異世界の救世主になろう!~主役はやっぱりヒーローだ~

☆ウパ☆

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トカゲに魅力は感じない

2-2 ドラゴン

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真は岩に身を潜めて武装した集団を見ていた。
この集団を見るのは二度目だった。ただ一人一人の表情が昼間見た者よりやる気に満ちていた。

「よし、このままドラゴンのいる山頂に向かう!進め!」

声を発したのは男性、鎧には紋章が掘られているので恐らく王国騎士だろうが、一人だけ鎧の形が違うので彼がリーダー格だろう。その横に見覚えのある人物がいた。

「あ、許可証をくれた人とその弟だ。」

二人で羊皮紙を見てなにか話し合っている。恐らくこのサガ山の地形図だろう、真もマジックポーチに似たものが入っている。
そしてさらに後ろには昼間真と目が合った金髪ロングストレートの美人がいた。

「あの娘も戦うのか...《鑑定》」

─────────────────
名前:エリス

年齢:18

種族:ヒューマン

属性:火

Lv:529/999

《ステータス》
HP:35,680/35,680
MP:25,698/25,698
ATK:4,560(+100)
DEF:3,476(+300)

《サブステータス》
敏捷:1,065
知力:1,274
幸運:1,456

《ユニークスキル》
なし

《装備スキル》
・精神支配阻害
・高速思考
・疲労軽減
・冷静維持
・物理ダメージ軽減
・火属性ダメージ軽減
・闇属性ダメージ軽減
状態異常バッドステータス無効化
・常備下級肉体強化
─────────────────

「レベル高っ!!すっげぇ完璧な装備だな。可愛い顔してドラゴン倒そうなんて思ってんだもんな。」

しばらく彼女のステータスを見ていると気づかないうちにこちらに向かって来ていた。慌てて身を小さくする。

「...」
「...」
「おい、どうかしたのか?エリス。」
「視線を感じた。」
「気の所為だろ、ドラゴンのせいでここら辺のモンスターはいなくなっちまったんだからな。」
「...」
「てか、お前がいないとうちの班は士気がガタ落ちだ、早くしろ英雄様。」
「その呼び方やめて、嫌い。」
「分かったって、でもソロで魔王の幹部を倒したんだから充分すげーだろ。」
「やめて、あの場は致し方なかった、私しかSSランクの冒険者はいなかっただけ。」
「へいへい、なんでも良いけど早く戻って来んねーかな?」
「...今行く。」

しばらくすると足音が遠くへ行ったのを感じ、岩から顔をだそうとする。

「やっぱり、いた。」
「うわっ!」

顔をだした瞬間にエリスと目が合ってしまい、思わず声を上げた。が、口を彼女に当てられ、口元でシーっと静かにするようにジェスチャーされる。

「あなた、班の人じゃない。見つかれば怒られる。死にたくなければ山を降りるべき。」
「なんで俺がいるってわかったんですか。」
「あんな視線で見られれば誰でも気づく。──変態。」
「くっ、否定できない...」
「......」
「なに、惚れたんですか?」
「あなた、面白い人...これ終わったら一緒に食事、どう?」

これ程の美女だ、真に断る理由はない。

「本当ですか?じゃあお願いします。」
「それじゃあ明日の17時冒険者集会所に来て。」

そう言って彼女は武装した集団のなかに消えていった。

◆◇◆

「よお、やっと戻ってきたか。」

話しかけてきたのは先程会話をしていた彼女、ラキシード。男に勝る難いの良い身体をしており、背中には愛用の斧を背負っている。

「なんかあったか?これから戦闘だってのに随分嬉しそうじゃねーか。」
「食事の誘いしてきた。」
「ふーん、誰だ?」
「あ、名前聞くの忘れた。」
「おいおい、顔は覚えてんのか?」
「覚えてる、かなりイケメンだった。それと黒髪に黒の瞳。」
「ほーぅ珍しいな。って男?!エリスに男?!それもイケメンの?!」
「なにその反応は...」
「くぅ...エリスに先を越されるとは...」
「ラキシードじゃ、一生無理。」
「まさか、エリスにそんな事言われるとは...なあ、俺たち同じギルドになってから長いよなぁ?...」
「会ってみる?」
「会う!!」

◆◇◆

「帰るって約束しちゃったけど。まあ、バレなきゃ良いかな?」

山頂に着いた真は辺りをキョロキョロと見渡す、サガ山は火山というのは聞いていたが火口はとても広かった。
何もないと判断した真はマグマの中を覗こうと頭だけを覗かせる──その瞬間、真がいた場所より火口の反対側で爆発、そして次の瞬間
ガアァァァァァァァアアア!!
という獣のようで獣ではない咆吼が爆発の起きた場所で上がった。
遠くで砂埃が上がっているのであそこで戦闘が行われているのだろう。そして蛇のような長くて太くて巨大な尻尾がハッキリと見えた。
真は急いで火口を回るように走り、出来るだけ近付く。やがてエルフの国でみた壁より巨大な身体と翼を持ったトカゲが姿を現した。真は即、岩の影へかくれる。

「あれが、ドラゴンか...」

恐らく全長二十メートルは優に超えているだろう。全身は鱗に覆われ、色は全てが真っ黒。翼を少し動かしただけで固定されていない物は次々と吹き飛ばされていく。様々な魔法がドラゴン目掛けて放たれるが、ドラゴンはまるで虫でも止まったかのように気にしていなかった。
尻尾を時速の速さで振り回し、当たった王国騎士達は次々に吹き飛ばされていく。確実に即死の一撃だった。
と、次の瞬間ドラゴンが僅かによろめいた。理由は一撃の魔法、眩い閃光と一緒にビームの様な一直線の光がドラゴンの身体に当たった。

「光属性の魔法...」

あれほどの魔法ともなればあれを放ったのはかなりの手練ということがわかる。魔法の主はあの金髪ロングストレートの娘だった。武装の集団は歓喜の声を上げている、自分達の攻撃は通らず絶望的と思われた時に彼女の魔法が効いていたからだ。

「あれは、超位級魔法か...しかし、少ししか効いてないぞ。」

ドラゴンは一度はよろめいたものの、今は全く効いている様子はない。だが士気は上がっている。

「諦めずに攻撃を続けて!私はこれから《英雄級エピック》魔法を唱えて、天使を召喚サモンする!」

おおっとまたも歓喜が上がった。これは
戦っている彼らだけではなく、見ている真も興味深々に声をあげた。
魔法の詠唱中はとても無防備になる、これは長い詠唱を間違えずに加えて、魔力の動きをイメージするという集中力が必要になるからである。よって今詠唱を唱えている彼女の周りには詠唱を邪魔されまいと守護する者が複数人囲んでいる。

「お前ら詠唱中は絶対エリスの邪魔をさせんじゃねーぞ!」

難いの良い女性が囲んでいる者達にそう言い放つ、この光景は誰がみても彼女がこの集団の切り札なのだと物語っている。ドラゴンもその事に気が付いたらしく、詠唱を唱えているエリスに前脚を叩き下ろそうとする。しかし、これを難いの良い女性が斧でなんとか凌ぐ。しかし、その一撃を凌いだ後、彼女は崩れ落ちた。
そして、詠唱を唱え終えたエリスは取り囲んでいた騎士や冒険者達に放れる様に命じ、魔法を叫ぶ。

「《召喚サモン超上位天使ミカエル!》」

エリスのかざした手の先に巨大な円形の魔法陣と呼ばれる物が出現し、中から羽の生えた女性が姿を見せた。
天使は手に持っていた弓をゆっくり引く、やがて光の矢が現れそれを放つ。矢は複数に別れ、全てドラゴンに当たると閃光が強くなり爆発を起こした。
しばし、沈黙が流れると騎士達が殺ったと口にし始める。
しかし、次の瞬間に自分達の考えが浅はかだったと思い知らされる、ドラゴンは無傷のままその姿を見せたからだ。
そして、呪いでもかけているかのような声が聞こえてきた。

『愚かな。英雄級エピック程度の魔法で我の身が傷つくなど有り得ん。魔法というのはこうやるのだ。』

ドラゴンはこれでもかと口を開ける、するとドラゴンの顔の前に巨大な魔法陣が現れた。

「あれは《龍の吐息ドラゴンブレス》だ!全員退避!エリス、超上位天使ミカエルを使ってバリアを!」
「わかっている!」

そして刹那、全身を焼かれた様な熱さと呼吸をしたら肺が焼けてしまいそうな熱風が真に当たりながら通り過ぎていく。
魔法陣から放出された巨大なレーザーは一瞬で数キロの地にクレーターを作った。召喚された天使はまるでその身がボロボロと崩れていく様に消えていった。数えるのも嫌だった武装した集団はもう既に数えるのは苦でもないほど減っていた。

『脆い人間どもよ、我が主の前にひれ伏し、その身を献上するのだ。』

ここまでか、と真が思いその場を後にしようとした、元々真は人間の武装集団に興味はなく、ドラゴンの力を見たいと思って来ただけで、エリスとの約束もそこまで重要に考えていなかった。
その時だった。カチャンと金属の鳴る音が聞こえ、その音の発生した方を見るとエリスが立ち上がり剣を持った音だった。しかし、もう既に鎧はあちこちが欠け、自分の足では立つことさえ出来ないのか剣を地面に刺し、それに体重を掛けている。

「なんだ?あの女...死にたいのか...」

どうやら、ドラゴンも同じことを考えていたようだった。

『人間、それ以上は自殺願望とみる。』

既に夜は開け始めている。山頂なので日の登りが早く、日光を受けたエリスの鎧はキラキラとしておりなんとも幻想的に思えた──でなければ。

「約束したから...今夜17時に、会うって...」

そして、糸の切れた人形の様に倒れそうになった瞬間、真がそれを支えた。

「君みたいな娘は嫌いじゃないよ。」

真の頭には倒れた兵士が着用していたヘルムを着けているため、顔を伺うことはできない。

『まだ動ける者がいたとは...どこかに隠れていたか?なら、下手なことをせずにそのまま隠れていれば良かったものを。』
「おい、ドラゴン。お前こそ馬鹿な事をしたぜ、お前が殺そうとしたのがこの娘じゃなかったら苦しむことも無かったろうに。」
『ほざけ、人間風情が』
「《鑑定》」

─────────────────
名前:

年齢:506

種族:ダークドラゴン

属性:闇、火

Lv:999/999

《ステータス》
HP:1,542,690/1,548,690
MP:965,578/1,548,690
ATK:319,500
DEF:266,250

《サブステータス》
敏捷:5,800
知力:4,280
幸運:7,485

《ユニークスキル》
・負のオーラ
・接触腐敗
・人化

《装備スキル》
なし

─────────────────

「なるほど、強いな...」
『ふん、鑑定か。それで、ステータスを見た感想はどうだ?逃げるか?自害という手もあるぞ?』
「まさか、それよりもっと欲しくなった。」
『なに?欲しくなっただと?』

「おい、ドラゴン俺のペットになれ。」

『なんだと?笑わせるな貧弱な人間が。私の主は邪神様だけ、我と主従の関係を創りたければ私とお前の圧倒的な力差を我に感じさせてみろ。』
「力差ねぇ...」
『無駄な事だ。』

「それじゃあ...そうだな...《5000倍》ぐらいかな」

瞬間、空気が変わり鱗を通り越して直接肌に剣を突き刺される感覚がドラゴンを襲った。

『ぐぁ...お、人間!なにをした!』
「まだ反抗するか...《5000倍》」

また空気が変わるが、今度はさらに重く、呼吸すら苦しいく感じ、心臓を直接握り潰される感覚がドラゴンを襲う。小刻みに身体が震え始めた、言うまでもなく恐怖からのものだ。

「俺は今Lv60、五千✕五千にしたから大体お前のレベルの...えーと、よく分からんがお前より強い。どうする?力でねじ伏せないとダメっていうならそうするけど...」
『もう十分だ!!』
「不便だなぁ、身を守るための動物の本能がこんなところで役立って」
『何卒先程のご無礼をお許し頂きたい!』

?」

『お許し...下さい...』
「よしよし、ペットならそれぐらい頭下げなきゃな!それじゃあドラゴン、これからお前は俺の下に就くわけだが、異論反論があれば聞くぞ。」
『いえ、主様に一度は楯突いた私めにこの様な慈悲をかけて下さり感謝の言葉すらありません。このダークドラゴンたった今貴方様の所有物になりました事を心より幸せを感じている次第です。是非私の忠義をお受け取り頂きたく思います。』
「あそ、それでお前名前はないのか?ダークドラゴンじゃ呼びづらいしな。」
『主様よりお名前を頂戴したく存じます。』
「んー、暗黒龍ダークドラゴンだからアンコウで。」
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