金曜日の少年~「仕方ないよね。僕は、オメガなんだもの」虐げられた駿は、わがまま御曹司アルファの伊織に振り回されるうちに変わってゆく~

大波小波

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「駿は、どうなんだ。父親とは、まだ連絡がとれないのか? 母は、どうしている?」
 伊織の問いに、駿もまた、肩をすくめた。
「父さんは、もう帰ってこないと思います。母さんは、たぶん男の人と一緒です」
 そうか、と伊織は歩みを止めた。
「駿が望むなら、父親の行方を捜索してもいいんだが。母親と男を別れさせることも、可能だ」
 いいえ、と駿は慌てた。
 天宮司家の、伊織の力をもってすれば、それは確かに可能だろう。
 だがしかし。
「両親には、それぞれの人生があると思うんです。僕も、もう子どもじゃないし、大丈夫です」
「駿がそう言うなら、放置しておくよりないが。困ったことがあれば、必ず言うように」
「はい」
 伊織さまは、いつでもこんなに僕のことを心配してくれる。
 その事実が、無性に嬉しい駿だった。
 

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