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16歳の異世界転移
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「ついでだ、私の頼みも聞いてくれると嬉しい」
そう、シェリルは切り出した。
「頼み??」
「女神からアキラ君の監視役を頼まれただろう??」
「…………」
「それが無くても、お前はあの子をストーキングするからな。
どの世界線でも、それは変わらなかった。
いいや、お前だけじゃない。
なにも変わっちゃいない。
変わったのは、アキラ君がこの世界に来たタイミングだ」
「さっきから何を言って」
「あの子は、本来なら二十歳になる前、十九歳の時にここに来るはずだった。
この、世界にだ」
エドにお構いなく、シェリルは続けた。
「お前と出会うのはもっと後だった。
それなのに、この世界線では何もかもが違っている。
女神ですら、把握出来ていないことが起こっている。
だから、女神はお前を監視役に選んだ。
女神も言っていただろう?
お前はアキラ君を愛してしまう。
どの世界線でも、それは変わらない」
そこで、一度シェリルはため息を吐き出す。
「【愛して愛して愛して愛して。愛愛愛愛愛愛】
お前は、この言葉を聞いたんだろう?
アキラ君が壊れる至った理由であり。
欲しても決して手に入れることのない、それ。
そして、狂っている原因でもある、【愛】を、他ならないアキラ君の中に見た、そして聞いたはずだ」
シェリルに言われ、思い出す。
エドが初めて、あの子供、アキラと出会った時に見た彼の精神の中は、まさにその言葉で埋めつくされていた。
愛が欲しい。
愛が欲しい。
愛して。
愛して。
愛愛愛愛愛愛愛。
そんな言葉で埋め尽くされた、壊れた世界がアキラの中にあった。
だから、欲しいと思った。
だから、食いたいと思った。
しかし、それを邪魔されたのだ。
ウィルに邪魔されたのだ。
「それをお前が知るタイミングだって、そもそも違うんだ。
何もかもが違うんだ。
だからこそ、知りたい。
この世界で、今、なにが起きているのか?
もしくは、起きようとしているのか?
私も知りたいんだ。
私もそれが知りたいんだ。
なにしろ傍観しかしてこなかったはずの女神が、動いている異常事態だ。
本来起こるべきことが起こらず、新しい流れになっている。
一見すると、それはとても良いことなのかもしれない。
そして、なにも起きていないように見える。
けれど、これは異常なことだ。
お前に言ったところで理解はされないだろうけれどな」
シェリルは真っ直ぐ、エドを見た。
そして、
「おそらくだが、このシナリオを書いたやつがいるはずだ」
「だから、あの子供を監視しろと?」
「お前はアキラ君のことが好きだろう?
そして、この世界線でもお前は彼を愛してしまった。
その推し活のついでに、何が彼に起きているのか、また起きたのか、私にも報告してもらう。
それだけだ」
言い終わると、シェリルはエドの瞳を覗き込んだ。
「この世界に異物が紛れ込んでいる。
だからこそ、この瞳をエドに埋め込んだんだろう?
その異物を見つけ出すために」
シェリルは、瞳越しにエドではない存在へとそう問うた。
だが、なんの反応も返ってこなかった。
そう、シェリルは切り出した。
「頼み??」
「女神からアキラ君の監視役を頼まれただろう??」
「…………」
「それが無くても、お前はあの子をストーキングするからな。
どの世界線でも、それは変わらなかった。
いいや、お前だけじゃない。
なにも変わっちゃいない。
変わったのは、アキラ君がこの世界に来たタイミングだ」
「さっきから何を言って」
「あの子は、本来なら二十歳になる前、十九歳の時にここに来るはずだった。
この、世界にだ」
エドにお構いなく、シェリルは続けた。
「お前と出会うのはもっと後だった。
それなのに、この世界線では何もかもが違っている。
女神ですら、把握出来ていないことが起こっている。
だから、女神はお前を監視役に選んだ。
女神も言っていただろう?
お前はアキラ君を愛してしまう。
どの世界線でも、それは変わらない」
そこで、一度シェリルはため息を吐き出す。
「【愛して愛して愛して愛して。愛愛愛愛愛愛】
お前は、この言葉を聞いたんだろう?
アキラ君が壊れる至った理由であり。
欲しても決して手に入れることのない、それ。
そして、狂っている原因でもある、【愛】を、他ならないアキラ君の中に見た、そして聞いたはずだ」
シェリルに言われ、思い出す。
エドが初めて、あの子供、アキラと出会った時に見た彼の精神の中は、まさにその言葉で埋めつくされていた。
愛が欲しい。
愛が欲しい。
愛して。
愛して。
愛愛愛愛愛愛愛。
そんな言葉で埋め尽くされた、壊れた世界がアキラの中にあった。
だから、欲しいと思った。
だから、食いたいと思った。
しかし、それを邪魔されたのだ。
ウィルに邪魔されたのだ。
「それをお前が知るタイミングだって、そもそも違うんだ。
何もかもが違うんだ。
だからこそ、知りたい。
この世界で、今、なにが起きているのか?
もしくは、起きようとしているのか?
私も知りたいんだ。
私もそれが知りたいんだ。
なにしろ傍観しかしてこなかったはずの女神が、動いている異常事態だ。
本来起こるべきことが起こらず、新しい流れになっている。
一見すると、それはとても良いことなのかもしれない。
そして、なにも起きていないように見える。
けれど、これは異常なことだ。
お前に言ったところで理解はされないだろうけれどな」
シェリルは真っ直ぐ、エドを見た。
そして、
「おそらくだが、このシナリオを書いたやつがいるはずだ」
「だから、あの子供を監視しろと?」
「お前はアキラ君のことが好きだろう?
そして、この世界線でもお前は彼を愛してしまった。
その推し活のついでに、何が彼に起きているのか、また起きたのか、私にも報告してもらう。
それだけだ」
言い終わると、シェリルはエドの瞳を覗き込んだ。
「この世界に異物が紛れ込んでいる。
だからこそ、この瞳をエドに埋め込んだんだろう?
その異物を見つけ出すために」
シェリルは、瞳越しにエドではない存在へとそう問うた。
だが、なんの反応も返ってこなかった。
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