異世界の救世主になろう!~主役はやっぱり勇者だ~

☆ウパ☆

文字の大きさ
12 / 60
本編

11

しおりを挟む
「全く、言い方悪すぎだろ」

ユージンが透に頼んだのはさりげなく神器のありかを聞きだすことだった。

「でも、リアルだと俺のテクは通用したけどこっちだと使えるかわかんねーんだよな」

一方ユージン達は後ろからターゲットを定めている透を見守っていた。

「そんなに凄いんですか、透様は」
「ああ悔しいけど凄い」
「それしか取り柄ないからね、あいつ」
「あ、動いた」

どうやら相手を見つけたらしい。

「ネロ、この国は既婚者とかが分かる特徴とかないのか」
「既婚者は大体が指輪を付けると思いますが」
「そこのところは日本と同じなんだな」
「あ!一気に三人に話しかけてる」
「大丈夫だろ、あいつは多人数の方が力を発揮しやすい。」
「ただ、こっちの世界で透の技が通用するか心配」

そんな中ユージンは気になることがあった。

「それより天、お前それ隠れきれてないからね?アニメでしか見たことないわ」

天井は先に葉の付いた小枝を二本顔の横に付けている状態だった。

「そうかな」

しばらく様子をみていると最初知らない男に話し掛けられた女性達はとても警戒していたが今は仲良く談笑している。そして、透はというと、こちらに手をグッドにして送ってきた。

「大丈夫そうだな」
「種族間も関係ないのかあいつは。もしかしたらホントは凄い奴なのか」
「どうやら既婚者の方もいるようですね」
「心なしか、女の人達が頬を赤くしてるようにみえる」
「あ、また2人来ました。」

透が話ていると村の女達はどんどん集まってきた。

「(これくらいなら良いかな)そうなんですか~僕もなんです~。そういえば皆さんたくましい旦那様をお持ちの方もいらっしゃいますよね?」
「既婚者は嫌い~?」
「あたし、トオルさんのような人と結婚すれば良かった~」
「今、お付き合いされてる方とかいらっしゃるの~?」

「あの女達完全に手駒だな」

うん、確かに。と遠くから見て関心してしまう4人だった。

「ホントに惜しい事しましたよ、まさかこんなにたくさん綺麗な方達がいたなんて、旦那様方がうらやましい!残念な事に今はお付き合いしている女性はいないんですよ」
「ええ!?ホントに~?!」
「はい!はい!私結婚してなーい!!」
「私も!私も空いてる!」
「あんた結婚してるでしょ!それより、私よ!」
「ハハハ皆さん元気だなぁでも皆さん、旦那様方は大切にされてくださいね」
「「「はぁーい!」」」
「そういえば旦那様方は今日も竜の捕獲ですか?」
「そうよ、ここ最近は竜の繁殖期らしいからね~」
「この時期になったら村の男どもは忙しそうにしてるわ」
「捕まえた竜はどうするんですか?最近聞いたんですけど竜の鱗は高く売れるとかなんとか」
「ええ、まあ確かに高くは売れるけれど」
「この村では竜の鱗を売らずに武器や防具にしてしまうのよ」
「昔、凄い武器を作ったらしくて今でも保管されているらしいわ」
「あー、確か千年竜とかいう伝説の竜の鱗でできてるんだっけ?」
「そんなに凄い物なんですか?」
「ええ、そりゃあ伝説の竜の物ってだけでも凄いけど、その武器、ただの鱗じゃなくて逆鱗も使われているらしいわ。」
「へー、その武器見せてもらえる事ってできるんですかね?」
「普通に見ることができるわ」
「本当ですか?」

◆◇◆

「って事でその武器は今、一般解放されているらしい。この村の反対側にある古い遺跡みたいなところだと。」
「なるほど、ありがとう」
「でも、どうやって行くんですか?今は竜の繁殖期なんでしょ?」
「うーん、なんか安全な道を知っている人とかがいればな」
「たっだいまー。お、皆で集まって何してんの?あたしも混ぜて混ぜて」
「いるじゃん」
「いたね」
「へ?何のこと?」
「ペル!」
「え?ちょなに!?顔が近いよ!」

ペルが内心ドキドキしているのも知らずに話を続けた。

「ちょっとお願いあるんだけど」
「はいぃ、何でしょうか!?」

村から随分離れてきた。

「この道が一番安全なんだ。」

案内された道は岩がゴツゴツと積み重なった足場になっていて、すぐ左を見ると崖だった気をつけないと足をとられて落ちてしまう。

「ホントにこんな道で大丈夫なのか!?」
「うん、ドラゴンはこの近くにはいない」
「なんでそんな事わかるんだ?」
「私のスキル[サーチアイ(千里眼)]があるからね」
「スキル持ちなんですか?!」
「声がデカいよ!」
「あ、すみません。」
「スキルって何?」
「まあ、言ってしまえば特異体質みたいなものでしょうか。例えばペルさんの千里眼だったら直接には見えないけれど気配を感じとる事ができるんです。」
「へー、それって生まれた時に備わってる的な?」
「ええ、そういうのもありますけど、特定のモンスターを倒したり修行したりすれば凡人の人でもそこそこのスキルを取得できますよ。ただ生まれながらのスキルは特殊なものが多く、普通の人じゃ一生掛かっても取得できないものが多いです。」
「つまり、レベル上げすると貰えるスキルがあるけど天性のスキルはマネできないってことか、ますますRPGっぽくなってきたな」
「そういうのって俺らも持ってるのかな?」
「ここでは少しわかりませんけど中央都市のグリモアに行ってギルドに加入すると自分のステータスと一緒にスキルも教えてくれるそうですよ。」
「中央都市ってネロちゃんの城があるあの王都が中央なんじゃないの?」
「はい、私の住んでいた王都アンツィオはこの国で二番目の大きさです。」
「あれで二番目!?」
「はい、でも城があるのはアンツィオなので経済的には王都の方が発展していますね。グリモアもそこそこの発展はしているのですが、貧民街が多くて街にいる人達も大体が冒険者か商売人、あと荷物の運び屋ですね。貴族の類は一切いないので治安はとてもじゃないですけど酷いものです。」
「冒険者がいるの!?」
「ありゃ」
「食いついた」
「よし!目的を果たしたらそのグリモアって街にいくぞ!」
「おい、ユージン。理由もなしで行くつもりか」
「いや、ギルドに加入する」
「は!?なに言ってんの?」
「理由ならある、まずは全員のステータス及びスキルの把握、まずは自分を知らないと戦いにくくて仕方ないからな」
「なるほど」
「そして、次に生活費の調達、ギルドって言うぐらいだから依頼とかあんだろ。」
「うん、確かに金がないと困るからな」
「次に、情報の収集、魔王の情報や神器に関しての噂なんかがあればギルドで俺達がそこそこ活躍すれば自然と耳に入るハズだ。」
「一理ありますね」
「最期に、俺は冒険者に会いたい」
「うん、納得させられかけたけど最期の理由でぶち壊された」
「でも、今のを聞くと確かにギルドに加入した方が良さそうですね。」
「俺達は別に良いんだけどよ一国のお姫さまのネロがギルドなんかに加入しちゃっていいのかよ」
「そもそも戦えるのか」
「た、戦えます!これでも城では護身用の特訓をしたり、王になる前は王国軍の隊長をさせてもらっていました!それに!例えギルドに加入してもこの一件が...魔王を倒したらギルドからすぐに脱退すれば大丈夫です!」
「まあまあ本人はこう言ってる事だし。」
「ユージン様!ありがとうございます!」

といってネロはユージンに抱きついた。一瞬驚き、それなりに大きいネロの胸をがっしりと掴んでしまった。

「きゃぁぁああ!」
「てめ!ユージン!」
「いや!いやいや!ハプニング!アクシデント!」
「なるほどラッキースケベだな」
「フォローになってねぇんだよ!」
「なに騒いでんの?着いたけど」
「お!あれか」

岩の山をのぼると遺跡のようなものがあった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

処理中です...