異世界の救世主になろう！～主役はやっぱり勇者だ～

本編

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「神殺しだぁ？」

「天界において神殺しは最も重い重罪だ。処刑されて当然だろうが、理由ならある。」
「ちょっとまった。俺は別にお前が何をしてその行為にどんな理由があろうがどうでもいいんだよ。」
「...」
「お前が反省しようがしまいが俺には関係ないが、この国の人間を苦しめてきたことにこそ関係なんてないだろう。」

「私はこの世界をあるべき姿へ変えるために...」

「理由があるから人を殺してもいいわけじゃない。」
「私は神だぞ、神に逆らうとどうなるか…しってるか？」

「元だろ。今は神じゃねぇ。」

「今すぐにでもお前とお前の付き人共と一緒に消してやりたいが、今日のところは退いておこうか。私も忙しいのでね」

「待て！逃がすか…！」
「やめとけ透」
「でも！」

2人が言い合っている間に魔王は悪魔達を引き連れてまた靄のなかに消えていった。

「数じゃこっちが負けてんだ、深追いは良くない。」
「くそっ」

「ってそれどころじゃなかった！大変なんだユージン！」
「あ？なにが？」
「ネロ達が！」

◆◇◆

ガリアの首都中心に位置する城の地下ではどこまでも続く暗い道に数え切れない程の牢屋や拷問部屋がならんでいた。

「出せー！！ここから出せー！！」
「無駄ですよ、マリアさん...」
「モモの言う通りよ、いくら叫んだところで私達はガリアの連中にとっては敵国の捕虜なんだから。そう易々と解放してくれないと思うわ。」
「ペルーシャまで...どうしよう、ダーリンにネロが連れてかれたなんて知られたらとんでもなく怒られるわ…」

「でもどうしてネロさんだけ...」

「連中に変なことされてなきゃ良いけど」
「な？！変な事って？！」
「そのままの意味よ、男って生物は何考えてるか流石の私も想像つかない。」
「あなた達！こんな事してダーリンが黙ってないわ！この国を滅ぼしかねないわよ！」
「流石のユージン様もこんな警備が厳重な地下では来るのも容易ではありませんね。」
「来るわ、ダーリンなら！地中に穴掘ってでもね！」

「んな事するか！」

誰も居ないはずのマリア達の背後から聞き覚えのある声が響いた。

「ゆ、ユージン？！どうやってここに！？」
「《飛雷神の術》もしものためにモモにマーキングしといて良かったぜ。」

「ま、マーキング...」

「変な意味で捉えるなよ？！モモのポケットに入ってるその札！それ、マーキングね！」
「本当だ、入ってます！」
「でも、流石に結界とか張ってるから入って来れないかと。」
「実際に僕達魔法が使えなかったんです。」
「この《飛雷神の術》はほんの少しの魔力でいいんだ例えるなら普段から使っている魔法がコップ1杯だとするとこの技は一滴くらいかな。結界とか護身の魔法とかは強くて自分にかかる負担をなくすための物だから少しの魔力なら反応しないのさ。」
「なるほどね」
「ネロはここの連中が？」
「すみません、私達がついていながら。」
「一生の不覚よ。」
「まあいいさ、ネロにもマーキングはつけてあるから。」

『ユージン、急いだ方が...』
「そうだな」
「話せるの？！」
「まあ、わけあって...とにかく、お前らをまずグリモアまで送ってからマリアの救出に向かう。俺に捕まれグリモアまですぐだぞ。」