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「聖剣と聖杯はどうすんだよ?」
レジナの言葉に、アーサーが突っ込む。
なんの事かわからないカガリは首を傾げるだけだ。
「かりす?」
「んふふふ♡」
不気味な笑い声を漏らしながら、レジナは指を振った。
すると、数枚の紙が出現する。
「これ、なーんだ?」
それは、勇者王の最初の仲間であり、後に妻となったとされる少女が書き残した日記の複製だった。
「おま、パクってきたのか?!」
アーサーが顔色を変える。
カガリもだ。
「失敬な。火の手が回りそうだったから自主的に保護したの。
ボランティアよボランティア。
等価交換であたしの買い物メモが燃えちゃったから捨ててきたけど、それをあの観光地の職員さん達が見て、どう考えたかまではわからないけど」
どうやら、指名手配の原因ではないようだが、そういう問題ではない。
「この日記が初期と晩年のもので助かった。
ここにゴブレットって書かれてるでしょ?
これが聖杯のこと。
で、その横に勇者王の葬式のことが書かれてる。
聖剣を棺とと共に収めた、とも」
楽しげに話すレジナを見て、カガリは気づいた。
彼女の左手に、包帯が巻いてあったのだ。
「手、どうしたの?」
言われて、レジナは左手をヒラヒラさせる。
「ちょっとミスって切った。
血は止まってるし、処置もしたから、包帯は大袈裟になるから嫌だよ。
動かし難くなるし」
なんてことないらしい。
利き手が右だから庇うかしたのだろうか。
さらに聞こうとしたが、それはアーサーによって遮られた。
「そいつの怪我は自業自得だ。
そんなことよりも、伝説の武器の行方だ。
何処にあるんだ?」
「聖杯は、勇者王の死後に国外に持ち出されたみたい。
当時あったとされてる聖王帝国の寺院に安置されることが決まったみたい」
「これまた伝説の国ってやつか」
「聖王帝国って?」
よくわからないカガリが質問する。
答えたのはレジナだった。
「当時この大陸全土で信仰されてた宗教の総本山の国の名前ね。
宗教国家ってやつ。
勇者王の仲間だった神官が所属してた組織でもある。
今は形を変えて信仰も宗教も続いてるけど、聖王帝国は千年くらい栄華を極めて滅んでる。
光魔法がめっちゃ研究されててヤバいくらい発達してたらしいよ」
とにかく、そういう国があったらしい。
「遺跡も見つかってないから、どこにあったのかわからない。
でも、いろんな文献には出てくるから実在した国らしい」
アーサーが補足する。
「女性が統治してたことでも有名な国だよ」
「女王が支配してたってこと?」
「そう。巫女な。
聖王帝国だと、女性はどんな魔法や錬金術でも禁忌とされてた人体、人間を生み出せるってことで神聖視されてたんだ。
ただ、女王は信仰する神と契るため、処女であることが求められた。
だから、王位継承は世襲制ではなくより能力が優れてる者から選ばれていたらしい。
女性の社会進出も、他国に比べて活発で。
共働きもそうだけど、女が外で働き男が家を守るっていう逆転現象もあったとか」
「……国が滅んで、未だに見つかってないのによく史料とか文献が残ってたね」
これには、レジナが答えた。
「その国が無くても、交流してた他の国に文献が残ってたりしたから。
その他の国の遺跡が発掘されて、貿易のやり取りの記録とかが出てきて調べたら、当時の様子が分かったらしいよ」
そういえば、国ではないがカガリの故郷である世界では、カガリがこちらに転移して来る前に彼のSNSに似たような話が流れてきたな、と思い出した。
「なんか、新撰組の話みたいだ」
「しんせんぐみ?」
レジナがオウム返しに口にした。
「なんだそれ?」
カガリは、新撰組について知ってる限りの簡単な説明をする。
「へえ! そんな人達がいたんだ」
説明を聞いて、レジナがキラキラとビー玉のように目を輝かせる。
「で、後世にはその人達の伝説がお芝居や読み物になってたりするんだ!」
絵本をせがむ幼児のような、無邪気な笑顔であるレジナとは反対にアーサーは真顔で言った。
「世界は違えど、そういう騎士物語ってどこにでもあるんだな」
新撰組の話が騎士物語と変換されて、カガリは奇妙な違和感を覚えた。
「つまんない世界かと思ってたけど、ちゃんと娯楽あるんじゃん!」
そういえばそうか、とカガリは思い直す。
なんだかんだで、娯楽はあったのだ。
「でもおもしろいね。誰でも情報を共有する道具を持ってて、そこに流れてきたってのがまた」
カガリの使用してたSNSに流れてきた新撰組の話のことである。
それは、新撰組の屯所の隣に住んでいた少女が記した日記らしきものがでてきたことで分かったことなのだが、その孫であり同じSNSを使用していた人物が押し入れの奥から発見したそれを歴史的に価値があるかもしれないと考え鑑定にだした。
そして、わかったのはそれは日記ではなく土方歳三と沖田総司の官能小説だったということだ。
「身辺整理はちゃんとしておくほうがいいな」
アーサーが神妙な面持ちで呟いた。
ちなみに、そのSNSでも言われたことだが、いわゆる腐女子なる存在は過去にもたしかに存在していた、ということだ。
「でも、いつでもどこでも繋がることが出来るのは、やっぱり窮屈だ」
「話を戻すけどよ、その墓は結局どこなんだよ?」
アーサーに言われ、レジナはあの分厚い本を取り出す。
それと日記を並べて、口を開いた。
「この日記には、神の世界に近き場所って書かれてる。
まぁフィストリア山脈のことなんだけど。
で、いろんな研究者や冒険者、はたまた各国がフィストリア山脈に調査に入ったり、探索隊を送り込んでる。
でも、フィストリア山脈は所謂帰らずの山だからね。
そもそも誰の領地でもないから、基本好き勝手できるんだけどさ」
「持ち主がいないの?」
「そ、フィストリア山脈は絶対不可侵の聖域だから。
なにしろ、神様の土地だと言われてるし」
絶対不可侵の聖域なのに、調査隊を送り込んだんか。
そう思ったが、カガリは口に出さなかった。
「神を恐れない人間ってのは、昔から一定数いるからなぁ」
アーサーの苦笑にレジナもつられる。
「ま、その神様を怖がらずにこれから行こうとしてるのが、あたし達なんだけどさ」
「でもよ、フィストリア山脈は広いぞ?
どこをどう探すんだ?
それなりの準備もしないとだから、行く先々で装備も整えないとだし。
俺はともかくお前らは街に入れないだろ」
なにしろ絶賛指名手配中で、あちこちに手配書がまわっているはずだ。
それに、先程の騒動によってアーサーの手配書もまわりかねない。
「手配書に関しては、俺も心配しないとだけど」
「視覚操作と記憶操作、あとは簡単な幻術でそれはなんとかなるけど。
不意打ちじゃないと意味がないし、場所によっては【無効】の魔法が展開してるだろうしなあ」
防犯のために魔法を無効化する術式が設置してある場所が、たまに有るのだ。
「あとは、こっからフィストリア山脈まで徒歩で行くとなるとかなり骨だぞ。
徒歩と乗り合い馬車やら乗り継いで、2ヶ月ってところか」
「そんなにかかるんだ」
「指名手配中で大きな街道を行けないからな。
山や森の中を突っ切って、遠回りしながら行くことになるから、実際にはもっとかかるだろうし」
「物自体はあたしが無限収納できるから気にしなくていい、問題は食べ物だよ。
節約できるのは節約しないとだから、次の街か村に出るまでは狩りをしないと」
買い出しをする前に、あの騒動となったのだ。
そこで、レジナがカガリを見つめて訊ねた。
「そう言えば、君は虫とか食べれる人?」
レジナの言葉に、アーサーが突っ込む。
なんの事かわからないカガリは首を傾げるだけだ。
「かりす?」
「んふふふ♡」
不気味な笑い声を漏らしながら、レジナは指を振った。
すると、数枚の紙が出現する。
「これ、なーんだ?」
それは、勇者王の最初の仲間であり、後に妻となったとされる少女が書き残した日記の複製だった。
「おま、パクってきたのか?!」
アーサーが顔色を変える。
カガリもだ。
「失敬な。火の手が回りそうだったから自主的に保護したの。
ボランティアよボランティア。
等価交換であたしの買い物メモが燃えちゃったから捨ててきたけど、それをあの観光地の職員さん達が見て、どう考えたかまではわからないけど」
どうやら、指名手配の原因ではないようだが、そういう問題ではない。
「この日記が初期と晩年のもので助かった。
ここにゴブレットって書かれてるでしょ?
これが聖杯のこと。
で、その横に勇者王の葬式のことが書かれてる。
聖剣を棺とと共に収めた、とも」
楽しげに話すレジナを見て、カガリは気づいた。
彼女の左手に、包帯が巻いてあったのだ。
「手、どうしたの?」
言われて、レジナは左手をヒラヒラさせる。
「ちょっとミスって切った。
血は止まってるし、処置もしたから、包帯は大袈裟になるから嫌だよ。
動かし難くなるし」
なんてことないらしい。
利き手が右だから庇うかしたのだろうか。
さらに聞こうとしたが、それはアーサーによって遮られた。
「そいつの怪我は自業自得だ。
そんなことよりも、伝説の武器の行方だ。
何処にあるんだ?」
「聖杯は、勇者王の死後に国外に持ち出されたみたい。
当時あったとされてる聖王帝国の寺院に安置されることが決まったみたい」
「これまた伝説の国ってやつか」
「聖王帝国って?」
よくわからないカガリが質問する。
答えたのはレジナだった。
「当時この大陸全土で信仰されてた宗教の総本山の国の名前ね。
宗教国家ってやつ。
勇者王の仲間だった神官が所属してた組織でもある。
今は形を変えて信仰も宗教も続いてるけど、聖王帝国は千年くらい栄華を極めて滅んでる。
光魔法がめっちゃ研究されててヤバいくらい発達してたらしいよ」
とにかく、そういう国があったらしい。
「遺跡も見つかってないから、どこにあったのかわからない。
でも、いろんな文献には出てくるから実在した国らしい」
アーサーが補足する。
「女性が統治してたことでも有名な国だよ」
「女王が支配してたってこと?」
「そう。巫女な。
聖王帝国だと、女性はどんな魔法や錬金術でも禁忌とされてた人体、人間を生み出せるってことで神聖視されてたんだ。
ただ、女王は信仰する神と契るため、処女であることが求められた。
だから、王位継承は世襲制ではなくより能力が優れてる者から選ばれていたらしい。
女性の社会進出も、他国に比べて活発で。
共働きもそうだけど、女が外で働き男が家を守るっていう逆転現象もあったとか」
「……国が滅んで、未だに見つかってないのによく史料とか文献が残ってたね」
これには、レジナが答えた。
「その国が無くても、交流してた他の国に文献が残ってたりしたから。
その他の国の遺跡が発掘されて、貿易のやり取りの記録とかが出てきて調べたら、当時の様子が分かったらしいよ」
そういえば、国ではないがカガリの故郷である世界では、カガリがこちらに転移して来る前に彼のSNSに似たような話が流れてきたな、と思い出した。
「なんか、新撰組の話みたいだ」
「しんせんぐみ?」
レジナがオウム返しに口にした。
「なんだそれ?」
カガリは、新撰組について知ってる限りの簡単な説明をする。
「へえ! そんな人達がいたんだ」
説明を聞いて、レジナがキラキラとビー玉のように目を輝かせる。
「で、後世にはその人達の伝説がお芝居や読み物になってたりするんだ!」
絵本をせがむ幼児のような、無邪気な笑顔であるレジナとは反対にアーサーは真顔で言った。
「世界は違えど、そういう騎士物語ってどこにでもあるんだな」
新撰組の話が騎士物語と変換されて、カガリは奇妙な違和感を覚えた。
「つまんない世界かと思ってたけど、ちゃんと娯楽あるんじゃん!」
そういえばそうか、とカガリは思い直す。
なんだかんだで、娯楽はあったのだ。
「でもおもしろいね。誰でも情報を共有する道具を持ってて、そこに流れてきたってのがまた」
カガリの使用してたSNSに流れてきた新撰組の話のことである。
それは、新撰組の屯所の隣に住んでいた少女が記した日記らしきものがでてきたことで分かったことなのだが、その孫であり同じSNSを使用していた人物が押し入れの奥から発見したそれを歴史的に価値があるかもしれないと考え鑑定にだした。
そして、わかったのはそれは日記ではなく土方歳三と沖田総司の官能小説だったということだ。
「身辺整理はちゃんとしておくほうがいいな」
アーサーが神妙な面持ちで呟いた。
ちなみに、そのSNSでも言われたことだが、いわゆる腐女子なる存在は過去にもたしかに存在していた、ということだ。
「でも、いつでもどこでも繋がることが出来るのは、やっぱり窮屈だ」
「話を戻すけどよ、その墓は結局どこなんだよ?」
アーサーに言われ、レジナはあの分厚い本を取り出す。
それと日記を並べて、口を開いた。
「この日記には、神の世界に近き場所って書かれてる。
まぁフィストリア山脈のことなんだけど。
で、いろんな研究者や冒険者、はたまた各国がフィストリア山脈に調査に入ったり、探索隊を送り込んでる。
でも、フィストリア山脈は所謂帰らずの山だからね。
そもそも誰の領地でもないから、基本好き勝手できるんだけどさ」
「持ち主がいないの?」
「そ、フィストリア山脈は絶対不可侵の聖域だから。
なにしろ、神様の土地だと言われてるし」
絶対不可侵の聖域なのに、調査隊を送り込んだんか。
そう思ったが、カガリは口に出さなかった。
「神を恐れない人間ってのは、昔から一定数いるからなぁ」
アーサーの苦笑にレジナもつられる。
「ま、その神様を怖がらずにこれから行こうとしてるのが、あたし達なんだけどさ」
「でもよ、フィストリア山脈は広いぞ?
どこをどう探すんだ?
それなりの準備もしないとだから、行く先々で装備も整えないとだし。
俺はともかくお前らは街に入れないだろ」
なにしろ絶賛指名手配中で、あちこちに手配書がまわっているはずだ。
それに、先程の騒動によってアーサーの手配書もまわりかねない。
「手配書に関しては、俺も心配しないとだけど」
「視覚操作と記憶操作、あとは簡単な幻術でそれはなんとかなるけど。
不意打ちじゃないと意味がないし、場所によっては【無効】の魔法が展開してるだろうしなあ」
防犯のために魔法を無効化する術式が設置してある場所が、たまに有るのだ。
「あとは、こっからフィストリア山脈まで徒歩で行くとなるとかなり骨だぞ。
徒歩と乗り合い馬車やら乗り継いで、2ヶ月ってところか」
「そんなにかかるんだ」
「指名手配中で大きな街道を行けないからな。
山や森の中を突っ切って、遠回りしながら行くことになるから、実際にはもっとかかるだろうし」
「物自体はあたしが無限収納できるから気にしなくていい、問題は食べ物だよ。
節約できるのは節約しないとだから、次の街か村に出るまでは狩りをしないと」
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