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第一章
始まり①
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「深夜32時」といえば聞こえはいいが、朝の8時。
高坂 真は今日も日課を終える。
朝の8時に日課を終えるってのも変な話だ。
だって考えてもみてくれ。
朝の8時といえば、世の中の大体の社会人は出社し、学生は登校だ。世の中の奥様は子供を送り出して、せっせと家事に勤しむ。外から聞こえるのは幼稚園児を迎えに来たバスの音や、それに乗り込む元気な子供達の声。
それこそこんな時間に日課を終えると言えば、夜勤や夜職でお疲れな方々であろう。
そう、だから俺も疲れている。
寝ずにネットゲームという勤労に、言葉通り明け暮れていたのだから。
ふぁーと欠伸をし、身体をグッと伸ばす。
生活リズム?健康?そんなの知ったことか。
ディスプレイの電源が落ちると共に、中途半端に伸びたヒゲの色白の…あまり認めたくはないのだが、おっさん一歩手前の俺の姿が映る。
そんな身だしなみの一つすらない自分自身に、毎度ちょっとした失望をするのだが、でもしょうがない。こうやって生きてくしか俺には選択肢がないのだから。
夜食に食べたカップラーメンの空きをゴミ捨てにポイッと投げ込む。これまた力加減が難しい。
んー…ほらね、外した。
まぁ、どうせ汚い床だ。ロクに足場もない。
これ以上は汚くなりようがないんだから、床にもカップラーメンの残り汁をおすそ分け。
どうだ?美味しいか?味わって食べてくれ、なけなしのカップラーメンなんだからな。
そんな自虐的なことを考えながらベッドへと潜り込む。
明日は何時に起きようか。レイドもない、ゲーム更新もない。
特に何もないなら…そうだな、18時くらいでいいか。
俺は10時間後にスマホのアラームをセットして、目を閉じる。
まぁ、実際にアラームが鳴ったからといって起きる保証はないのだけれど。
さて…今日はどんなASMRで安眠と洒落込もうか。
この前聞いた、看護婦さんが添い寝してくれるのは良かったな…
逆に、美容師さんが優しくシャンプーしてくれるのは微妙だった。
お、今日はこれにしよう。
「優しいお姉さんと生意気なツンデレ妹に挟まれて安眠」
典型的な王道とバカにする人もいるが、実際、王道と言われる理由がそこにあるのだ。
ということでおやすみ、クソッタレな世界。
願わくば、2度と目覚めることがありませんように。
少しづつ意識が微睡んでいく。
右耳から聞こえる柔らかい声。
「お姉ちゃんが一緒に寝てあげるからね?ぎゅーってしようね?」
左耳から聞こえるちょっときつい声。
「もう!お姉ちゃんばっかずるい!私だってもう大人なんだから!」
日々の殺伐としたゲーム世界に身を置く者としては至福の時である。
そして…ゆっくりゆっくりと…意識は遠のく。
その日、高坂 真は、その希望通りに帰らぬ人となった。
ただし…「この世界では」という枕詞を忘れずに。
高坂 真は今日も日課を終える。
朝の8時に日課を終えるってのも変な話だ。
だって考えてもみてくれ。
朝の8時といえば、世の中の大体の社会人は出社し、学生は登校だ。世の中の奥様は子供を送り出して、せっせと家事に勤しむ。外から聞こえるのは幼稚園児を迎えに来たバスの音や、それに乗り込む元気な子供達の声。
それこそこんな時間に日課を終えると言えば、夜勤や夜職でお疲れな方々であろう。
そう、だから俺も疲れている。
寝ずにネットゲームという勤労に、言葉通り明け暮れていたのだから。
ふぁーと欠伸をし、身体をグッと伸ばす。
生活リズム?健康?そんなの知ったことか。
ディスプレイの電源が落ちると共に、中途半端に伸びたヒゲの色白の…あまり認めたくはないのだが、おっさん一歩手前の俺の姿が映る。
そんな身だしなみの一つすらない自分自身に、毎度ちょっとした失望をするのだが、でもしょうがない。こうやって生きてくしか俺には選択肢がないのだから。
夜食に食べたカップラーメンの空きをゴミ捨てにポイッと投げ込む。これまた力加減が難しい。
んー…ほらね、外した。
まぁ、どうせ汚い床だ。ロクに足場もない。
これ以上は汚くなりようがないんだから、床にもカップラーメンの残り汁をおすそ分け。
どうだ?美味しいか?味わって食べてくれ、なけなしのカップラーメンなんだからな。
そんな自虐的なことを考えながらベッドへと潜り込む。
明日は何時に起きようか。レイドもない、ゲーム更新もない。
特に何もないなら…そうだな、18時くらいでいいか。
俺は10時間後にスマホのアラームをセットして、目を閉じる。
まぁ、実際にアラームが鳴ったからといって起きる保証はないのだけれど。
さて…今日はどんなASMRで安眠と洒落込もうか。
この前聞いた、看護婦さんが添い寝してくれるのは良かったな…
逆に、美容師さんが優しくシャンプーしてくれるのは微妙だった。
お、今日はこれにしよう。
「優しいお姉さんと生意気なツンデレ妹に挟まれて安眠」
典型的な王道とバカにする人もいるが、実際、王道と言われる理由がそこにあるのだ。
ということでおやすみ、クソッタレな世界。
願わくば、2度と目覚めることがありませんように。
少しづつ意識が微睡んでいく。
右耳から聞こえる柔らかい声。
「お姉ちゃんが一緒に寝てあげるからね?ぎゅーってしようね?」
左耳から聞こえるちょっときつい声。
「もう!お姉ちゃんばっかずるい!私だってもう大人なんだから!」
日々の殺伐としたゲーム世界に身を置く者としては至福の時である。
そして…ゆっくりゆっくりと…意識は遠のく。
その日、高坂 真は、その希望通りに帰らぬ人となった。
ただし…「この世界では」という枕詞を忘れずに。
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