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大波小波

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 怜もまた、自宅のベッドの中にいた。
「あんなこと、言うつもりじゃなかったのに」
 青葉への、電話。
 芳樹さんから、離れて欲しい。
 兄である僕を愛しているなら、彼から身を引いて欲しい。
 そんな風に、話すつもりだったのに。

『青葉くん? 熱があるそうだね。大丈夫なのかい?』

『早く治して、それから正々堂々と戦おう』

『まぁ、それは置いといて。君を案じる気持ちには、変わりないから』

 彼を気遣う気持ちが、最初に出た。
 真っ向勝負を挑む言葉が、紡がれた。
 兄として、弟を心配していた。
「青葉……くん。青葉。僕の、弟……」
 自分と同じ顔を思い浮かべながら、怜は眠りに就いた。


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