異世界の救世主になろう!~主役はやっぱり勇者だ~

☆ウパ☆

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本編

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「いやいや僕達悪魔じゃないんすけど」
「黙れと言っておる!ワシらを甘く見るなよ悪魔ごときへでもないわ!」

老人がそう言うとユージン達を囲んでいた獣人達が物騒にもナイフやらを抜いてユージンに突きつける。

「おい、じーさんあんまりふざけたことをするなよ」

これには、流石にユージン以外の4人は警戒を見せた。このまま戦闘が始まってしまうかと思ったが、老人の後方で「お前達、刃物を収めな!」と聞こえた。先程この老人と一緒に出てきた少女だった。可愛い顔をしており、ピンクの髪が目立っていた。

「おじーちゃんも、少し警戒し過ぎだよ。」
「しかしな、ペル」

しかし、老人の言うことには耳をかさなかった。

「私はペルーシャ、うちの人達がすまなかったね」
「いや、こちらもなにか誤解を招いてしまったようですまなかった。」
「あなた達は何をしにここへ?」
「そりゃあ、じんg...」
「ゴホンッ、えと薬草の採集にね」
「なるほど、ここら辺でしか採れない薬草っていったら沢山あるしね!」
「えっと、ペルーシャ」
「ペルでいいよっ」
「じゃあ、ペル。君達はここら辺に住んでるの?」
「まあね、良かったら村までくるかい?」
「おい!ペル!」
「皆の勘違いでこの人達を危ない目にあわせたんだから当然でしょう?おいで、こっちだよ」

◆◇◆

案内された村は山頂に近い場所にあった。村の周りには塀があり、中に入るとすぐに三十メートル程の見張り台があった。

「でっかい見張り台だな~、こんなにでっかいの必要なのか?」
「そりゃドラゴンが来るってわかったらできるだけ早く知りたいからね」
「なるほど」
「って、さっきから気になってたけどあんたデカいし容姿が恐いね~巨人族?名前は?」
「天井剛、人間だ、って失礼だろ!」
「アハハハごめんね!でも、ウチの村はデカい奴がモテるんだ。多分村の女からは気に入られると思うよ。」
「まじか!」
「てんが遂にモテ期だと!?」

村の中を少し進むと一件だけ大きな住宅があった。

「ここが私ん家、今日はここに泊まると良いよ」
「おお!ありがとう!正直、今日はドラゴンに襲われて採集ができなかったから野宿しようと思ってたんだ!いやー助かる!」
「礼はいいよっ村の人達が迷惑かけちゃった分もあるし中でくつろいでいて、私は食べ物とってくるから。」
「ありがとう!」

素早く走りさっていってしまった。中は思ったよりも広かった。

「さてと、今後の事だけど」
「ひとつ聞きたい」
「ん?」
「なんで、薬草の採集なんて嘘をついた」
「そうですよ、彼らの方がこの山に詳しいのだから探すのを手伝ってもらえばよろしいじゃないですか」
「いや、これで良い。むしろ順調だ」
「なんでだ?」
「俺の予想だとこの村の人達は既に神器がどこにあるか知ってる。」
「えぇ!?本当ですか!?でも、なんで分かるんですか?」
「あのおじいさんの言い方だよ、なにか隠してるぜあれ」
「確かになんか俺達を悪魔だと思ってたわりには随分強気だったな」
「その通り」
「でも、それだったら尚更聞いた方がいいんじゃ」
「ここからは様々なRPGをやり込んでいる俺の予想なんだが、この山のどこかにある神器は彼らの先祖の物なんじゃないかなって思ってる。」
「どうしてだ?」
「この際だから言っちまうけど今回の神器は...盾なんだ」
「盾?」
「ああその盾は言い伝えだと初代ローマ皇帝が聖剣を使っていた時代にローマ皇帝の右腕として働いていた獣人の男がその盾を使ってローマ皇帝の身を守っていたそうだ。」
「獣人ってことは」
「この村の人達と同じだ」
「ん?まてよ、その聖剣も初代ローマ皇帝が使っていたものだよな?てことは神器は全部その時代に活躍していたものなのか?」
「まあそういう捉え方もできるな。」
「その盾の役柄は何なんです?」
「ああ、(拒否と器)」
「器?なんだ器って?盾だから拒否はまあ、なんとなくわかるけど。」
「さあ?ま、でもその元使い手と盾の材質を考えると、この村の人が知ってんのは確かだろうな」
「なにでできてんだ?」
「千年竜っていう千年以上生きてる伝説の竜の鱗でできてる。竜っていうのは年を重ねれば重ねるほど身体の装甲が頑丈になってくる。今日ハッキリと竜の鱗の硬さを知ったからな。」
「確かに頑丈だったな、ユージンの必殺技利かなかったもんな」
「それに、龍を捕まえるところまで見させられたから確信だろ」
「確かに、あの人達のご先祖さんが作ったって言われても不自然におもえねーぜ」
「それで、この村の人達は龍の捕獲があんなに上手かったんですね」
「彼らにとっちゃその盾は村を悪魔から守るために必要不可欠なんだろう。」
「でも、神器は相手を選びます。あのおじいさんが強気だったのは適用者がいたからでしょうか?」
「いや、多分それはないだろう、適用者がいればそいつひとりで龍なんて簡単に捕まえられるからな。多分まだ誰でも使える便利アイテムと思ってるか、はたまた昔のご先祖様と血の繋がっている自分達なら扱えると思ってるかだな」
「しかし、良く調べたな」
「今までの推測も辻褄が合っている。」
「こういう事に関しちゃ流石だよな」
「そういうこと言っちゃう?」
「なにもないよりマシだろ」
「ま、そうなんだけど」
「しかし、本当に驚きました。さっき言われた事と今までの行動が全てユージン様が思った通りに事が運んでいるようにしか思えなくなってまいりました。なんで、そんなに直ぐ色々考えられるのですか?」
「これしかできることがないからかな~、まあ、まだまだ気になる事はあるけども、とりあえず次にやることは俺達の信用をこの村の人達に売ること!」
「おう!そうだな」
「だな!」
「だね」
「ですね!」
「そこで、しんにはちょっとした頼みがあるんだが」
「?」
「セフレ作ってこい」
「へ?」
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