、魔族の長たる魔王が反逆した同族を屠るために使用したとされる剣である。
その刃は、殺人ピエロのナイフよりも禍々しい闇色に染まっている。
怒号と悲鳴が響く。
何が起きているのか、など考えるだけ時間の無駄である。
剣を鞘から抜き放ち、ゆらり、と騒ぎが大きい方へ足を進める。
屋根が無くなったので、彼女の頭上には相変わらずの曇天が広がっている。
風が吹いて、建物が破壊されたことによって巻き上がった砂塵が晴れる。
その彼女の視線の先には、血の海が広がっていた。
地に倒れ伏しているのは血塗れの八人の少年少女。
それを、無感動に見ている黒い影。
それは、パッと見だと人の形をしていた。
しかし頭には一対の角。背中には三対の黒い鴉を連想させる翼があった。
歴史や伝説の中に度々その姿を見せる存在。
それも、神に仇なす存在として語り継がれてきた、古い言い方をするなら【 悪魔】と呼称されたモノ。
現代での呼び名は、
「魔族」
レジナの呟きが聴こえたのだろう。
魔族が彼女へ振り向いた。
「おや、他にも人間がーー!?!」
魔族は言葉の途中だったが、構わずレジナはその首を落とそうと魔剣を振るった。
しかし、躱される。
すかさず、レジナは魔法を仕掛ける。
「魔滅槍!」
いくつもの闇色の円錐が出現して、魔族を貫こうとするが回避されてしまう。
「ちっ」
レジナは舌打ちして、続いて魔法を放つ。
「魔滅業火!」
やはり闇色の爆煙が起こり、魔族を飲み込むが。
「いきなり、酷いだろう?」
聞き覚えのない声が、レジナの背後から聴こえた。
しかし、レジナの反応も早かった。
声がすると同時に、その場所を薙いだ。
が、空振りに終わる。
「危ない危ない。その剣ーー嫌な感じだな。
まぁ、でも仕事は終わったし余計なことはしない方がいいか」
なんてことを呟いたかと思うと、指をパチンと鳴らして消えてしまう。
レジナは、気配を探り、どうやら本当に魔族の気配が完全に消えていることを確認して息を吐き出した。
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