異世界の救世主になろう!~主役はやっぱり勇者だ~

☆ウパ☆

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「なにここ?」

周りを見渡すが物もなければ人もいない場所に一人ユージンがいるだけだった。

「えっと確かマリアと闘った後宿ですぐにぐっすり眠って...そっから先が思い出せない...」
「そこから先はないからですよ」
「うわっ!」

気づけばすぐ後ろに小学生ほどの歳の少年がたっていた。

「怖がらないで下さいよ」
「おまえ誰だよ!ここどこだよ!」
「私ですか?私は神です。よろしく」
「あぁ、これはこれは懇切丁寧にどうもよろしく...じゃないでしょ!ふざけてんなよ!なにが紙だ!」
「いや、紙じゃなくて神ですって!か、み、さ、ま。あなたをこの世界に連れてきたのも私です。」
「意味分からんから家に帰してとりあえず」
「ちょっと話聞いてもらえます?」
「うん嫌だ。」
「えぇ...」

◆◇◆

「つまりあんたは創造の神様で、この魔法が使える世界を創ったは良いけど、世界を創るには色々ルールがあるのにそれを無視して魔王なんて者を生み出しちゃって、自分が修正しに行きたいけど神様が地上に降りたらもう帰れなくなっちゃう、だからと言って普通の人間が行けば世界の法則を変えかねないので俺みたいな特別な他の世界の人間を連れてくる必要があったと?」
「その通りです」
「なんで俺が特別なんだ?」
「この世界はあなたが住んでいた世界と相似した世界です。私達はパラレルワールドと言っていますが、多少違ってはいます。例えばこっちの世界じゃ魔法があるけど空気がないなんて事はないですよね?それと一緒であなたの世界に空気があってこっちの世界にも空気があるなら、元の世界のあなたがいればこちらの世界のあなたもいる可能性がありますよね?」
「なるほど、こっちの世界にも俺がいたら面倒だな」
「だからこちらの世界には存在しないあなたという人間しか呼べないんです。まあ、顔がよく似た人物はいたようですが...」
「ブラウスの事か...もう一つ質問」
「なんでしょう?」
「俺を選んだ理由はわかった。でもこの世界の奴じゃダメだったのか?わざわざ他の世界から連れてくる必要なんてなかったろ。」
「この世界で魔王を倒せる存在なんて勇者ぐらいでしょう。しかし、この世界には勇者の素質がある人間がいなかったんです。」
「なんで魔王なんて者を創ったんだよ...」
「すいません、僕にもよく分からないんです」
「創ったのはおまえなんだろ?」
「でもこんな奴創った覚えなくて...ここまでチート設定だったら創った事覚えてると思うんですけど...でもあなたはラッキーなんですよ!魔王を倒すという明確な目標がありますから!他の世界の救世主さん達はなにをするのかわからない人もいますからね。まあ、皆さん快く受けてくれるんですけど...」
「他の世界の?まさかこの世界だけじゃないのか色々ルール破った世界ってのは...ってことは俺みたいな急に連れてこられた奴もいるわけか」
「そうです。恥ずかしながら...でも、皆さん楽しくやってるみたいなんですよ!ヒーローやったり、探偵やったり!」
「ところでどうして今なの?」
「何がです?」
「何がですってこの世界に連れてこられた理由とかなんで転送するとき報告しねーんだよ」
「すいません、なにか手違いがあったらしく今になってしまいました。面目ない」
「別に良いけどさ。あいつらには...面倒くさいなー説明するの。まあいいかしなくて」
「そろそろ朝ですね。では私はもう行きます。この世界を救い出して頂ければあなたの望みは叶えさせていただきます頑張ってください!」

◆◇◆

目を開けると馴染みのある天井があった。
「......なーにが救世主だ......」
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