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 動きやすい洋服と靴を購入し、浴衣を着替える。
 レンタカーを借り、池崎からの連絡を待つ。
「玲衣。君は、一体……」

『僕、哲哉さまが好きです』

 あの言葉は、偽りだったのか?
 愛の日々は、まやかしだったのか?
「いや、何かわけがあるに違いない」
 哲哉は、口を真一文字に引き締めた。
 信じるんだ、玲衣を。
 そこへ、池崎からの電話が鳴った。

「私だ」
『池崎です。玲衣くんは今、北町駅前のビジネスホテルに入りました』
「意外と近いな」
『わたくしは、どの部屋に入ったかを突き止めます』
「よろしく頼む」

 哲哉は、自動車のエンジンをかけた。
 玲衣の元へ、急いだ。

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