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1話 赤ちゃんが欲しいなら
しおりを挟むサイドテーブルに置かれた、小さな金のツリーが揺れる。
響也の動きに併せて、かすかに揺れている。
「響也さん……ッ!」
「麻衣、いいな?」
「は、あ、はい!」
麻衣は、大きく仰け反った。
途端に、体中が熱くなる。
響也の子種が、全身を駆け巡っている心地だ。
強く抱き合い、二人は余韻に浸った。
夢中で口づけ合い、少しずつ体から力を抜いていった。
「はぅ、ふぅ、うぅう……」
「そろそろ、慣れたかな?」
少し意地悪な響也の問いかけに、麻衣は緩く横に首を振った。
「僕。僕は、まだまだです……」
素直な答えに、響也はひどく彼を愛しく感じた。
息を整える麻衣に、そっと触れて、その体を絹で拭き始めた。
「あ! 僕、自分でやります」
「いいから。麻衣は体を休めなさい」
恐縮する麻衣の体を拭いてあげながら、響也は考えていた。
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