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虎はしつけが必要です
4-3 ロンウ・ティ帝国
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帝国までは最短ルートと聞いていた真だが、三日経っても一向になにも見えてこなかった。日はじりじりと真の肌を焦がしているかのように突き刺さる。周りは草一本無い岩だらけの場所だった。
「遠いなぁ...そう言えばキコが持ってるその斧ってラキシードが愛用してた奴だよな?どうしたんだよ。」
「奴らに幻術をかけていた所それが転がっておりましたのでそのままでは勿体ないので可愛い後輩に与えてやりました。」
「はい、先輩から折角頂いた物ですので大事に使わせて頂きます!」
「っていうかお前のその細い腕で振り回せるのか?」
「全く問題はありませんよ、ほら!」
と言って自分より身長のある重い斧を軽々と振り回し始めた。
「凄いなぁやっぱり中身は鬼虎なんだと思わされるよ。」
「それにしても確かに遠いですね。負担でしたら、私に乗って行きますか?」
「デカい虎にまたがって帝国に入ったら目立つだろうが、良いか変なところで目立つなよ。俺がこれ以上は面倒だとか、こいつ要らないなと判断したらお前らの事いつでも──」
一泊おいて二人の顔を見ながら押す様に言う。
「──殺すから」
二人の顔から血の気がサーっと引いていった。二人は暑いはずのこの状況で身震いが止まらなかった。
そこからは延々と思えるほど静かな沈黙が続き、風の吹く音だけが聞こえる。
「そういえばキコ。」
「はいぃ!」
身体をビクリとはね上げながら震えた声で答えた。
「お前が目覚めたのってやっぱ邪神のせいなんだよな?」
「ええ、そうですね。邪神様の力を感じたので目覚めたということです。あ、でも邪神なんて大した事はないですよ──」
シン様に比べたら、と言い終わる前に横で歩いていたアンコウが形相を変えながらキコの頭を持って無理矢理地面にひれ伏させる。
「この大バカ者が!!!お前なんという事を!!!」
「急になんなんですか?!痛いですよ先輩!」
「良いから謝罪しろ!謝罪を!」
「誰にですか?!」
「決まってるだろうが!!阿呆が!シン様!この者の無礼をどうかお許し下さい!!」
「え、もしかしてシン様は邪神様を崇拝している信者さん──」
言い終わる前に更に強い力で地面に叩きつけられた。その光景を離れた場所から見守る真は、説明しなかった自分の失態なのに、と心の中でひれ伏しているキコに謝罪をした。
「いや、良いよアンコウ。俺が説明し忘れただけだから、おれの失態だから。」
「いえ!後輩であるキコの失態は先輩である私の失態であります!シン様に失態などありえませんから!この者には後で厳しく言っておきますので!」
◆◇◆
「一体どういう事ですか先輩?!シン様が二代目邪神様だなんて!もっと早く言って欲しかったです!」
顔のあちこちに土を付けているが傷一つ無かった、ただ打ちつけられた地面の方は亀裂が走っていた。
「全くお前は、良い?従者というのは主を写す鏡でもあり!矛であり盾であるのよ!教えられる前に察する事を心掛けなさい!」
「そうでした...私はそんな大事な事にも気が付けなかった愚か者です!どうか何卒お許しを!また、機会をくれるのであれば次こそはシン様のお役に立ちます!」
真の目の前で土下座しているキコを眺めていると胸が苦しくなってきてしまった。
「うん、大丈夫、てかなんかごめん。」
しばらく歩くと人工的な建物が見えてきたがかなり広範囲に広がっているので恐らく塀だろうと予想した。しかし、門に近づいた時点で重大な見落としに気がつく。
「あ!」
「どうしましたシン様?」
「通行許可証...これでも良いのかな?」
それは、真がエルフの国から『ギムティ王国』に入る際、アンコウの討伐に来ていた兄弟から貰った物だった。
入れるかどうか分からなかったがすんなりと入る事ができた。門兵に聞いたところこの許可証があれば冒険者カードや商人カードが無くても近辺の人間の国なら何処でも入れるという。街に入り、ぶらぶらと歩いていると様々な屋台が出ている場所に来た。幸い、エリス達が合併記念にくれた通貨が幾らかあるので何日かは何とかなるだろう。
アンコウがふと思い至った事を真に尋ねる。
「シン様、無知な私にお教え頂きたいのですが、もしエリス達にまた遭遇してしまい生きていた事がバレた場合どの様にすれば良いのでしょう?」
そして、質問された真は屋台に出ているものをじっくり物色しながら興味が無さそうに答える。
「まあ、場合によっては殺しても構わないけど、そうでない場合は記憶喪失とかなんとか言って誤魔化せば問題ないだろう。」
自分の主人が本当に興味がなさそうなので彼女達に損得の意識が消え失せたのだろう。彼女達には何の恨みもないが、もしも次に出会ってしまったら死んでもらおうと心に決めた。
「お、この兜カッコいいんじゃないか?」
真が手に取ったのは目から鼻まで隠れて口元が出ているスタイルの形で色は黒が主となっている兜だった。
「シン様が着用すればきっとお似合いですよ!」
「そうか?キコ。」
「ええ!まあシン様はなんでも似合ってしまいますが!ね?先輩!」
「何を今更当たり前のことを!」
「じゃあ、買っとくかな!これ下さい!」
◆◇◆
エリスは鼻につんとくる臭いを嗅いで目が覚めた。
「ここは...?」
見覚えのない天井があり、横には果物と緑のポーションが入った瓶がおいてあった。彼女の顔を横から眺める者がいた、ラキシードだ。
「お、起きたか。ここは神殿の個室だ。」
彼女をよく見ると身体のあちこちに包帯を巻かれている。
「何故...」
「憶えてないか?ダークドラゴンが俺達を吹き飛ばして...」
そうだ、気絶する前の事を思い出したエリスは自分の下半身を見て触ってみる。
ちゃんとある事が分かるとホッと胸をなで下ろす。
「夢...?」
「どうした?」
「いや、なんでも...」
突然ダークドラゴンに吹き飛ばされた時の事が鮮明に映像としてエリスの脳内に流れた。
「──シン、シンは!」
「落ち着いて聞いてくれ、助けに来た冒険者達に《魔の森》やら、あの村の中やら、俺達とは違う場所に飛ばされていないか探し回ったんだが...指すら見つからなかった...それから、アンコウも行方不明らしい。」
「.........くぅぅ...」
頭が痛い、酷い頭痛だ。
エリスは頭を抱えて過去の自分を呪う。
涙が後から後から止まることなく出てしまい、もはやエリスには飛べる術はなくただただ頭を殴ったり髪をかきむしることしかできなかった。ふと、右目を開くことが出来ないことに気が付き、個室の窓を見る、すると目の上から頬まで一直線に走る傷があった。上瞼と下瞼が接している傷のところがくっついてしまっている。手で触れば鮮明に脳に伝えてくれる、恐らくこれでもう彼女が冒険者投票で人気投票一位になる事は無くなったと考えられる。
しかし、そんなことは彼女にとって苦ではなかった。
「...他のメンバーは...」
「タリアは吹き飛ばされた時に不幸にも瓦礫で右腕を失って、回復魔法やポーションじゃ治せないから義手だと...それからレイシェルなんだが...」
「どうした...」
「骨盤を折っちまってもう、歩けねぇって...」
「──?!」
「くそっ!冒険者協会の奴ら普段から世話になってるくせに、こういう面倒な事態になったら丸投げしやがって!しかも国のお偉いさん方、あのダークドラゴンの討伐編成隊を組まねぇって言ってやがんだ」
「…」
「俺達SSランク冒険者がこのザマなのに放っとけって言うのかよ!シンとアンコウの行方だって、鬼虎が近辺にいる可能性があるって言って捜索を打ち切りにしやがったんだ!王国だけで人が足りないんだったらエルフとの戦争なんかに向かわせてる場合じゃないだろう!」
ああ、また頭痛がする。
頭をガンガンと金槌で殴られているような激しく痛い、吐き気さえもしてくる。
ここまで自分達がやられているのに、この国の人達はそれを知らずに今日も平和だと思い込んで一日を過ごしている?王は何をしているのか…
ショックを受けたのは彼女だけではない、タリアは利き腕を無くし、レイシェルはもう歩けない。それが、どれだけ辛いことか、それに彼女は獣人だ。獣人は人並外れた身体能力があることで有名だ、そんな彼女から歩くことを奪った、まさに生き地獄。では、それらを奪ったのは誰か。
「私だ...私のせいだ...」
「おい、それは違──」
「──私があの依頼を受けなければ、タリアは右腕を失わずにすんで、レイシェルは歩けなくなることはなく、シンは死なずにすんだ!」
「...」
黙り込んで下を向いているラキシードを見て我に返った。
「ごめん、怒鳴って...」
「いや、良いんだ...でも、悪いのはお前だけじゃない、王国で三本の指に入るなんて言われ始めた頃から浮かれてたんだ俺達は。本当は凄く弱かったんだよ、それでエリスばっかりに負担を掛けさせちまって...」
「ラキシード、そんな事は──」
その時、扉が開いて二人の女性が入ってきた。一人は鋼の右腕を持ち、もう一人は木でできた車椅子で登場した。
「──いや、ラキシードの言ってることは正しい。な、レイシェル?」
「だんちょー!これは慢心してた私達の自業自得です!」
「それに、他にやる事あるだろ?団長。」
「タリア...でもあなた右腕が...レイシェルももう歩けなくなって...」
「だんちょー、私頑張って歩けるぐらいにはなりますから!大丈夫です!」
「私も、もう利き腕は文字通り綺麗さっぱり忘れるから!それにこっちの方がカッコいいだろ?」
「だんちょー、シン君とアンコウちゃんの仇とりましょうよ!」
「そうだよ!あのダークドラゴンには一度ならず二度までもこんなにやられて悔しいよ!それに、この国の人達のためにも私達が何かしないと!」
「だとさ、エリス。」
「うん、皆ありがとう。これから私達が行うのは、仇でもあり復讐でもある。私達から色んなものを取り上げた暗黒龍への仇、それから何もしなかったこの周辺国家の主要人物達の復讐。強制はしない、国家転覆の犯罪者になる可能性もある…いやなら辞めてくれて構わない。」
「勿論やるさ」
「頑張るよ!」
「意義なし!」
本当に良い仲間を持ったとエリスはこの仲間達を集めた過去の自分に感謝した。
「遠いなぁ...そう言えばキコが持ってるその斧ってラキシードが愛用してた奴だよな?どうしたんだよ。」
「奴らに幻術をかけていた所それが転がっておりましたのでそのままでは勿体ないので可愛い後輩に与えてやりました。」
「はい、先輩から折角頂いた物ですので大事に使わせて頂きます!」
「っていうかお前のその細い腕で振り回せるのか?」
「全く問題はありませんよ、ほら!」
と言って自分より身長のある重い斧を軽々と振り回し始めた。
「凄いなぁやっぱり中身は鬼虎なんだと思わされるよ。」
「それにしても確かに遠いですね。負担でしたら、私に乗って行きますか?」
「デカい虎にまたがって帝国に入ったら目立つだろうが、良いか変なところで目立つなよ。俺がこれ以上は面倒だとか、こいつ要らないなと判断したらお前らの事いつでも──」
一泊おいて二人の顔を見ながら押す様に言う。
「──殺すから」
二人の顔から血の気がサーっと引いていった。二人は暑いはずのこの状況で身震いが止まらなかった。
そこからは延々と思えるほど静かな沈黙が続き、風の吹く音だけが聞こえる。
「そういえばキコ。」
「はいぃ!」
身体をビクリとはね上げながら震えた声で答えた。
「お前が目覚めたのってやっぱ邪神のせいなんだよな?」
「ええ、そうですね。邪神様の力を感じたので目覚めたということです。あ、でも邪神なんて大した事はないですよ──」
シン様に比べたら、と言い終わる前に横で歩いていたアンコウが形相を変えながらキコの頭を持って無理矢理地面にひれ伏させる。
「この大バカ者が!!!お前なんという事を!!!」
「急になんなんですか?!痛いですよ先輩!」
「良いから謝罪しろ!謝罪を!」
「誰にですか?!」
「決まってるだろうが!!阿呆が!シン様!この者の無礼をどうかお許し下さい!!」
「え、もしかしてシン様は邪神様を崇拝している信者さん──」
言い終わる前に更に強い力で地面に叩きつけられた。その光景を離れた場所から見守る真は、説明しなかった自分の失態なのに、と心の中でひれ伏しているキコに謝罪をした。
「いや、良いよアンコウ。俺が説明し忘れただけだから、おれの失態だから。」
「いえ!後輩であるキコの失態は先輩である私の失態であります!シン様に失態などありえませんから!この者には後で厳しく言っておきますので!」
◆◇◆
「一体どういう事ですか先輩?!シン様が二代目邪神様だなんて!もっと早く言って欲しかったです!」
顔のあちこちに土を付けているが傷一つ無かった、ただ打ちつけられた地面の方は亀裂が走っていた。
「全くお前は、良い?従者というのは主を写す鏡でもあり!矛であり盾であるのよ!教えられる前に察する事を心掛けなさい!」
「そうでした...私はそんな大事な事にも気が付けなかった愚か者です!どうか何卒お許しを!また、機会をくれるのであれば次こそはシン様のお役に立ちます!」
真の目の前で土下座しているキコを眺めていると胸が苦しくなってきてしまった。
「うん、大丈夫、てかなんかごめん。」
しばらく歩くと人工的な建物が見えてきたがかなり広範囲に広がっているので恐らく塀だろうと予想した。しかし、門に近づいた時点で重大な見落としに気がつく。
「あ!」
「どうしましたシン様?」
「通行許可証...これでも良いのかな?」
それは、真がエルフの国から『ギムティ王国』に入る際、アンコウの討伐に来ていた兄弟から貰った物だった。
入れるかどうか分からなかったがすんなりと入る事ができた。門兵に聞いたところこの許可証があれば冒険者カードや商人カードが無くても近辺の人間の国なら何処でも入れるという。街に入り、ぶらぶらと歩いていると様々な屋台が出ている場所に来た。幸い、エリス達が合併記念にくれた通貨が幾らかあるので何日かは何とかなるだろう。
アンコウがふと思い至った事を真に尋ねる。
「シン様、無知な私にお教え頂きたいのですが、もしエリス達にまた遭遇してしまい生きていた事がバレた場合どの様にすれば良いのでしょう?」
そして、質問された真は屋台に出ているものをじっくり物色しながら興味が無さそうに答える。
「まあ、場合によっては殺しても構わないけど、そうでない場合は記憶喪失とかなんとか言って誤魔化せば問題ないだろう。」
自分の主人が本当に興味がなさそうなので彼女達に損得の意識が消え失せたのだろう。彼女達には何の恨みもないが、もしも次に出会ってしまったら死んでもらおうと心に決めた。
「お、この兜カッコいいんじゃないか?」
真が手に取ったのは目から鼻まで隠れて口元が出ているスタイルの形で色は黒が主となっている兜だった。
「シン様が着用すればきっとお似合いですよ!」
「そうか?キコ。」
「ええ!まあシン様はなんでも似合ってしまいますが!ね?先輩!」
「何を今更当たり前のことを!」
「じゃあ、買っとくかな!これ下さい!」
◆◇◆
エリスは鼻につんとくる臭いを嗅いで目が覚めた。
「ここは...?」
見覚えのない天井があり、横には果物と緑のポーションが入った瓶がおいてあった。彼女の顔を横から眺める者がいた、ラキシードだ。
「お、起きたか。ここは神殿の個室だ。」
彼女をよく見ると身体のあちこちに包帯を巻かれている。
「何故...」
「憶えてないか?ダークドラゴンが俺達を吹き飛ばして...」
そうだ、気絶する前の事を思い出したエリスは自分の下半身を見て触ってみる。
ちゃんとある事が分かるとホッと胸をなで下ろす。
「夢...?」
「どうした?」
「いや、なんでも...」
突然ダークドラゴンに吹き飛ばされた時の事が鮮明に映像としてエリスの脳内に流れた。
「──シン、シンは!」
「落ち着いて聞いてくれ、助けに来た冒険者達に《魔の森》やら、あの村の中やら、俺達とは違う場所に飛ばされていないか探し回ったんだが...指すら見つからなかった...それから、アンコウも行方不明らしい。」
「.........くぅぅ...」
頭が痛い、酷い頭痛だ。
エリスは頭を抱えて過去の自分を呪う。
涙が後から後から止まることなく出てしまい、もはやエリスには飛べる術はなくただただ頭を殴ったり髪をかきむしることしかできなかった。ふと、右目を開くことが出来ないことに気が付き、個室の窓を見る、すると目の上から頬まで一直線に走る傷があった。上瞼と下瞼が接している傷のところがくっついてしまっている。手で触れば鮮明に脳に伝えてくれる、恐らくこれでもう彼女が冒険者投票で人気投票一位になる事は無くなったと考えられる。
しかし、そんなことは彼女にとって苦ではなかった。
「...他のメンバーは...」
「タリアは吹き飛ばされた時に不幸にも瓦礫で右腕を失って、回復魔法やポーションじゃ治せないから義手だと...それからレイシェルなんだが...」
「どうした...」
「骨盤を折っちまってもう、歩けねぇって...」
「──?!」
「くそっ!冒険者協会の奴ら普段から世話になってるくせに、こういう面倒な事態になったら丸投げしやがって!しかも国のお偉いさん方、あのダークドラゴンの討伐編成隊を組まねぇって言ってやがんだ」
「…」
「俺達SSランク冒険者がこのザマなのに放っとけって言うのかよ!シンとアンコウの行方だって、鬼虎が近辺にいる可能性があるって言って捜索を打ち切りにしやがったんだ!王国だけで人が足りないんだったらエルフとの戦争なんかに向かわせてる場合じゃないだろう!」
ああ、また頭痛がする。
頭をガンガンと金槌で殴られているような激しく痛い、吐き気さえもしてくる。
ここまで自分達がやられているのに、この国の人達はそれを知らずに今日も平和だと思い込んで一日を過ごしている?王は何をしているのか…
ショックを受けたのは彼女だけではない、タリアは利き腕を無くし、レイシェルはもう歩けない。それが、どれだけ辛いことか、それに彼女は獣人だ。獣人は人並外れた身体能力があることで有名だ、そんな彼女から歩くことを奪った、まさに生き地獄。では、それらを奪ったのは誰か。
「私だ...私のせいだ...」
「おい、それは違──」
「──私があの依頼を受けなければ、タリアは右腕を失わずにすんで、レイシェルは歩けなくなることはなく、シンは死なずにすんだ!」
「...」
黙り込んで下を向いているラキシードを見て我に返った。
「ごめん、怒鳴って...」
「いや、良いんだ...でも、悪いのはお前だけじゃない、王国で三本の指に入るなんて言われ始めた頃から浮かれてたんだ俺達は。本当は凄く弱かったんだよ、それでエリスばっかりに負担を掛けさせちまって...」
「ラキシード、そんな事は──」
その時、扉が開いて二人の女性が入ってきた。一人は鋼の右腕を持ち、もう一人は木でできた車椅子で登場した。
「──いや、ラキシードの言ってることは正しい。な、レイシェル?」
「だんちょー!これは慢心してた私達の自業自得です!」
「それに、他にやる事あるだろ?団長。」
「タリア...でもあなた右腕が...レイシェルももう歩けなくなって...」
「だんちょー、私頑張って歩けるぐらいにはなりますから!大丈夫です!」
「私も、もう利き腕は文字通り綺麗さっぱり忘れるから!それにこっちの方がカッコいいだろ?」
「だんちょー、シン君とアンコウちゃんの仇とりましょうよ!」
「そうだよ!あのダークドラゴンには一度ならず二度までもこんなにやられて悔しいよ!それに、この国の人達のためにも私達が何かしないと!」
「だとさ、エリス。」
「うん、皆ありがとう。これから私達が行うのは、仇でもあり復讐でもある。私達から色んなものを取り上げた暗黒龍への仇、それから何もしなかったこの周辺国家の主要人物達の復讐。強制はしない、国家転覆の犯罪者になる可能性もある…いやなら辞めてくれて構わない。」
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