この恋は運命

大波小波

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「麻衣は、クリスマスが好きなのか?」

「ええ。早乙女の家では、賑やかに飾っていましたから」

 そうか、と響也は考えた。

 麻衣がこの屋敷に来て、間もなく一ヶ月になろうとしている。

 少し、実家が恋しくなる頃なのだろう。

「麻衣がそう言うなら、ここもクリスマスらしくしようか」

「えっ?」

「実は、兄からクリスマスパーティーの招待状が届いてな」

 麻衣にもぜひ、同伴して欲しい、と響也は打ち明けた。

「いきなりクリスマスの中へ飛び込むのは、何だから。この屋敷もそれらしい装飾をして、心の準備といこう」

「いいんですか!?」

 目を輝かせた麻衣は、実に嬉しそうだ。

「岩倉と相談して、麻衣がデコレーションの指揮を執ってくれ」

「はい!」

 活き活きと弾み始めた麻衣の頭に、哲郎が赤い帽子を乗せた。

「良かったな、麻衣くん」

「ありがとうございます、哲郎先生」

 仲の良さそうな二人に、プチ嫉妬な響也だ。

「麻衣には、そんな変な帽子ではなく。もっと贅を尽くした装いを準備しよう」

 そう言って、麻衣の頭から帽子を取って、自分に被せた。

「き、響也さん……!」

「どうした、麻衣」

「か、可愛い、です……!」

 哲郎が明るく笑い、響也は困った顔をした。

 だが、悪い気はしない。

 サンタ帽を被ったまま、響也は照れ笑いをこぼした。
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